折立教室だより   子育てのちょっとしたヒントになればうれしいです

公文式の教室を初めて23年になります。たくさんの小さな「できた!」と大きな「ワクワク」に囲まれて私も日々成長しています。

わが子に遺せるもの

2018-06-01 16:27:30 | 日常の生活から
どんどん変わっていく世の中。
今有望と思っている会社も、もしかしたらわが子が大人になっている頃には、なくなっているかもしれません。
2020年度から教育改革が進んで、センター入試も廃止されます。
予想がつかないからこそ、今できることは何でしょう?

何をしてやれるか?
と考えていつも頭をよぎるのは、ユダヤ人の教育に対する考え方です。

ユダヤ人は  ノーベル賞の22%、 フィールズ賞の30%、 チェスの世界チャンピオンの54% を占めています。
アメリカの金融界や映画界を支配しているのもユダヤ資本です。

ユダヤ人は全人口の0.2%ですから、びっくりするような割合ですよね。
 

ユダヤ人は長い間国を持たない民族でした。
ヨーロッパの各地に散らばったユダヤ人たちはずっと差別され、家や土地などの不動産を持つことを許されませんでした。
許されたのは現金の所持のみ。

いくらお金を稼いでも、子孫に残すことができなかったので、
代わりに現金を子どもの教育に当てることを考えたのでした。
当時は普通教育のない時代で、字が読めるのは一部の人々だけの時代に、
ユダヤ人は親の教育投資のおかげで読み書き計算、さらに上の高等教育を受けるものも多かったのです。
そして次第に優秀なエリート層を形成していったのでした。


家庭での教育方法
 教育こそが財産、と考えるユダヤ人は、とても教育熱心です。家庭でも独特の教育を行っています。
1.幼児期からユダヤ教の聖典である「タルムード」を音読、暗記させる。
2.特に読書を重視する。母親が子どもに本を読み聞かせ、子どもに読書を強く奨励する。
3.聖書や法律の勉強をするうえで子ども同士が議論して、いかに新しい解釈ができるかという点を競い合う。従来の解釈を鵜呑みにしない。
4.自分の子どもが「絶対に伸びる」「必ず成長できる」と言葉と態度で子どもに示す。

真の富は「知識」である。“The real wealth is portable ; It’s knowledge.”(『TheJewish Phenomenon(改訂版)』より)
迫害の歴史に遭っても、脳内に納められた知識だけは誰にも奪われることがない。

これがかれらが脈々と受け継いできた哲学です。
グーグルの創始者サーゲイ・ブリンが
「自らのキャリアは、家庭の環境による影響が大きい」
と述べているように、ユダヤの人々の成功の背景にはその伝統的な教育に対する考え方が」あるのだと思います。

教室で黙々と(時にはわからん!・・・とぶつぶつ言いながら)教材に向かっている子どもたちを見ていると
、頭の中にものすごい財産を築いている最中だ、と感じます。
時には上手く進まなくてイライラしたりすることがあるかもしれません。
すぐに進まないところは、今までと違う頭の使い方を要求されているところです。つまりステップアップするチャンスです。
そうやって進みながら、少しづつ成功体験を重ねて、自分で自分を賢くする方法を身につけて欲しいと考えています。

教育制度が変わっても、世の中が変わっても、必要なのはまさにその力だと思うからです。