小生は仏像研究の学者でもなく、仏像史における顔の変遷について全く知識もありません。
しかし、三井記念美術館館長の清水真澄氏の著書によりますと、仏像が造顕された飛鳥時代から時代の変化とともに
仏像の顔も微妙に変化しているそうです。
写真は順番に円空仏2体・飛鳥時代の法隆寺金堂・釈迦如来、白鳳時代の中宮寺・半跏思惟、
天平時代(7世紀末ごろ)の薬師寺の薬師如来像、平安時代の新薬師寺の薬師如来像、平等院の阿弥陀如来の仏像を
並べてみました。
勿論、これらの仏像がその時代を代表したものではありません。
初期のころに比べ、天平時代は国家権力の影響で中国・唐の影響がみられるそうです。
新薬師寺の薬師如来は「ぎょろ眼」ですね。
平等院の阿弥陀如来像は「仏本様」として以後の仏・菩薩の顔に継承されて地方にも伝播して「定朝(じょうちょう)
様式」と称されています。
写真に掲げました顔について解説は省きますが、円空仏はどれかに似ているのでしょうか。
小生が無知だけで円空仏の顔の変遷について著書がどこかにあるかのかも知れません。
ところで「顔」と「頭」の境目はお分かりでしょうか。
実ははっきりしていなくて「顔を洗う」ということばの如く、洗面で洗う部分が顔だそうです。
なるほど。
ところで「日本顔学会」という研究団体をご存知でしょうか。
20年前に発足、美容・化粧・眼鏡・工学・心理学・芸術分野の方々で構成され、様々なイベントを開催されています。
ご興味ある方はホームページを開いてみてください。