くまぷーの海外ドラマblog

海外ドラマを脇役チェックなどしつつ
あれこれ見ています。

コールドケース 第14話 「箱」

2005年10月06日 | コールドケース
「生きる時代を選べない」・・・・フーバー研究所のセイアー医師の言葉だ。

アーノルドや他の少年達が今の時代に生まれていれば、放射能実験をされることもなく、ショック療法をされることもなく・・・・アーノルドが孤児になることもなかったかもしれない。
でも、生まれた時代にタラレバを言うことはできない。前回に引き続き「そういう時代だったのだ」としか言いようのない重い現実。

「フーバー」研究所だから、FBIの関連施設だったのだろうか。
放射能の影響がわかっていない当時、グレイスにしてみたら「体にいいことをしている」としか思っていなかったのだろうし、「パパに顔を見せてあげる」というつもりで、それに子供達に収入があればつましい施設の助けにもなるし、と・・・・
無知というのでもない、知ることができなかったことで責めることはできない。グレイスが責められるべき点は、人としての感情に忠実だったということなわけで、それもあんまりな話だ。

ところで、アーノルドが入っていた箱の謎解きまで丁寧にやっておきながら、唯一、最初の「スーツケースを教会に置いたのは誰か」ということは明言されていない。
「長い間秘密を隠してた人」
ということだと、シスタービビアンということになるのだろうか。彼女だとしたら捜査に協力的ではないのが矛盾するが、「罪を明らかにして欲しい」という意味ではなく、神の元に罪を預けるつもりでスーツケースを教会に持っていったのに、教会側がドライに警察に届けてしまったので望まない波紋が起こってしまった、という解釈もできる。
関係者で罪を共有しているのは、ビビアンとグレイスと、もうひとりクレイトンだ。
クレイトンは全然出てこなかったが、彼が罪の意識から持っていった、というのも美しくていいかなと思ったのだが、ナースのサリーが「当事者はみんな死んでしまったので」と二人の関係について語っているところを見ると、クレイトンはもう亡くなっているということなのだろう。
アーノルドが亡くなったことを聞いて、クレイトンはどういう態度をとったのだろうか。あまり芳しいものではないような気がする。それなのに死ぬまで彼を愛したグレイスが哀れで・・・・

スーツケースの中には、一緒に洋服も入っていたが、あれはアーノルドの服ということになるのだろうか。
だとすると、やはりビビアンがスーツケースを置いたと考えるのが自然なんだろうなぁ。
そういえば今回は、誰も逮捕者が出なかった。グレイスもクレイトンも亡くなっていて、ビビアンは死体遺棄だが、殺人ではないので時効が成立しているのかも。

カイトネタでリリーをイジるのが、スティルマン組の娯楽のひとつとなっているようだ。
またリリーも嘘をつくのがヘタだから・・・・
ポーカーフェイスのアイコンタクトで追い詰められていくリリー。でも、あんまりイジると余計なことを考えて、うまくいかなくなるような気がするので、おじさま方もお遊びはほどほどに。まぁ、ヴェラは「ぶっ壊してやりてぇ」とか思ってるのかもしれないが。

そして、冒頭にいきなりスコッティの不審な行動。女か!
ボスには女っ気のなさをからかわれていたが、なんのなんの、しっかりお相手がいるようで。
しかし、その相手に会いに行かずに「逃げている」様子。だんだんスコッティの謎も見えてきたようだ。


【 脇俳優チェック 】

◆スコッティの電話の相手エリサ .... Marisol Nichols
今回のキャストの中にクレジットされていたが、実際には顔は出てきていない。台詞では「エリサ」と言っていた。写真だけでもクレジットが出てくることはあるが、声すらも出てきてない電話の相手でも出てくるんだなぁ。
この女優さんは「CSI:4」第2話「狂気の仕置き人」で、ウォリックに「デートしてくれたら情報探すの早くしてアゲル」と逆ナンをかけた色っぽい911オペレータ役で登場。
「フレンズ 9」第19話「シュガー・ハイ・ジャーニー」では「愛の病院日誌」のキャストのオリビア役。レイチェルがスタジオに見に来た時、ジョーイの相手役で『花嫁姿のところをドレイク・ラモレーに引き止められる』という演技を撮影していた。
「Nip/Tuck」では12話でタイトルにもなっているアントニア・ラモス役、「ER Ⅲ」の名エピ15話「険しい回り道」ではキャロルと一緒に人質になったアンジー役など、けっこう印象的な役をやっているひとで、美人だ。
スコッティとどうからむのか気になるところだが、次に出てくるのは1回飛ばして16話。

◆箱発見者の大学生ウォルター・ラファティ58年版 .... Dave Michael Beaudrie
特に他に出演作とかは見つからなかったのだが、彼はあの看護の祖フローレンス・ナイチンゲールの子孫だそうだ。・・・うーむ、明日使えないトリビア。

◆孤児院出身のヒゲ男ロジャー .... Garrett M. Brown
「CSI:2」第2話「偶然の失踪」で、失踪した女子大生ペイジの父ライコフを演じていた。
「ロズウェル 星の恋人たち」のマックス・エバンズの父フィリップでサブレギュラー。フィリップ役は元々別の俳優が演じていたのが降板して二番目。第1シリーズの12話から登場。

◆シスター・ビビアン現在版 .... Samantha Eggar
60年代から美人女優として活躍(リンク先の写真の超美脚なこと!)しており、65年にはウィリアム・ワイラー監督(「ローマの休日」、「ベン・ハー」など)の「コレクター」でアカデミー賞主演女優賞ノミネート、カンヌでは受賞。
「刑事コロンボ 殺しの序曲」では犯人の浪費癖妻を高慢に演じていた。2000年になってからソープオペラ「All my children」にレギュラー出演したり、PC用ゲームソフト「James Bond 007: Nightfire」でMの声を担当したりと、なかなか幅広い仕事ぶりだ。

◆研究所の医師ミルトン・セイアー .... Bruce Gray
オフィシャルサイトあり。映画や舞台で60年代から活躍し、出演作は数知れず。地味に名だたる作品に顔を出している。・・・もうちょっと「代表作」ってあってもいいやん、と思うくらいに。
私が「あぁこれは見た!」と思い当たったのは、「マイビッグファットウェディング」で、花婿イアンの父親で、花嫁のギリシャ人ファミリーにもまれて戸惑いながらもなじんでいくという役だった。

◆箱発見者ウォルター・ラファティの現在版 .... Charles Noland
「ER」では第2シーズンから第3シーズンまで雑用のイーレイ役で、その多才さで笑いを取っていた。「ザ・ホワイトハウス」では第1シーズンから第6シーズンまでずっと記者のスティーブ役でサブレギュラー出演をしている。

◆シスター・グレイス .... Autumn Reeser
「CSI:4」第7話「猶予24時間」でレイプ殺人の被害者レイチェル・ライフォードで出演していた。今回シスター姿だったのでわからなかったが、言われてみれば確かに。
他にはメル・ギブソンプロデュース&何話か演出の「Complete Savages」でサブレギュラー。

◆ミルトン・セイアー医師58年版 .... Brent Schraff
「FBI~失踪者を追え」第19話「落ちた罠」のオープニング、科学教師ジョシュアが失踪当日の最後の授業をしている場面で、おちゃらけた質問をしてみせた高校生リッチを演じていた。
「ザ・ホワイトハウス6」13話にも登場予定。

◆孤児アーノルド .... Lyndon Smith
「CSI:2」第21話「最も残忍な殺害方法」の冒頭、公園で転んで下に埋まっていた遺体の苛性ソーダで火傷する子供で登場。
「ジョーイ」の第12話「ドンデン返しのクリスマス」では、やっぱり巻き毛が特徴的な、こまっしゃくれた子役のソーヤーくん役でジョーイを困らせていた。

◆アーノルドの姉グレッチェン現在版 .... Molly Cheek
映画「アメリカン・パイ」シリーズ3作通じて、主役のJason Biggs演じるジムの母親役。
他、「おちゃめな魔女サブリナ」第5シーズンにゲストなど、出演作多数。

◆研究所の看護婦サリー・サーバー現在版 .... Jacqueline Scott
オフィシャルサイトあり。スピルバーグの監督デビュー作「激突」のヒロインの女優さん。シブいワンポイントに使ってくるなぁと感動。
この方も昔は美人女優さんだったのだな。50年代からテレビや舞台で活動し、出演作は数知れず。もう今回そんなのばっかり。

◆シスター・ビビアン58年版 .... Johanna Watts
オフィシャルサイトあり。Samantha Eggarに似たきっついタイプの女優さんをよく見つけてくるなぁ。
「CSI:マイアミ2」18話「盗まれた証拠品」で、カリーの弱点「蟻」の炒めもの(!)を出すバーで働くホステスのレイチェルで登場。あの時もキレやすい役だった。
他に「スタートレック/ エンタープライズ」の第4シーズン20~21話で、地球人ジャーナリストのガネット・ブルックス役。

◆諸悪の根源医学生クレイトン .... Ryan Tasz
「バフィー~恋する十字架」の第2シーズン19話にベン役。まだそんなにキャリアは多くないが、こんなページがあった。背が高くてフットボールのキャプテンで成績も優秀で総代、そのかたわらでモデルもやったり俳優デビューして作品もまぁ恵まれて、みたいな。
・・・・そういうひとって、そんなに魅力を感じないのは私だけでしょうか。
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9 コメント

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Unknown (MAC)
2005-10-06 09:07:55
はじめまして。海外ドラマが大好きなもので、いろいろ検索していてこちらのブログにたどり着きました。毎回の内容がきっちり整理されていて、その労力に脱帽です。



スコッティの電話の相手、気になりますね。私は「彼女」というよりは、姉妹ではないかという気がしたのですが。で、彼女は精神の病で入院してて、会いにきてほしいと言っているが、スコッティが延ばし延ばしにしている、とか。(安物のドラマすぎますか?)



これからますます目が離せないですね。

またちょくちょく立ち寄らせていただきます。
返信する
スコッティ (honey)
2005-10-06 18:32:01
何やらワケありの予感。今後の展開が楽しみです。

リリーは恋愛になると女子高生みたいでかわいいですね~。

その態度、わかりすぎっ!って突っ込んじゃう(笑)コチラも今後の展開が楽しみです!

返信する
今週も (がろと)
2005-10-06 21:00:56
いっぱい有名人が出てたんですね…

いつもこちらで学んで、そうだったのかと納得しています。

ERの雑用係オヤジはすぐにわかりましたが、マックスの父まで出てたんですね。びっくり。



そしてスコッティが誰に会っていたのか、とても気になりました。
返信する
レスありがとうございます~ (くまぷー)
2005-10-07 00:27:51
>MACさんへ

はじめまして!おいでいただいて嬉しいです!

一度やり始めると気になって気になって、つい調べるのをやめられない状態に・・・

スコッティの電話の相手、姉妹もあるかもしれないですね。

ただ、リリーもこの先トラブル妹が出てくるので、二人とも姉妹がらみでかぶるかなー?なんて読んでみたりして。どうなんでしょうね。16話でどのくらい謎が明かされるのか楽しみです。これからもよろしくお願いします!



>honeyさんへ

リリーも女子高生みたいだし、周囲もガキんちょのようなからかい方をするし、かわいいですよね。

ヴェラは、本音ではリリーのことがすきなんじゃないのかな?なんてね。



>がろとさんへ

時代が古くなると、「昔」ができる俳優さんを配置したり、現在にお年寄りの味のある俳優さんを配置したりで、どうしても豪華になるんでしょうね。

いやー、この回ほんとにゴージャスです。CCはほんといい俳優さん使ってるなーって感じがします。



スコッティの電話、ちょっと甘い喋り方してましたね。どういう相手なんだか気になりますねー。
返信する
重厚な内容に脱帽 (nyan-routine)
2005-10-07 23:23:13
「シリーズ開始当初の無礼をお詫び申し上げます」って感じの見ごたえのある、考えさせられる内容のエピが続いているCC。ちょっと重たすぎる?救われない?という意見もあるようですが、こういう時代があってこそ、今の時代があるんだということをひしひしと感じさせられます。有色人種への差別、科学の冒涜・無知(今のアスベスト問題もそうですよね)、一篇のTVドラマとしては秀作だと思いました。

スコッテイの電話。これ、なんとなく映画「Love Actually」のローラ・リニーの演じた女性の男性版のような気がしてしかたがないのは私だけ?彼も馴染んできて、良いチームワークできてきましたね。。。
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またひどいことを (yasishi)
2005-10-08 10:50:43
TBさせていただきました。

前回に続いてひどいお話。

誰がスーツケースを届けたのかはやはり謎ですね。ほかのことはあんなにはっきりしたのに。

重苦しい事件のことだけでなく、登場人物たちの私生活がチラッとのぞくのがいいですね。見る側に想像させるために披露しているようで。

スコッティの電話の相手といい、前回のリリーの言葉とか。
返信する
nyan-routineさんへ (くまぷー)
2005-10-09 00:56:26
ほんと、「音楽だけ」とか言ってスマンかった、という人が多いかもしれないですね。

だんだん面白くなってきました。

重たすぎるとは思わないですが、ドキュメンタリーではなくドラマなので、最後には救いが多少なりともあって「あぁよかった」と思いたいというのもあるのではないでしょうかねー。

それだけ秀作で、見るものに重い荷物を心に残すものとなっているのだということなのでしょう。



ローラ・リニーの役というのは思い至りませんでした。なるほど、面白い視点だ・・・

スコッティが入ったことで展開が明らかによくなりましたよね。この好転はなかなかすごいなと思います。
返信する
yasishiさんへ (くまぷー)
2005-10-09 01:00:38
スーツケースは、消去法で行くとシスタービビアンしかいないのですが、あまりに何も明かしてないのでもしかして違うの?と思ってしまうくらいですよね。

ブラッカイマードラマの常として、あえて語らず行間や余白の多い演出をしておいて、見る側があれこれ想像する余地を残しておくんですよね。

でもその想像を軽く裏切る程度に後から種明かしをしてみたり。



今「こうかな?」と思ってることが、どれだけ裏切られるかがとても楽しみですね。

返信する
ドラマも学ぶ姿勢で見よう (Hat)
2015-07-05 05:31:23
このドラマは各々でスト-リーや時代背景を
考えた今日がキチッと挿入されている。
今回の複数の曲もピッタリ。
視聴者はその辺まで解っているのだろうか?
ただ、その時代の曲程度だろうと聞き流している
だけで、解っていないと重う。無理な事だろうか
挿入曲の歌詞まで知らないと勿体無い。

このプロデューサーであるブッラカイマーが扱う
作品はドレもそんじょそこらの見流すモノではない。ドレも重いぞ!
返信する

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