私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

蓮を喰うものたち 136~138行目

2011-07-17 19:59:58 | 英詩・訳の途中経過
The Lotos-Eaters Alfred Tennyson

[ll.136-138]

Beneath a heaven dark and holy,
To watch the long bright river drawing slowly
His waters from the purple hill―



蓮を喰うものたち アルフレッド・テニスン

[136-138行目]

くらく神さぶそらのした
ひたくれないの丘辺から ながくあかるくゆるやかに
ながるるみづをながめつつ



 ※我ながらやや擬古が過ぎる気も。137と138は訳の順が逆さ、136行目「神さぶ」は「かむさぶ」です。
  Purpleは迷いました……。ひたくれない。意訳が過ぎるかとは思いましたが好きな言葉なのです。「死の側から照らせばことにかがやきてひたくれなゐの生ならずやも」 斎藤史。うろ覚えですが愛唱。同じく斉藤の茂吉さんの「あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり」と並べたくなる。ご婦人のほうがどことなく前にいる感じか?

蓮を喰うものたち 133~135行目

2011-07-15 19:22:17 | 英詩・訳の途中経過
The Lotos-Eaters Alfred Tennyson

[ll.133-135]



But, propped on beds of amaranth and moly,
How sweet―while warm airs lull us, blowing lowly―
With half-dropped eyelids still,



蓮を喰うものたち アルフレッド・テニスン

[133-135行目]

      Ⅶ

くらべなんたる甘美さか 凋れぬ花とまじないの 草のしとねに
身をなげて ひくくながれるあたたかな 風の眠りをさそうまま
ただつねに なかばまぶたを閉ざしつつ


 ※133行目「凋れぬ」は「しおれぬ」です。

蓮を喰うものたち 131~132行目

2011-07-13 22:31:09 | 英詩・訳の途中経過
The Lotos-Eaters Alfred Tennyson

[ll.131-132]

Sore task to hearts worn out by many wars
And eyes grown dim with gazing on the pilot stars.


蓮を喰うものたち アルフレッド・テニスン

[131-132行目]

甘美ならざるつとめだろう ながいいくさにすりきれた こころや
舵手のあおぐべき 星につかれたまなこには


 ※132行目「舵手」は「だしゅ」です。




蓮を喰うものたち 128~130行目

2011-07-11 21:33:27 | 英詩・訳の途中経過
The Lotos-Eaters Alfred Tennyson

[ll.128-130]

There is confusion worse than death,
Trouble on trouble, pain on pain,
Long labor to aged breath,


蓮を喰うものたち アルフレッド・テニスン

[128-130行目]

乱れは死よりさらに憂い
なやみに心なやまされ いたみに胸をいためつけ
長い辛苦の果てにただ 老いた息吹へいたるのは








蓮を喰うものたち 126~127行目

2011-07-08 18:55:06 | 英詩・訳の途中経過
The Lotos-Eaters Alfred Tennyson

[ll.126-127]

The Gods are hard to reconcile;
'Tis hard to settle order once again.


蓮を喰うものたち アルフレッド・テニスン

[126-127行目]

神らの不和はつくろえぬ
ただしなおすはかたきこと


 ※おそろしくぶつ切りだな……