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これで「ベストを尽くした」? 胎盤剥離の妊婦に胃薬、死産

2006年05月09日 | こども・小児科
GWを挟んでサボっていましたが、ぼちぼち復活します。福島の産科医逮捕事件のその後についてもまたチェックしていきたいと思いますが、一連の流れの中で出てきたこの医療事故の記事、これこそ許せません。これは大野病院の一件とは全く違います。

救急医療:医師不足の2次病院、腹痛に胃薬…死産

9か月の妊婦で激しい腹痛なら、赤ちゃんの命の危機が迫る緊急事態を「絶対に」考えなくてはいけないのに、たとえ何科の医師であろうと、産科医が一人だろうが不在だろうが、胃薬を出して帰すなどということは犯罪行為に近い。心情的には、こういう医師を逮捕するのなら話はわかるのだが、どういうわけだが「医師不足」を強調して医療体制の不備が原因のごとく書かれている。記者の頭の中はどうなっているのか。大野病院の医師を責め立てておいて、この医師を擁護するとは。

繰り返しますが、これは体制の問題ではない。自院で妊婦健診を受けている妊婦の早剥に対応できないのなら産科診療をやめるべきだし、この時自院で対応できなかったのであれば、最低限他院に送らなければいけない。何もせずに帰すなど言語道断で、失われた赤ちゃんの命に対して「お気の毒だった」ですまされる話ではない。

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