折立教室だより   子育てのちょっとしたヒントになればうれしいです

公文式の教室を初めて23年になります。たくさんの小さな「できた!」と大きな「ワクワク」に囲まれて私も日々成長しています。

見えない学力をつけよう

2014-11-16 19:41:44 | 以前のブログから
今月は、私の大好きな教育評論家であり元小学校教諭の、岸本裕史先生の代表的著書『見える学力、見えない学力』(大月書店)からの抜粋です。
 

知的能力の中核は言語能力です。俗に頭がいいとか、高い知能を持っていると言われているのは、言語を思考の道具として自由に駆使した、多彩に概念を操作できる能力が優れているということなのです。この能力は、生まれてから後の言語環境のよしあしと学習によって決まってきます。学校の成績があまりよくないといわれる子どもに、いっしょうけんめいにドリルを買い与えてやらせても、効果ははかばかしくありません。塾へやっても期待はずれになりがちです。それは、学力の土台となる言語能力が貧しいからなのです。氷山を思い浮かべて下さい。氷山というものは、大部分が海面下に沈んでいて、8分の1だけが海面上に姿を見せています。子どもの学力も、それと似ているのです。テストや通知簿で示される成績は、いわば「見える学力」なのです。その「見える学力」の土台には、「見えない学力」というものがあるのです。「見える学力」をたしかに伸ばすには、それを支えている「見えない学力」を、うんとゆたかに太らせなければならないのです。

岸本先生は、「見えない学力」には、「言語能力」「根気」「(遊びや家族でピクニックといった)先行体験」の3要素があるとおっしゃいます。
そのなかでも、言語能力は、物事を深く考えられるようになるうえで、非常に重要なのです。
岸本先生が、その昔、6年生の学力と読書量・テレビを見る時間などの相関関係を調べたことがありました。
その結果、小6のときの通知表で5を取る子の、詳しく知っている語いの数は37000語。月間読書数は30~80冊、1日にテレビを見る時間は30分。
それに対し、小6のときの通知表が1の子は、詳しく知っている語いの数が、わずか8000語。読書冊数は0冊、1日にテレビを見る時間は3~6時間というものでした。


テレビを見ている時間が長いのと比例して成績が悪く、読む本の量が少ないですね。ちなみに、小6のときに語い数37000語の子が1年生のときの語い数は7000語。つまり、言葉の数で比較すれば、よく本を読んでいる小1生は、本をまったく読んでいない小6生と同程度ということになるのです。
これは、かなり前の調査ですから、その差はもっと激しく開いていっているでしょう。
というのは、テレビ、ビデオ、ゲーム、ケータイが氾濫する現代は、20年前の環境と大きく変わってしまったからです。その昔、母親の叱り文句は「マンガばっかり見ていないで、少しは勉強したら!」でした。今や、マンガも“かったるくて”読めない子が増えています。

 公文の国語教材をやっている子達は、小学校の教材だけでもA1~F2まで一通りやると2400枚。復習を一回やると4800枚のプリントが読み込めます。
好きな内容もあまり興味の無い分野の内容も出てきます。「ちょっと考えて、苦しんで、賢い子になれ~!」と念じながら、プリントをセットしています。
中学生のテストを見ていて、国語の力が足らないために取れなかった問題が予想していたよりもずっと多いことに気が付いてからは、余計に国語の大切さを思うようになりました。


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