折立教室だより   子育てのちょっとしたヒントになればうれしいです

公文式の教室を初めて23年になります。たくさんの小さな「できた!」と大きな「ワクワク」に囲まれて私も日々成長しています。

結果は出なくてもほめる材料はある

2014-11-16 19:46:58 | 以前のブログから
「合格!今度から中学の教材だよ!!」
「おっ!時間もミスもクリアしたね!テストが受けられるよ!」

こんな言葉をかけた時の子どもはとても良い顔をします。
恥ずかしそうに頬をちょっと染めた誇らしそうな顔、次もやれそうだ、という自信に満ちた笑顔。
満面の笑みを浮かべて「やった~!!」と叫ぶ子もいます。


子どもは、ただ褒められても、それほど嬉しそうな顔をしません。小さくても自分の立ち位置は結構分かっているものです。
でも、自分ががんばった、と思っていることを褒められると、本当にうれしそうな顔をしますし、もっと頑張ろう、と思うようです。

 現実にちょっとだけ頑張らせること、その頑張りを見つけて、ちゃんと褒めてやること。
子どもが伸びていく良い循環を作るには、その二つが欠かせないと思うのです。
 そして(ここが肝心)、結果が出なかった時も、ちゃんと褒める材料はあるという事も、同時に知っておきたい事です。

・合格しなくても、できる分野が確実に増えている。
・時間に入らなくても、前回よりもずいぶん早くなっている。
・今日は時間がかかったけれど、自分だけで頑張れた。

一時的に混乱して、停滞しているように見える時(スランプ)でさえも、表面に現れないだけで、スランプの最初と終わりがけでは、ついている力はずいぶん違うそうです。
 
 公文式は、ちょっとだけメンドクサイ。
「わかったふり」ができない、楽をさせてくれない学習システムだから。
そして、そのちょっとの面倒さが、できるようにするための一番の近道だと実感している私としては、教室に通って、黙々と問題を解いている子どもたちは、それだけでもすごく頑張っているように思うのです。

どうぞ、アンテナをいっぱい張って、ちょっとだけ頑張れたことを褒めてあげて下さい。

大きく見える!?

2014-11-16 19:46:07 | 以前のブログから
「あれっ、○○ちゃん。」「あ~先生だ。」


スーパーや道端なんかで、偶然教室に来てくれている子にばったり出会うことがあります。
その時よく思うのが、
『あれれ、この子ってこんなに小さかったんだ…』
ということです。


いえいえ、その子が実際に小柄だとかそんなことではないのです。
私は教室での子どもたちしか知りません。
そして、教室での子どもたちは、実際より大きく大人びて見えるらしいのです。
これは私だけの感想ではなくアシスタントの先生たちからも同じようなことを何度か聞いたことがあるので、事実なのだろうと思います。


 誰にも助けてもらえないで、なんとか自分の力で課題をクリアしようとしている時、子どもたちはあれこれ考えながら、ずいぶん大人っぽい顔をします。
わかった!!と自信にあふれた顔で、終わりのあいさつに来る時は実際より大きく見えます。
まして折立教室は高進度の子が多いので、中学、高校の教材をやっている子も多く、小学生でも中学生、高校生の子と同じような高度な内容の会話をすることが頻繁にあるので、よけいに大きく感じるわけです。

 
たま~に、教室外で誰かに会うと、教室で本当に頑張っていることが実感されて、うれしいな…と思います。

たまに教室をのぞいてみてください。
家での様子とまた違った顔で頑張っているわが子を発見することができるかもしれません。

教育界の七五三

2014-11-16 19:45:40 | 以前のブログから
11月には七五三がありますね。

ところによって少々違うようですが、三歳の男女、五歳の男児、七歳の女児の成長の節目をお祝いする行事ですが、実は教育の世界にも七五三があるのです。

教育の世界での七五三はあまり良い意味ではなく、学校の授業についていけている子の割合が、小学校で7割、中学校で5割、高校で3割、ということをさします。
学校の教壇に立っていた経験や、教えてきた子供たちの様子から、確かに実際こんなものだろうという実感が私にもあります。

ご父兄の中にも、
「小学校のうちは何にもしなくてもよくできたけど、中学校に入って、自分よりできなかったた男子に抜かされてしまった。」
「中学校までは得意だと思っていた数学(英語)が、高校に入ったら、ものすごいスピードで進むので、とたんにわからなくなった。」
などという方がおられると思います。

公文でやる教材も、高校教材(J教材)からがものすごくたくさんです。

量が多いだけでなく、一枚にかかる時間も増えます。
たとえば算数の教材は、はじめの方は一枚が1~2分でできるものから始まっていますが、終りの方は一枚60分近くかかるものがたくさん出てきます。
あらかじめこの辺の教材をやっておくことでどんなに中学校生活、高校生活が楽に過ごせることでしょうか。

ぜひ、中学入学、高校入学までに学力の貯金を頭の中にたくさんしておきましょう。
中学で5割、高校で3割に入るためにも。

山田方谷という人を知っていますか

2014-11-16 19:42:34 | 以前のブログから
山田方谷、という人を知っていますか?
幕末に備中松山藩(今の岡山県高梁市)に生まれた有名な陽明学者(中国の学問)です。生まれが1805年なので、2005年には生誕200年として、あちこちで講演が行われました。
今回はこの山田方谷という人のことをちょっとお話しようと思います。


貧しい農家に生まれた方谷は、「学問こそが身を立てる唯一のすべ」という父母の下、5歳で藩の私塾の門下生になります。
そこで才能を見出された彼は周りが驚くほど一心に勉学に励みました。

「どうしてそんなに一生懸命勉強するのだ?」
と、9歳の方谷にたずねた所、
「治国平天下(国家が安定し、天下が平穏であるように)」
と答えた、という逸話が残っています。

彼を金銭面で支え続けた両親が10代半ばで相次いで亡くなると、家に帰り農作業をしながら学問を続けたといいます。
やがて、たいした逸材がいる、と、藩主に見出され、その後方谷は藩校の学頭(校長)になり、やがて藩の要職を任されるようになります。
当時の松山藩は実は破産寸前で、大阪商人に10万両(現在の160億円)もの借金がありました。
早速大阪に飛んだ方谷は、当時としては異例の、いわゆる債権者総会を開き、藩のバランスシートを公開しました。心を動かされた商人たちは、無利子、50年返済を了承してくれるのです。

また、藩で産出する良質の砂鉄を使って、農機具の開発を行い、全国的に売り出します。
これが“備中ぐわ”です。

彼は在職中の7年間で負債を0にするどころか、新たに10万両もの資産を作り、みごとに藩の
財政を立て直しました。                       


(山田方谷)



 
学問こそが身を立てるすべ・・・・それは方谷の貧しい時代ゆえの考え方でしょうか?

私にはそうは思えません。
一見豊かな現代においても、学問こそが、その子が経済的にも精神的にも豊かに生きてゆく大切なすべである事は変わっていないように思います。
むしろ、身分制度もなく変化に富んだ現代の方が、まっさらな実力を問われる分、厳しいのかもしれません。
精神的にも、学力の面でも、”実力“のある子どもを育てて生きたいと思っています。

見えない学力をつけよう

2014-11-16 19:41:44 | 以前のブログから
今月は、私の大好きな教育評論家であり元小学校教諭の、岸本裕史先生の代表的著書『見える学力、見えない学力』(大月書店)からの抜粋です。
 

知的能力の中核は言語能力です。俗に頭がいいとか、高い知能を持っていると言われているのは、言語を思考の道具として自由に駆使した、多彩に概念を操作できる能力が優れているということなのです。この能力は、生まれてから後の言語環境のよしあしと学習によって決まってきます。学校の成績があまりよくないといわれる子どもに、いっしょうけんめいにドリルを買い与えてやらせても、効果ははかばかしくありません。塾へやっても期待はずれになりがちです。それは、学力の土台となる言語能力が貧しいからなのです。氷山を思い浮かべて下さい。氷山というものは、大部分が海面下に沈んでいて、8分の1だけが海面上に姿を見せています。子どもの学力も、それと似ているのです。テストや通知簿で示される成績は、いわば「見える学力」なのです。その「見える学力」の土台には、「見えない学力」というものがあるのです。「見える学力」をたしかに伸ばすには、それを支えている「見えない学力」を、うんとゆたかに太らせなければならないのです。

岸本先生は、「見えない学力」には、「言語能力」「根気」「(遊びや家族でピクニックといった)先行体験」の3要素があるとおっしゃいます。
そのなかでも、言語能力は、物事を深く考えられるようになるうえで、非常に重要なのです。
岸本先生が、その昔、6年生の学力と読書量・テレビを見る時間などの相関関係を調べたことがありました。
その結果、小6のときの通知表で5を取る子の、詳しく知っている語いの数は37000語。月間読書数は30~80冊、1日にテレビを見る時間は30分。
それに対し、小6のときの通知表が1の子は、詳しく知っている語いの数が、わずか8000語。読書冊数は0冊、1日にテレビを見る時間は3~6時間というものでした。


テレビを見ている時間が長いのと比例して成績が悪く、読む本の量が少ないですね。ちなみに、小6のときに語い数37000語の子が1年生のときの語い数は7000語。つまり、言葉の数で比較すれば、よく本を読んでいる小1生は、本をまったく読んでいない小6生と同程度ということになるのです。
これは、かなり前の調査ですから、その差はもっと激しく開いていっているでしょう。
というのは、テレビ、ビデオ、ゲーム、ケータイが氾濫する現代は、20年前の環境と大きく変わってしまったからです。その昔、母親の叱り文句は「マンガばっかり見ていないで、少しは勉強したら!」でした。今や、マンガも“かったるくて”読めない子が増えています。

 公文の国語教材をやっている子達は、小学校の教材だけでもA1~F2まで一通りやると2400枚。復習を一回やると4800枚のプリントが読み込めます。
好きな内容もあまり興味の無い分野の内容も出てきます。「ちょっと考えて、苦しんで、賢い子になれ~!」と念じながら、プリントをセットしています。
中学生のテストを見ていて、国語の力が足らないために取れなかった問題が予想していたよりもずっと多いことに気が付いてからは、余計に国語の大切さを思うようになりました。

100メートルの公式記録

2014-11-16 19:40:54 | 以前のブログから
先日、以下のような記事を読んで、ちょっと考えさせられてしまいました。ある、吹奏楽団の団長さんの言葉なのですが、皆さんは、どう思われますか?



「長い間、人間が陸上競技で100メートル10.0秒を切ることは不可能だと言われていた。しかし、一人の選手があるとき、9.9秒台で走ったら、(公式には1968年ハインズ)、他の選手も続々と10秒の壁を破ってしまった。
限界という壁を作っていたのは、実は、自分自身だった、ということです。

吹奏楽の世界でも、一昔前なら“大学のバンドでもできそうもない”と思われていた難曲を、中学生バンドがやすやすと(ではないだろうけれど)演奏してしまっている。
今日より明日、今年より来年・・・・という気持ちを持つ事が大切なんだと感じています。」

特に幼稚園から小学校の低学年くらいまでの子は、親が無意識のうちに
「まだ小さいし、うちの子はこれくらいでいい・・・」
と、限界を決めてしまっているケースが多いようです。
子供は親が望んでいるところまでしか伸びません。逆に言うと、親がどれだけを望み、どれだけ働きかけてやるかで、こどもの伸びはまるで違ってくるということです。
宿題を毎日決まった時間にやらせる事、できたらうんとほめてあげる事、分かっていなさそうなところは教室の指導者に伝えていただく事など、どれもみな立派な働きかけです。

急ぐためにゆっくりやる

2014-11-16 19:37:27 | 以前のブログから
「学校ではもう○○をやっているのに、公文では△△のところを学習しているのですが大丈夫でしょうか・・・・・。」

入会一年未満のお子さんのご父兄から寄せられるご質問の中で一番多いのが、こういう類のものです。
この質問の内容は、学習を成功させるために一番大事なところなので入会の時に結構しつこく(?)説明しますがそれでも何となく不安になってしまうのも確かなようです。

 さて、ここでクイズです。


5年生の子と3年生の子、同じテストをした場合、どちらが学力が上でしょう?

「5年生に決まってるじゃないの。」
という声が聞こえてきそうですが、公文を長年やっている子たちは多分即答しないでしょう。
色んな5年生3年生があることを実際目で見て知っていますから。
自分より下の教材をやっているお兄ちゃんもいれば、自分よりはるかに先をやっている幼稚園児もいる。
 そして、こんな風に学年と進度が見事にバラけてしまうのには理由が二つあります。


 一つは、学習期間。
 早く公文を始めれば始めるほど、同じ年になるまでにこなせる学習量は多くなりますから、先の事が出来るようになります。特に小さい子は、時間に余裕があります。学校で毎日6時間の授業を受けて、家でやる宿題をもらって帰ってくるお兄ちゃんお姉ちゃんたちに比べると、公文にたっぷり時間をとることができます。また、中学生の子に比べて、小学生は部活や下校時間の点から言うと、ゆとりがあります。


 もう一つは、個人の吸収力の違い。
 まだ学校で習っていない教材。それをマスターするまでにかかる時間は、実は一般の方が思っているよりもはるかに子どもによって違いがあります。
いわゆる「できる子」が1,2回でマスターしてしまうところを、理解に時間がかかる子では10~20回以上も必要なケースは珍しくありません。それくらい個人差があるという事です。
 でも、学校ではおおよそ中くらいの子に標準を合わせて授業を行っていますから、1回で済む子も、20回必要な子も、例えば5,6回のおさらいで済んでしまう。
それをどの単元でも繰り返していけば、やがて決定的に分からなくなってしまうのも無理はありません。

 「実際の学力」と「学年で要求される学力」のギャップは、なかなか一斉授業で埋めることはできません。
10回の復習が必要な子に復習をケチってはいけないのです。そして、必要な復習回数と、きちんとした学習習慣さえつけてやれば、やがて3,4回くらいの復習回数で済む子になって行く・・・・というのは実は珍しいことではないのです。


 ゆっくり急ぐ。
 学習の成功のための一番の近道です。

折立教室のブログができました

2014-11-16 19:36:42 | 以前のブログから
日ごろ頑張っている子どもたち。
頑張る子どもたちから私自身が勇気をもらうことも沢山あります。
日々の雑感や、ちょっとしたこと、面白い発見など、教室だよりりではなかなかお伝えできないことを少しづつ書いていこうと思います。

公文は頑張る主役は子どもたちですが、教室では私、お家ではお父様やお母様に力をもらって初めて頑張れることも多いのです。

このページを読んでくださったお父様やお母様が、少しでもたくさんの、頑張る勇気を子どもたちに下さることを願って、あれこれ書いていこうと思います。
教室だよりも随時載せていこうと思いますので(個人情報の関係でメインの記事だけになりますが)、時々、このページを覗いていただけると嬉しいです。