くまぷーの海外ドラマblog

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ザ・ホワイトハウス7 第7話「討論会」

2009年09月04日 | ザ・ホワイトハウス
両候補の討論会は、その回数や方法をめぐって同意が得られず、実施が危ぶまれていたが、両候補が直接「本当の討論会をやろう」と申し合わせたことで、ようやく開催されることになった。
ヴィニックもサントスも直接対決に緊張しつつ、とうとう本番を迎えた。
司会のフォレスト・ソーヤーが発言や質問の持ち時間を詳しく説明したところ、ヴィニックが最初の挨拶で「あのルールはよくない、直接議論を戦わせよう。国民が聞きたいのは本物の討論だ」と発言したことで、ルールを取り払って二人が直接討論を行うことに変更された。
そして、まずは不法入国者の問題から討論が開始され、減税、教育、保険制度、銃規制、代替エネルギーと白熱した議論が交わされる・・・

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舞台に上がる前は、サントス夫人やブルーノやルイーズなど、両陣営の裏方さんたちが励ましていたりしたが、討論会が始まるともう二人と司会者だけ。
ずっと二人がしゃべりっぱなし。

実はこのエピソード、アメリカで放送時には生放送で!ライブで!やったのだという。
しかもERのライブ放送(第4シーズン1話「待ち伏せ」)同様、西海岸時間と東海岸時間の2回ナマで放送されたというのだから、驚きと感動は倍以上だ。
そりゃーサントスもヴィニックも緊張するわけだ、あの緊張はかなり素が入っていたと思う。時々両候補のいる舞台の前をカメラマンたちが右往左往しながらアップの画像を撮影しているのだが、その動きが非常にリアルで、「いやーほんものっぽいなぁ」とか思ってしまうが、そりゃ本物だもの。
それで今回放送になったのは西海岸バージョン。なぜかというと、東海岸バージョンにはEllen DeGeneresが出演していたらしいので。
アメリカで発売になったDVDには西海岸しか収録されていないらしいが(その分メイキングが特典で収録されている)、日本でDVD化する時は両方入れてくれないかなぁとか・・・無理っすか?

でも東と西でどれだけ違うのか、ナマが二人の俳優に及ぼした影響とかを見比べてみたい。あのハンドマイクはあらかじめ決められた演出だったのだろうか、とか。
サントスがマジギレしたのは、ヴィニックが「リベラル」を否定し攻撃した時だったが、あれは東西でどうだったのだろう。
あれをナマで二回見た観客役の人が、仕事とはいえいい芝居観られてうらやましいことだ。思えば観客が「嘘つき!」と言ってつまみ出されるシーンがあったから、二人芝居で白熱したとしても、脚本を著しくはみ出して別の芝居をするわけにはいかないし、政策に沿った台詞を言わなければいけないのだから、ある程度がっちりかためられていたのだろうか。

しかしこの討論会を見る限りだと、ヴィニックの方に軍配が上がりそうだ。政策の中身には一長一短があるだろうけれど、ヴィニックのほうに議論のうまさは一日の長があったように見えた。
サントスは目玉のはずの教育問題で完全にヴィニックに場を支配され、逆にヴィニックの独壇場になることを許していた。いくつかのカテゴリでは結論をごまかそうとしたヴィニックを、サントスが逆に問い詰めて土俵際まで押し込んだ場面もあったが、全体的にサントスは硬くてヴィニックペースになっていたのは否めない。
ただ、ヴィニックは「共和党内で王道でない」ことが常に弱点であり、そのことで言質を取られまいとうまくごまかす場面が多かった。本人なりの理由があってのことなのだが、そこは歯切れが悪く感じられてマイナス。でもきちんと説明しようとした内容にはなるほどとナットクさせられる説得力があった。
さすがにレオが「彼が出てきたら民主党に勝ち目はない」と言っただけのことはある。
サントスは誠実で熱心な人柄は伝わったものの、やはり若さゆえの粗が目立ってしまったような。「石油のために戦争はしないと約束してください!」のシーンは、「よーしヴィニックを追い詰めた!」と見るか、「サントス、青いなぁ」と見るかで評価が分かれるところだろうが・・・
ここからサントスはどう追い上げていくのだろう。そこでヴィニックの持つ「弱点」が効いてくるのかな。

もし、サントスじゃなくてラッセル副大統領が民主党代表になっていたら、討論会はヴィニックの一方的な大虐殺になっていたことだろう。ラッセルはすべて言い負かされ、質問攻めにされ、実力の差がくっきり出たであろうことは想像に難くない。多分選挙結果もヴィニックの圧勝で終わっていたことだろうと思う。
日本でも選挙前、党首討論(二大政党一騎打ち、ではなかったが)が各テレビ局で何度か行われていたが・・・
その時、民主党の政策に質問が集中していて、それを「まるで与野党が逆転したような」と、まるで「横綱相撲」をとったかのように誉めて報じられていた。
議論が一方的な受身になったのをメディアが誉めるっていうのでは、日本で二大政党制が成熟して、首相候補が実りある激論を戦わせるようになるのはまだまだ先のことなんだろうなぁ・・・


【 脇俳優チェック 】

◆討論会の司会 .... Forrest Sawyer
CBSやABCなど各局のニュース番組の顔をつとめる、アメリカを代表するアンカー。
2007年にタンザニアでのヘリの事故から生還している。

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3 コメント

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コメントありがとうございます (くまぷー)
2009-09-08 00:57:14
>美奈さん
お久しぶりです。
ナマなんですよ!ほんと、脚本と演出と俳優が最高のものが揃ってるからできるという意欲的なエピですね。
あの声、平野さんでしたか?最近聞いてないからそれは気づきませんでした。遠慮とかするかなぁ・・・。
NHKはほんとに判断を誤ったと思いますが、さすがにオバマ政権誕生とTWWがリンクしてくる予言ドラマになってるとは、キャンセル決定時点では読みようがなかったですからね。
スパドラさんの完全勝利ですね(爆)

>カフェオレさん
お久しぶりです~。
1日2本の生放送、しかもほぼ2人芝居ってすごいですよね。
舞台だったらナマなんて毎日だよって感じかもしれませんが、ジミー・スミッツが相当あがってたのが伝わってきて、それがいい感じに若いサントスと老獪なヴィニックの雰囲気にマッチしていて、いい効果になってましたね。
カフェオレさんは途中からとのことですが、ぜひ最初から全部ご覧になってみてください!色々深いです。
返信する
Unknown (カフェオレ)
2009-09-07 07:46:30
わたしも久しぶりにコメントです。
ほんと、すごかったです。緊張しましたもん(笑)
討論会に切り替わった瞬間から「本物みたいだなー」と思いましたが、くまぷーさんところ来て「生だったんだ!」と。
途中から見始めたTWWですけど、はまってますっ(遅)
返信する
すごかったですね (美奈)
2009-09-05 22:08:25
ものすごく久しぶりにコメント致します。
やっと録画したものを見て、あまりの迫力に出て来ました。あれ、生放送でやったんですね!制作者も出演者もすごい力量です。これだから見るのをやめられません。
しかしオバマブームがあったり日本でも政権交代があったりする時期にこれを放送できていないNHKはホントに判断を誤ったと思います(笑)
ところで司会者フォレスト・ソーヤーの声優さん、最初の一声で平野次郎さんだと思いました。クレジットもないしスパドラのサイトにも記載がないのは、やはり古巣NHKに遠慮しての事でしょうか、、、
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