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麻疹(はしか)と風疹:2014~2015年の流行状況と対策

2015年02月19日 | こども・小児科
 2014年は麻疹(はしか)が再び増加して463人となり、2013年の232人の2倍になりました(制圧目標は年間120人)。その原因は、海外からの輸入例に加えて、周辺から広がった流行が一部地域で定着したことにあります。



 一方、2013年に14,344人と成人男性を中心に大流行した風疹は、2014年には321人となり、2011年(378人)以前のレベルまで低下しています。ただし、青森県内では明らかな流行がみられなかったため、多くの成人(特に男性)が未感染のまま残されています。(=いつ流行するかわからない)



(風疹のグラフは2013年だけ右軸(16000人)で、他は左軸(4000人)となっていることにご注意ください)

 麻疹も風疹も目標は100万人に1人(年間120例)以下で、輸入例があってもそれ以上拡がらないことですが、現状では数年以内に達成できる見込みはなさそうです。麻疹の制圧目標は2012年で、すでに3年も過ぎています。

 1歳児と入学前のMRワクチンの徹底に加えて、麻疹と風疹ワクチンを2回接種していない成人男女へのMRワクチン接種の徹底が求められています。(現在の国や自治体の対策では不十分です)

(院内報原稿に加筆)

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