『ナイン THE MUSICAL』
演出:デヴィッド・ルヴォー
脚本:アーサー・コピット
振付:ジョナサン・バトレル,グスタヴォ・ザジャック
出演:別所哲也,純名りさ,高橋桂,池田有希子,大浦みずき 他
東京では再演となるが。大阪では初演。シアターBRAVA!のこけら落とし公演となる。
「数々の傑作を生み出し、世界中の女をトリコにしてきた映画監督の光と影。官能と哀愁に満ちた、スタイリッシュなステージ」
才能あふれる映画監督グイド。その妻ルイザ。その愛人カルラ。彼を愛するプロデューサー・リリアン。彼にインスピレーションを与える女優クラウディア。その他の女たち12名。これでは愛憎も生まれてしかるべき。
グイドはとても妻を愛しているらしい。でも、君だけだと歌いながら。愛人たちにも同じことをいう。罪悪感のかけらもなく。「からだはもう40 心はほんの10」なんて。いいかげんなオトコだ。それでも才能のある男を女は愛するし。繰り返されるスキャンダルは、彼の才能を刺激するのだろう。
ところが。このところスランプらしい。新作のプロットをと、プロデューサーにせめられ。妻と逃げ、愛人に追いかけられ、女優を呼び寄せる。そんな。崖っぷちの状況に、過去の女達もが彼を苛んで。彼はこどものころを想う。ひどく拒絶を受けた9歳。タイトル、『ナイン』だ。幾人に愛されていても、逃れられない苦しい記憶を正面から見つめることになる。
別所氏の動きはダイナミックで、深い絶望を余すところなく伝えてくる。ブロードウェイでは、アントニオ・バンデラスが主演したとのことだが(これを聞いて観たくなったのだが)。彼に近い空気をもつ人ではないかと、今回感じた。
大浦氏はさすがの一言で。厳しくも愛の深いプロデューサー役にはぴったり。客いじりもダンスも余裕でこなす。センターが似合う。純名氏はトップ女優役らしく。見かけからは想像できない声量も久しぶりに堪能できた。そして。グイド少年時代役の樋口真くん。やわらかく動く長い腕と透明なボーイソプラノで。じゅうぶんな癒しを伝えてくれた。
演出:デヴィッド・ルヴォー
脚本:アーサー・コピット
振付:ジョナサン・バトレル,グスタヴォ・ザジャック
出演:別所哲也,純名りさ,高橋桂,池田有希子,大浦みずき 他
東京では再演となるが。大阪では初演。シアターBRAVA!のこけら落とし公演となる。
「数々の傑作を生み出し、世界中の女をトリコにしてきた映画監督の光と影。官能と哀愁に満ちた、スタイリッシュなステージ」
才能あふれる映画監督グイド。その妻ルイザ。その愛人カルラ。彼を愛するプロデューサー・リリアン。彼にインスピレーションを与える女優クラウディア。その他の女たち12名。これでは愛憎も生まれてしかるべき。
グイドはとても妻を愛しているらしい。でも、君だけだと歌いながら。愛人たちにも同じことをいう。罪悪感のかけらもなく。「からだはもう40 心はほんの10」なんて。いいかげんなオトコだ。それでも才能のある男を女は愛するし。繰り返されるスキャンダルは、彼の才能を刺激するのだろう。
ところが。このところスランプらしい。新作のプロットをと、プロデューサーにせめられ。妻と逃げ、愛人に追いかけられ、女優を呼び寄せる。そんな。崖っぷちの状況に、過去の女達もが彼を苛んで。彼はこどものころを想う。ひどく拒絶を受けた9歳。タイトル、『ナイン』だ。幾人に愛されていても、逃れられない苦しい記憶を正面から見つめることになる。
別所氏の動きはダイナミックで、深い絶望を余すところなく伝えてくる。ブロードウェイでは、アントニオ・バンデラスが主演したとのことだが(これを聞いて観たくなったのだが)。彼に近い空気をもつ人ではないかと、今回感じた。
大浦氏はさすがの一言で。厳しくも愛の深いプロデューサー役にはぴったり。客いじりもダンスも余裕でこなす。センターが似合う。純名氏はトップ女優役らしく。見かけからは想像できない声量も久しぶりに堪能できた。そして。グイド少年時代役の樋口真くん。やわらかく動く長い腕と透明なボーイソプラノで。じゅうぶんな癒しを伝えてくれた。