ムネオ日記
2009年6月11日(木)
最高検の伊藤鉄男次長検事は昨日の緊急記者会見で「真犯人と思われない人を起訴し、服役させたことに対し、大変申し訳なく思っています」と検察庁として謝罪しているが、心のこもった、本当に申し訳ないという気持ちが表れていない。
これに対し、昨日夕方記者会見した菅家さんは「簡単に許せない。本当に怒っている。検察官や刑事が出てくるまで許さない。徹底的にやっていく」と述べ、極めてきつい表情でテレビに映っていたのが印象的である。
昨日の決算行政監視委員会でのやり取りを載せるので、読者の皆さんも目を通して戴きたい。
○川端委員長 次に、鈴木宗男君。
○鈴木 森大臣、御苦労さまです。最初に、いわゆる足利事件についてお尋ねしますが、この足利事件、十八年前ですけれども、これを起訴したときの検察官はどなたでしょうか。
○森大臣 当時、宇都宮地方検察庁に所属していた検察官ですが、その氏名を明らかにすることは今後の捜査活動一般に支障をもたらすおそれがありますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○鈴木 今後の捜査に差しさわりがあると言いますけれども、捜査が終わっている話に何で差しさわりがあるんですか。森大臣、そういう役人のつくった答弁書でなくて、あなた、政治家として、今も質問者から言われたでしょう、法務大臣としての見識を持てと激励されたばかりじゃないですか。捜査が終わって、あなたの部下が釈放したんですよ。その事件に、何で捜査に差しさわりがあると言えるんですか。委員の皆さん方、聞いていてどうですか。どうしてそういう話になるか。
森大臣、私が言いましょう。当時起訴したのは森川大司という検事ですよね、確認を求めます。委員の先生方、これは何も隠す話じゃないんですよ。証拠開示されて、みんな、弁護士も調書を読んでいれば、オープンになっている話ですよ。
先生方も考えてくださいよ、特に与党の先生方、いかに役人にばかにされているかということを。私が言うのでなくて、山口筆頭理事、あなたあたりが本来ならばクレームをつけるべきだ、ばかにするなということを。どうです、先生方。いかに官僚政治でだらしないかということですよ。特に与党の先生方、しっかりしてください、そこら辺は。言っていることが正しければいい。そういう国民を欺くというか、与党の先生方をばかにしている話をしちゃいけませんよ。架空の話じゃない。これは皆さん、森川大司という検事ですよ。大臣、それで間違いないですね。
○森大臣 私が申し上げた趣旨は、検察が組織として捜査し公訴提起するに至ったものでございますので、今後も本件の即時抗告審や再審において検察の組織として対応するとともに、最高検察庁において発足した検証チームにおいて、当時の捜査、公判等についても検討を加えられるものというふうに思っております。そういったことを踏まえた、そういった趣旨でもって先ほどの御答弁を申し上げました。
○鈴木 森大臣、私は事実関係というか手続上の話を聞いているんですよ。何も捜査の中身云々なんということを言っていないんですよ。何でそういう防御する必要があるんですか。事務的に、起訴したこと、これは間違いないんですよ。これは森川大司という検事が起訴したと、資料から、検察庁が明らかにしている資料、証拠開示になっているんですから、大臣、これは隠しようがないんです。ちゃんと弁護士さん、関係者は見られるんですから、法務省関係者も。何も隠す話じゃない。あわせて、東京高検で起訴した検事はだれでしょうか。起訴というか、担当ですね。
○大野政府参考人 ただいま東京高検で担当した検事という御質問でございましたけれども、確定する前の控訴審における担当検事のことを指されているのか、あるいは、現在、即時抗告審ということでありますけれども……(鈴木(宗)委員「いや、控訴審」と呼ぶ)まことに申しわけございません。控訴審でどの検事が担当しているかというようなことは、現在承知しておりませんし、また、東京高検、検察庁という組織で対応をしておりますことから、お答えは差し控えさせていただきたいというように存じます。
○鈴木 せっかく大野さんが来てくれていますから、大野さん、この控訴審、高裁に控訴した際の担当検事は淡路竹男さんでよろしいですか。後で調べて連絡を下さい。私どもが調べたところでは淡路竹男さんになっていますから。お知らせをいただければいい。よろしいですか。員会に報告してもらっても結構ですけれども、これは隠す話じゃないですからね、弁護士の方はみんな確認している話ですから。これだけはどうぞ平場に出していただきたいな、こう思います。
それで森大臣、今回の菅家さんの件につきまして、あなたの部下が釈放いたしました。この点について森法務大臣としてどういうお考えでしょうか。
○森大臣 再審請求の即時抗告審において係属中の事件に関することでございます。詳細についてはお答えを差し控えたいと思います、現時点においては。
○鈴木 森大臣、あなたの部下が釈放したんですよ。そして、あなたは記者会見もしているんですよ。何でそれが答えられないんですか。これは、先生方、間違いなく検察に瑕疵があったことは事実じゃないですか。DNAの鑑定が間違っておったということが明らかになったわけですよね。
法務大臣、一人の人生を十八年間拘束したんですよ。最終決定はこれからですけれども、今の段階において、なぜ人間として、判断違いがあったかもしれない、DNAの鑑定が間違っておったという事実が出た以上、我々は改めてこの重みを受けとめて、より真正で公正公平な判断をするように努力しなければいけないとか、少なくとも菅家さんに迷惑をかけて申しわけないとかという一言があっていいんじゃないんですか。どうでしょう、先生方。これは与野党関係ないんじゃないんですか。人権にかかわる問題なんですよ。
それを、なぜ大臣、そういう役人がつくったような答弁で、あなた方まで手のひらに乗せられているから、もったいないです、あなた、せっかく大臣になっているのに。人間として、政治家森英介としての、やはり琴線に触れる言葉があった方が、菅家さんにしたって、皆さん、言うに言えない安心だとか安堵だとか、いや頑張ってきたかいがあっただとかという、人間としての誇りや勇気を得られるんじゃないんでしょうか。それを与えるのが政治家の立場じゃないですか。
もう一回、森大臣、ぜひともこれは政治家よりも人間として、この十八年間拘束した、そして結果として、これはだれが何と言おうとも無罪じゃないですか。疑いの余地もない。なぜそのことに、大臣、詭弁を弄するよりも正直に言った方がいいんですよ。言いわけしたり詭弁を弄する方が恥ずかしいんです。間違いはあってもいい、しかし間違ったら、それが事実として出たならば、もっと人間的な言葉で、御迷惑をかけたなり、いや、いま一度こっちも精査するけれども済まない点があっただとか、何か人としての言葉があっていいんじゃないんでしょうか。どうです、大臣。
○森大臣 私が詭弁を弄する人間じゃないということは鈴木委員先刻御承知のことと思います。
ただ、私は今法務大臣として御答弁を申し上げておりますので、いろいろ個人としては思うことはございますけれども、この公の席においては、先ほど申し上げたように、まさに即時抗告審係属中の事件でございますので、これについて今私が意見を申し上げることは、裁判所との関係等々のさまざまな関係から差し控えさせていただきたいと思います。御理解いただきたいと思います。
○鈴木 これは先生方、話を聞いていて、検察が正しければ釈放する必要はなかったんじゃないですか。結果がわかっているから検察が先に判断したんじゃないんですか。刑事局長、あなた方が正しければ、何であなた方の筋を通してそのまま突っ張れなかったんですか。結果として、新たな鑑定結果が出てしまってどうにもできない状況になったから、早目に、やはり世論の反発を受けるのを避けるために検察が手を打った話なんですよ、今回のことは。明々白々のことを、何で予断を与えるだとか、これからのことがあるなんて言うんですか。私は、そこに一生懸命やっている人たちもいま一つ信頼されない部分があると思うんですよ、ごまかしだとか。やはり権力側が、自分たちのシナリオやストーリーに沿って自己防衛に働く。それをただすのが政治家なんですよ。
大臣、ここは国会ですよ。国民に情報開示だとか、情報の透明性を図る場所ですよ。裁判所じゃないんですよ。大臣といえども国民の代表で、国民から選ばれたから今大臣をやっているんですよ。いいですか、何で国民の目線があるということを考えないんですか。国民に向かって、責任者としてかくかくしかじかと正直に言うのがあなたの立場じゃないでしょうか。
では、大臣、角度を変えて聞きますけれども、東京高検が釈放した、あなたのところにはそれはどういう手続、相談があったでしょうか。菅家さんを釈放するに至った経緯。
○森大臣 個別の事件についてのコメントは差し控えますが、事前に報告を受けて、それについて私も了といたしました。
○鈴木 大臣、私は個別の中身について言っているんじゃないんですよ。事務的な手続を聞いているんです。だから、あなたには何月何日に、刑事局からでもいいです、検察からでもいいですけれども、報告があって、いつ知らされたか、そして、あなたはどういう判断をされたかということを聞いているんですよ。
○森大臣 それぞれの事件についての報告事項の内容についてここで申し上げることは差し控えます。
○鈴木 委員長、ちょっと速記をとめてもらえますか。これは大事な話でして、個別の事件でこれから捜査が始まるとかということを私は聞いているんじゃないんですよ。もう一件落着した話で、法務大臣の部下が決裁した話を、法務大臣が個別の案件について答えないなんて、そんなばかな話ないんじゃないですか。行政的な、あなたの組織の内部の手続を聞いているんですよ。それをなぜ隠すことがあるんですか。何が問題あるんですか。あなたがいつ聞いて、自分はそこでどういう決裁をしたという事務的なことを私は聞いているだけなんですよ。
○森大臣 それでしたら今申し上げているとおりでありまして、事前に報告を受けて、私も了といたしました。
○鈴木 大臣、それは何月何日で、東京高検の発表の何時間前なり、それをきちっと教えてください。
○森大臣 たしか当日であったと思います。
○鈴木 秘書官、大臣の日程もあると思いますけれども、これは簡単な話じゃないですよ、事件じゃないんですから。ほか一般の事件とは違うんじゃないですか。しかも、最高裁まで上がっている話なんですから。それをもしそんな軽々な扱いをしているということになったら、なおこれは人権無視じゃないでしょうか。どうですか、先生方。この点、人の命にかかわる話ですから、私はもっと重く受けとめるべきだと思うんですが、ちょっと秘書官、その経緯等を教えてやってくださいよ。
○川端委員長 大臣、正確に、調べられる範囲で調べてお答えください。
○森大臣 それは、逐次さまざまな報告を受けておりますけれども、具体的な内容については当日の朝受けまして、私も了解をいたしたところでございます。
○鈴木 大臣、了解をしたということですけれども、その了解というのは検察の判断が間違っていたということですね、釈放ということは。これについて、そこで大臣、その了解した、認めたというとき、どういう大臣の見解かということなんですよ、十八年間拘束したことについて。率直な大臣の思いを国民に話すのが、逆に東京高検の名誉にもつながるし、検察の名誉にもつながっていくと私は思うんですよ。
○森大臣 ちょっと一つ訂正させていただきたいと思いますが、今やりとりしていて、報告を受けたのはやはり前日でございます。それと、先ほど来申し上げておりますように、私、いろいろ思うところはありますけれども、法務大臣としては、ここではそういった個人的な感情を披露することは控えさせていただきたいと思います。
なお、私は科学者の端くれでございますので、かねがね、科学技術は万能でないということを、すべて蓋然性、確率論の問題であって、それはすべからく、余りそれを過信することは、場合によってはすごく少ない確率であっても間違えることもある。しかしながら、それはすべてに言えることでございますので、やはり神ならぬ人間としては常に謙虚でなければいけないと思いますし、また、そういった結果についても、鈴木先生、私はすべてについて一般論として申し上げておりますけれども、余り科学技術を絶対化することについては、私は慎重な立場でございます。
○鈴木 私は、今の森大臣の話は、極めて森大臣らしい正直な気持ちだと思うんですよ。やはり科学技術万能じゃない、どこかに間違いがある、そういう認識を持って当たらなければいけない、これは正しいことだと思いますよ。特に今回の場合も、MCT 一一八型のDNA 鑑定技術というのは、千人に一人か二人という可能性だったのが現在は四兆七千億人に一人というぐらいに精度が高まっているというので、格段に技術的に差がある時代のことですから、なお私は慎重でなければいかぬかったと思いますよ。
大臣、結果として警察が暴走した、その暴走を検察がとめなかった、うのみにして起訴したわけですから。このことが、やはり結果として検察の瑕疵がある、当時よかれと思って判断したけれども、結果として瑕疵があった、だから釈放だというのが事実じゃないでしょうか。いかがですか。
○森大臣 私は、そういう事実関係についてはコメントする立場にありません。
○鈴木 それでは、東京高検は何で釈放したんでしょうか。それを教えてください。
○森大臣 検察当局においては、いわゆる足利事件でございますけれども、これまでも種々検討してきたところでございますが、六月四日、再審請求人が犯人でない蓋然性が高くなったと判断して、刑の執行を停止して釈放することとしたというふうに理解をしております。
○鈴木 いや、ですから、法務大臣、刑の執行を停止したんですよね。それは検察側の瑕疵につながる話じゃないですかと聞いているんですよ。そう受けとめるのが、皆さん、普通じゃないですか。大臣、なぜそのことに触れないんですか。検察が正しければ、そのままにしておいたでしょう。ちょっと大臣、もっと真剣に向き合ってくださいよ。正直に質問に答えてくださいよ。
○森大臣 私は真剣にお答えしておりますが、とにもかくにも、再審請求の即時抗告審において係属中の事件でございます。そういった点を現時点において私が申し上げられることに制限があるということを御理解いただきたいと思います。
○鈴木 まあ不毛のやりとりですけれども、大臣、検察が正しければ釈放しなかったでしょう。釈放したこと自体、検察の負けじゃないですか。皆さん方、どうですか、菅家さんの情報を聞いたり、すべて総合的に判断して。私の言っていることと大臣の言っていること、どっちが正確ですか。
検察だって神様じゃないんですよ。間違うときもあるでしょう。率直に、そういうときはおわびをするのが人間じゃないでしょうか。しかも、データ的にすべての面から見て検察がギブアップしたから釈放したじゃないですか。検察が少しでも分がいいと思ったならば、何で釈放しますか。そうですね。法務大臣、何でこだわるんですか。釈放しておいて、しかも十八年間拘束された人の身になってくださいよ。人間かと思いますよ。
森大臣、菅家さんが釈放されたときの記者会見で、検察は絶対許さないと言っているじゃないですか。その言葉の重みを何で真摯に受けとめないんですか。法務大臣として私は部下を信じてきたけれども、その部下とても過ちだとか判断違いがあったかもしれない、まだ最終最後の結論は出ていないけれども、現時点では菅家さんに多大な迷惑をかけた、相済まないという一言ぐらいあって当然じゃないんですか。それが捜査にも、これから何の審理に影響を与えるんですか。法務大臣、人間としての対応が今求められているんですよ。あなた、菅家さんの立場になってみなさいよ。十八年、どう思いますか。なぜそのことを、役人の言いなりのような頭づくりなんですか。あなたらしくないですよ。私は、もっとしっかり人間としての見識を述べていただきたいなと思います。
もう時間がありませんから、大臣、飯塚事件、久間さん、この方も同じケースですね、DNA鑑定も。そして、これは死後再審すると弁護団は言っていますよ。可能性として、菅家さんと同じ結論が出る可能性はあると私は思いますよ。
ところが、法務大臣はもう死刑の決裁をしてしまって、久間さんは去年亡くなってしまったですよ。少なくとも、本人は一審から一貫して無罪と言っている、しかも再審請求をしている。そういうとき、死刑の決裁をするのは、人の命にかかわる問題として極めて、もっと時間をかけるなり幅を持っていいと私は思うんですよ。
今回の菅家さんだって、もし死刑判決が出ていて死刑執行されたらどうしますか、皆さん。しかも、飯塚事件の久間さんは、死刑執行、百一人中六十何番目じゃなかったかな、ランクは低いんですよ。先駆けて死刑執行されているんですよ。それも森大臣は粛々とと言っている。事務方から上がってきたものに決裁している。法務大臣、この飯塚の件についても、判決順位というのは百人中六十一番目ですか、先の人を飛び越えている。しかも、今回のケースとやはり同じ手法なんですね、このDNAのやり方も。また同じく、別の民間の医学部の先生方の判定では一致していないんですよ。ですから再審請求をすると言っていますね。
法務大臣、私はやはり、法務大臣の立場としても、事命にかかわる、あるいは本当の意味での真実を明らかにするにも、何ぼ時間をかけてもきちっと要求なり言い分を聞いて最終判断をするというのが大事だと思うんですよ。大臣、飯塚事件についても、もし今回と同じ、菅家さんのような鑑定結果が出た場合、あなたは殺人者と同じになりますよ。この重みを私は考えてもらいたい。ただ上がってきたものに判こを押すというのは、私は逆に、政治家、法務大臣としての見識に欠けると思いますよ。ぜひともここら辺は慎重にやってもらいたい、私はこれは強くお願いします。
同時に、もう時間がありませんから、大臣、こういった問題で、やはり一番は可視化ですよ。今回の菅家さんでも、ぶん殴られた、けっ飛ばされた、十三時間もやられた、だからもう自暴自棄で、やってしまったと言ってしまったと言っているんですよ。きょう、皆さん方のところに私は資料を配っていますけれども、いいですか、私を調べた水野谷という検事が、刑事局長、今、水野谷さんはまだ東京高検ですかな、刑事部長か何かやっているのかな。この水野谷さんは私にこう言いましたよ。
先生、バッジを外しなさい。政治家をやめなさいと言うんですよ。神経戦をかけてきますよ。あと、東京特捜部長をやった井内さん。この人は、村上正邦さんを調べたとき、おまえたちが森のばかを総理にした、あんなばかを総理にするからだめなんだと言って、あの村上さんを、一特捜部長、後の部長で当時の副部長ですね、井内さんが言うんですよ、皆さん。我々にも平気でそう言う者が、一般の人に面と向かってやる場合、もっと乱暴だと思いますよ。そういったことを考えるときに、冤罪が起きるんですよ。だから私のときも、やまりんというので東京高裁で採用された文書ですよ。吉田正喜というのは、今たまたま西松事件をやっている検事ですよ。これが、政治家に金を持ってくるのはお願いかお礼しかない、どっちだと言って誘導している。
それで、皆さん、証人尋問で呼ぶとき、四日前から東京地検に呼ばれて、QアンドAなんですよ。検事はこういうのをつくるんです、QアンドA、こういうことを聞くからこう答えろ。大事な部分は線を引いて、こういうところはしっかり覚えておけと。この山田さんも四日前から呼ばれている。これはちゃんと東京高等裁判所第六刑事部で採用された文書ですから。
皆さん、これが捜査の実態なんですよ。だから、これは与党、野党なく、可視化をしなければ冤罪はなくなりませんよ。あるいは島田事件、私の裁判をやっている島田さんで、夫の話ですが、検察官はあらかじめ文章をつくっていて、その表現内容が夫の認識と違うと言っても受け入れてくれず、どのように対応したらいいか困っているということでしたと。これがやり方なんですよ。これは与党、野党を問わず、ねらわれたら終わりですよ、つくられますから。そしてリークして世論誘導しますから。
この中にも私に質問した人がいますけれども、ムネオハウスでも三井物産のディーゼル発電でも、あるいはアフリカのODA でも、何も事件になっていませんよ。全く国会で話題にならぬことに、何かせぬといかぬということで検察がやってきたのがやまりん事件なんという、四年前の話ですよ。賄賂に領収書を書きますか、皆さん。ばかもいいかげんにしてくれという話で、それでも権力側はやってきますよ。世論を誘導して、鈴木はヒールだ、とんでもないやつだとなれば、ねらわれたら終わりですよ。
私は、今回の小沢さんも同じ流れだと思っていますよ。結果的に小沢さんの件がどうなったかということを、皆さん、考えてみてくださいよ。
私は、可視化は絶対必要だと思うんです。森大臣、これは公平に見て、今回のこの菅家さんの件を見ても強制自白なんですから。可視化することで少しでも冤罪がなくなるんです。そして、法務大臣、よく信頼性が云々なんて言いますけれども、淡々と正直に事情聴取すればいいんですよ。皆さん、ぜひともわかってほしいのは、被疑者、容疑者よりも、証人だとか参考人になる人が大事です。可視化しなければ、この人たちは、罪にならない、おまえたちは何を言っても心配ないと言われたら、検察も、さっき言ったようにつくられた調書でいく。ところが、その調書が裁判では、裁判所が有効性を、比重を置けば、どうにもならない結果なんですよ。これは与党、野党の話じゃないんです。特に与党の先生方、職務権限だとかいろいろありますからね、行政指導の権限がありますからね、ねらわれたら終わりですよ。
参議院では可視化は通ったけれども、衆議院ではつるされたままである。ここはぜひとも、与野党抜きにして、国民の目線で、真の公正公平の上からも私はこの可視化をやるべきだと。ぜひとも大臣、その決意をお聞かせいただきたいと思います。
2009年6月11日(木)
最高検の伊藤鉄男次長検事は昨日の緊急記者会見で「真犯人と思われない人を起訴し、服役させたことに対し、大変申し訳なく思っています」と検察庁として謝罪しているが、心のこもった、本当に申し訳ないという気持ちが表れていない。
これに対し、昨日夕方記者会見した菅家さんは「簡単に許せない。本当に怒っている。検察官や刑事が出てくるまで許さない。徹底的にやっていく」と述べ、極めてきつい表情でテレビに映っていたのが印象的である。
昨日の決算行政監視委員会でのやり取りを載せるので、読者の皆さんも目を通して戴きたい。
○川端委員長 次に、鈴木宗男君。
○鈴木 森大臣、御苦労さまです。最初に、いわゆる足利事件についてお尋ねしますが、この足利事件、十八年前ですけれども、これを起訴したときの検察官はどなたでしょうか。
○森大臣 当時、宇都宮地方検察庁に所属していた検察官ですが、その氏名を明らかにすることは今後の捜査活動一般に支障をもたらすおそれがありますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○鈴木 今後の捜査に差しさわりがあると言いますけれども、捜査が終わっている話に何で差しさわりがあるんですか。森大臣、そういう役人のつくった答弁書でなくて、あなた、政治家として、今も質問者から言われたでしょう、法務大臣としての見識を持てと激励されたばかりじゃないですか。捜査が終わって、あなたの部下が釈放したんですよ。その事件に、何で捜査に差しさわりがあると言えるんですか。委員の皆さん方、聞いていてどうですか。どうしてそういう話になるか。
森大臣、私が言いましょう。当時起訴したのは森川大司という検事ですよね、確認を求めます。委員の先生方、これは何も隠す話じゃないんですよ。証拠開示されて、みんな、弁護士も調書を読んでいれば、オープンになっている話ですよ。
先生方も考えてくださいよ、特に与党の先生方、いかに役人にばかにされているかということを。私が言うのでなくて、山口筆頭理事、あなたあたりが本来ならばクレームをつけるべきだ、ばかにするなということを。どうです、先生方。いかに官僚政治でだらしないかということですよ。特に与党の先生方、しっかりしてください、そこら辺は。言っていることが正しければいい。そういう国民を欺くというか、与党の先生方をばかにしている話をしちゃいけませんよ。架空の話じゃない。これは皆さん、森川大司という検事ですよ。大臣、それで間違いないですね。
○森大臣 私が申し上げた趣旨は、検察が組織として捜査し公訴提起するに至ったものでございますので、今後も本件の即時抗告審や再審において検察の組織として対応するとともに、最高検察庁において発足した検証チームにおいて、当時の捜査、公判等についても検討を加えられるものというふうに思っております。そういったことを踏まえた、そういった趣旨でもって先ほどの御答弁を申し上げました。
○鈴木 森大臣、私は事実関係というか手続上の話を聞いているんですよ。何も捜査の中身云々なんということを言っていないんですよ。何でそういう防御する必要があるんですか。事務的に、起訴したこと、これは間違いないんですよ。これは森川大司という検事が起訴したと、資料から、検察庁が明らかにしている資料、証拠開示になっているんですから、大臣、これは隠しようがないんです。ちゃんと弁護士さん、関係者は見られるんですから、法務省関係者も。何も隠す話じゃない。あわせて、東京高検で起訴した検事はだれでしょうか。起訴というか、担当ですね。
○大野政府参考人 ただいま東京高検で担当した検事という御質問でございましたけれども、確定する前の控訴審における担当検事のことを指されているのか、あるいは、現在、即時抗告審ということでありますけれども……(鈴木(宗)委員「いや、控訴審」と呼ぶ)まことに申しわけございません。控訴審でどの検事が担当しているかというようなことは、現在承知しておりませんし、また、東京高検、検察庁という組織で対応をしておりますことから、お答えは差し控えさせていただきたいというように存じます。
○鈴木 せっかく大野さんが来てくれていますから、大野さん、この控訴審、高裁に控訴した際の担当検事は淡路竹男さんでよろしいですか。後で調べて連絡を下さい。私どもが調べたところでは淡路竹男さんになっていますから。お知らせをいただければいい。よろしいですか。員会に報告してもらっても結構ですけれども、これは隠す話じゃないですからね、弁護士の方はみんな確認している話ですから。これだけはどうぞ平場に出していただきたいな、こう思います。
それで森大臣、今回の菅家さんの件につきまして、あなたの部下が釈放いたしました。この点について森法務大臣としてどういうお考えでしょうか。
○森大臣 再審請求の即時抗告審において係属中の事件に関することでございます。詳細についてはお答えを差し控えたいと思います、現時点においては。
○鈴木 森大臣、あなたの部下が釈放したんですよ。そして、あなたは記者会見もしているんですよ。何でそれが答えられないんですか。これは、先生方、間違いなく検察に瑕疵があったことは事実じゃないですか。DNAの鑑定が間違っておったということが明らかになったわけですよね。
法務大臣、一人の人生を十八年間拘束したんですよ。最終決定はこれからですけれども、今の段階において、なぜ人間として、判断違いがあったかもしれない、DNAの鑑定が間違っておったという事実が出た以上、我々は改めてこの重みを受けとめて、より真正で公正公平な判断をするように努力しなければいけないとか、少なくとも菅家さんに迷惑をかけて申しわけないとかという一言があっていいんじゃないんですか。どうでしょう、先生方。これは与野党関係ないんじゃないんですか。人権にかかわる問題なんですよ。
それを、なぜ大臣、そういう役人がつくったような答弁で、あなた方まで手のひらに乗せられているから、もったいないです、あなた、せっかく大臣になっているのに。人間として、政治家森英介としての、やはり琴線に触れる言葉があった方が、菅家さんにしたって、皆さん、言うに言えない安心だとか安堵だとか、いや頑張ってきたかいがあっただとかという、人間としての誇りや勇気を得られるんじゃないんでしょうか。それを与えるのが政治家の立場じゃないですか。
もう一回、森大臣、ぜひともこれは政治家よりも人間として、この十八年間拘束した、そして結果として、これはだれが何と言おうとも無罪じゃないですか。疑いの余地もない。なぜそのことに、大臣、詭弁を弄するよりも正直に言った方がいいんですよ。言いわけしたり詭弁を弄する方が恥ずかしいんです。間違いはあってもいい、しかし間違ったら、それが事実として出たならば、もっと人間的な言葉で、御迷惑をかけたなり、いや、いま一度こっちも精査するけれども済まない点があっただとか、何か人としての言葉があっていいんじゃないんでしょうか。どうです、大臣。
○森大臣 私が詭弁を弄する人間じゃないということは鈴木委員先刻御承知のことと思います。
ただ、私は今法務大臣として御答弁を申し上げておりますので、いろいろ個人としては思うことはございますけれども、この公の席においては、先ほど申し上げたように、まさに即時抗告審係属中の事件でございますので、これについて今私が意見を申し上げることは、裁判所との関係等々のさまざまな関係から差し控えさせていただきたいと思います。御理解いただきたいと思います。
○鈴木 これは先生方、話を聞いていて、検察が正しければ釈放する必要はなかったんじゃないですか。結果がわかっているから検察が先に判断したんじゃないんですか。刑事局長、あなた方が正しければ、何であなた方の筋を通してそのまま突っ張れなかったんですか。結果として、新たな鑑定結果が出てしまってどうにもできない状況になったから、早目に、やはり世論の反発を受けるのを避けるために検察が手を打った話なんですよ、今回のことは。明々白々のことを、何で予断を与えるだとか、これからのことがあるなんて言うんですか。私は、そこに一生懸命やっている人たちもいま一つ信頼されない部分があると思うんですよ、ごまかしだとか。やはり権力側が、自分たちのシナリオやストーリーに沿って自己防衛に働く。それをただすのが政治家なんですよ。
大臣、ここは国会ですよ。国民に情報開示だとか、情報の透明性を図る場所ですよ。裁判所じゃないんですよ。大臣といえども国民の代表で、国民から選ばれたから今大臣をやっているんですよ。いいですか、何で国民の目線があるということを考えないんですか。国民に向かって、責任者としてかくかくしかじかと正直に言うのがあなたの立場じゃないでしょうか。
では、大臣、角度を変えて聞きますけれども、東京高検が釈放した、あなたのところにはそれはどういう手続、相談があったでしょうか。菅家さんを釈放するに至った経緯。
○森大臣 個別の事件についてのコメントは差し控えますが、事前に報告を受けて、それについて私も了といたしました。
○鈴木 大臣、私は個別の中身について言っているんじゃないんですよ。事務的な手続を聞いているんです。だから、あなたには何月何日に、刑事局からでもいいです、検察からでもいいですけれども、報告があって、いつ知らされたか、そして、あなたはどういう判断をされたかということを聞いているんですよ。
○森大臣 それぞれの事件についての報告事項の内容についてここで申し上げることは差し控えます。
○鈴木 委員長、ちょっと速記をとめてもらえますか。これは大事な話でして、個別の事件でこれから捜査が始まるとかということを私は聞いているんじゃないんですよ。もう一件落着した話で、法務大臣の部下が決裁した話を、法務大臣が個別の案件について答えないなんて、そんなばかな話ないんじゃないですか。行政的な、あなたの組織の内部の手続を聞いているんですよ。それをなぜ隠すことがあるんですか。何が問題あるんですか。あなたがいつ聞いて、自分はそこでどういう決裁をしたという事務的なことを私は聞いているだけなんですよ。
○森大臣 それでしたら今申し上げているとおりでありまして、事前に報告を受けて、私も了といたしました。
○鈴木 大臣、それは何月何日で、東京高検の発表の何時間前なり、それをきちっと教えてください。
○森大臣 たしか当日であったと思います。
○鈴木 秘書官、大臣の日程もあると思いますけれども、これは簡単な話じゃないですよ、事件じゃないんですから。ほか一般の事件とは違うんじゃないですか。しかも、最高裁まで上がっている話なんですから。それをもしそんな軽々な扱いをしているということになったら、なおこれは人権無視じゃないでしょうか。どうですか、先生方。この点、人の命にかかわる話ですから、私はもっと重く受けとめるべきだと思うんですが、ちょっと秘書官、その経緯等を教えてやってくださいよ。
○川端委員長 大臣、正確に、調べられる範囲で調べてお答えください。
○森大臣 それは、逐次さまざまな報告を受けておりますけれども、具体的な内容については当日の朝受けまして、私も了解をいたしたところでございます。
○鈴木 大臣、了解をしたということですけれども、その了解というのは検察の判断が間違っていたということですね、釈放ということは。これについて、そこで大臣、その了解した、認めたというとき、どういう大臣の見解かということなんですよ、十八年間拘束したことについて。率直な大臣の思いを国民に話すのが、逆に東京高検の名誉にもつながるし、検察の名誉にもつながっていくと私は思うんですよ。
○森大臣 ちょっと一つ訂正させていただきたいと思いますが、今やりとりしていて、報告を受けたのはやはり前日でございます。それと、先ほど来申し上げておりますように、私、いろいろ思うところはありますけれども、法務大臣としては、ここではそういった個人的な感情を披露することは控えさせていただきたいと思います。
なお、私は科学者の端くれでございますので、かねがね、科学技術は万能でないということを、すべて蓋然性、確率論の問題であって、それはすべからく、余りそれを過信することは、場合によってはすごく少ない確率であっても間違えることもある。しかしながら、それはすべてに言えることでございますので、やはり神ならぬ人間としては常に謙虚でなければいけないと思いますし、また、そういった結果についても、鈴木先生、私はすべてについて一般論として申し上げておりますけれども、余り科学技術を絶対化することについては、私は慎重な立場でございます。
○鈴木 私は、今の森大臣の話は、極めて森大臣らしい正直な気持ちだと思うんですよ。やはり科学技術万能じゃない、どこかに間違いがある、そういう認識を持って当たらなければいけない、これは正しいことだと思いますよ。特に今回の場合も、MCT 一一八型のDNA 鑑定技術というのは、千人に一人か二人という可能性だったのが現在は四兆七千億人に一人というぐらいに精度が高まっているというので、格段に技術的に差がある時代のことですから、なお私は慎重でなければいかぬかったと思いますよ。
大臣、結果として警察が暴走した、その暴走を検察がとめなかった、うのみにして起訴したわけですから。このことが、やはり結果として検察の瑕疵がある、当時よかれと思って判断したけれども、結果として瑕疵があった、だから釈放だというのが事実じゃないでしょうか。いかがですか。
○森大臣 私は、そういう事実関係についてはコメントする立場にありません。
○鈴木 それでは、東京高検は何で釈放したんでしょうか。それを教えてください。
○森大臣 検察当局においては、いわゆる足利事件でございますけれども、これまでも種々検討してきたところでございますが、六月四日、再審請求人が犯人でない蓋然性が高くなったと判断して、刑の執行を停止して釈放することとしたというふうに理解をしております。
○鈴木 いや、ですから、法務大臣、刑の執行を停止したんですよね。それは検察側の瑕疵につながる話じゃないですかと聞いているんですよ。そう受けとめるのが、皆さん、普通じゃないですか。大臣、なぜそのことに触れないんですか。検察が正しければ、そのままにしておいたでしょう。ちょっと大臣、もっと真剣に向き合ってくださいよ。正直に質問に答えてくださいよ。
○森大臣 私は真剣にお答えしておりますが、とにもかくにも、再審請求の即時抗告審において係属中の事件でございます。そういった点を現時点において私が申し上げられることに制限があるということを御理解いただきたいと思います。
○鈴木 まあ不毛のやりとりですけれども、大臣、検察が正しければ釈放しなかったでしょう。釈放したこと自体、検察の負けじゃないですか。皆さん方、どうですか、菅家さんの情報を聞いたり、すべて総合的に判断して。私の言っていることと大臣の言っていること、どっちが正確ですか。
検察だって神様じゃないんですよ。間違うときもあるでしょう。率直に、そういうときはおわびをするのが人間じゃないでしょうか。しかも、データ的にすべての面から見て検察がギブアップしたから釈放したじゃないですか。検察が少しでも分がいいと思ったならば、何で釈放しますか。そうですね。法務大臣、何でこだわるんですか。釈放しておいて、しかも十八年間拘束された人の身になってくださいよ。人間かと思いますよ。
森大臣、菅家さんが釈放されたときの記者会見で、検察は絶対許さないと言っているじゃないですか。その言葉の重みを何で真摯に受けとめないんですか。法務大臣として私は部下を信じてきたけれども、その部下とても過ちだとか判断違いがあったかもしれない、まだ最終最後の結論は出ていないけれども、現時点では菅家さんに多大な迷惑をかけた、相済まないという一言ぐらいあって当然じゃないんですか。それが捜査にも、これから何の審理に影響を与えるんですか。法務大臣、人間としての対応が今求められているんですよ。あなた、菅家さんの立場になってみなさいよ。十八年、どう思いますか。なぜそのことを、役人の言いなりのような頭づくりなんですか。あなたらしくないですよ。私は、もっとしっかり人間としての見識を述べていただきたいなと思います。
もう時間がありませんから、大臣、飯塚事件、久間さん、この方も同じケースですね、DNA鑑定も。そして、これは死後再審すると弁護団は言っていますよ。可能性として、菅家さんと同じ結論が出る可能性はあると私は思いますよ。
ところが、法務大臣はもう死刑の決裁をしてしまって、久間さんは去年亡くなってしまったですよ。少なくとも、本人は一審から一貫して無罪と言っている、しかも再審請求をしている。そういうとき、死刑の決裁をするのは、人の命にかかわる問題として極めて、もっと時間をかけるなり幅を持っていいと私は思うんですよ。
今回の菅家さんだって、もし死刑判決が出ていて死刑執行されたらどうしますか、皆さん。しかも、飯塚事件の久間さんは、死刑執行、百一人中六十何番目じゃなかったかな、ランクは低いんですよ。先駆けて死刑執行されているんですよ。それも森大臣は粛々とと言っている。事務方から上がってきたものに決裁している。法務大臣、この飯塚の件についても、判決順位というのは百人中六十一番目ですか、先の人を飛び越えている。しかも、今回のケースとやはり同じ手法なんですね、このDNAのやり方も。また同じく、別の民間の医学部の先生方の判定では一致していないんですよ。ですから再審請求をすると言っていますね。
法務大臣、私はやはり、法務大臣の立場としても、事命にかかわる、あるいは本当の意味での真実を明らかにするにも、何ぼ時間をかけてもきちっと要求なり言い分を聞いて最終判断をするというのが大事だと思うんですよ。大臣、飯塚事件についても、もし今回と同じ、菅家さんのような鑑定結果が出た場合、あなたは殺人者と同じになりますよ。この重みを私は考えてもらいたい。ただ上がってきたものに判こを押すというのは、私は逆に、政治家、法務大臣としての見識に欠けると思いますよ。ぜひともここら辺は慎重にやってもらいたい、私はこれは強くお願いします。
同時に、もう時間がありませんから、大臣、こういった問題で、やはり一番は可視化ですよ。今回の菅家さんでも、ぶん殴られた、けっ飛ばされた、十三時間もやられた、だからもう自暴自棄で、やってしまったと言ってしまったと言っているんですよ。きょう、皆さん方のところに私は資料を配っていますけれども、いいですか、私を調べた水野谷という検事が、刑事局長、今、水野谷さんはまだ東京高検ですかな、刑事部長か何かやっているのかな。この水野谷さんは私にこう言いましたよ。
先生、バッジを外しなさい。政治家をやめなさいと言うんですよ。神経戦をかけてきますよ。あと、東京特捜部長をやった井内さん。この人は、村上正邦さんを調べたとき、おまえたちが森のばかを総理にした、あんなばかを総理にするからだめなんだと言って、あの村上さんを、一特捜部長、後の部長で当時の副部長ですね、井内さんが言うんですよ、皆さん。我々にも平気でそう言う者が、一般の人に面と向かってやる場合、もっと乱暴だと思いますよ。そういったことを考えるときに、冤罪が起きるんですよ。だから私のときも、やまりんというので東京高裁で採用された文書ですよ。吉田正喜というのは、今たまたま西松事件をやっている検事ですよ。これが、政治家に金を持ってくるのはお願いかお礼しかない、どっちだと言って誘導している。
それで、皆さん、証人尋問で呼ぶとき、四日前から東京地検に呼ばれて、QアンドAなんですよ。検事はこういうのをつくるんです、QアンドA、こういうことを聞くからこう答えろ。大事な部分は線を引いて、こういうところはしっかり覚えておけと。この山田さんも四日前から呼ばれている。これはちゃんと東京高等裁判所第六刑事部で採用された文書ですから。
皆さん、これが捜査の実態なんですよ。だから、これは与党、野党なく、可視化をしなければ冤罪はなくなりませんよ。あるいは島田事件、私の裁判をやっている島田さんで、夫の話ですが、検察官はあらかじめ文章をつくっていて、その表現内容が夫の認識と違うと言っても受け入れてくれず、どのように対応したらいいか困っているということでしたと。これがやり方なんですよ。これは与党、野党を問わず、ねらわれたら終わりですよ、つくられますから。そしてリークして世論誘導しますから。
この中にも私に質問した人がいますけれども、ムネオハウスでも三井物産のディーゼル発電でも、あるいはアフリカのODA でも、何も事件になっていませんよ。全く国会で話題にならぬことに、何かせぬといかぬということで検察がやってきたのがやまりん事件なんという、四年前の話ですよ。賄賂に領収書を書きますか、皆さん。ばかもいいかげんにしてくれという話で、それでも権力側はやってきますよ。世論を誘導して、鈴木はヒールだ、とんでもないやつだとなれば、ねらわれたら終わりですよ。
私は、今回の小沢さんも同じ流れだと思っていますよ。結果的に小沢さんの件がどうなったかということを、皆さん、考えてみてくださいよ。
私は、可視化は絶対必要だと思うんです。森大臣、これは公平に見て、今回のこの菅家さんの件を見ても強制自白なんですから。可視化することで少しでも冤罪がなくなるんです。そして、法務大臣、よく信頼性が云々なんて言いますけれども、淡々と正直に事情聴取すればいいんですよ。皆さん、ぜひともわかってほしいのは、被疑者、容疑者よりも、証人だとか参考人になる人が大事です。可視化しなければ、この人たちは、罪にならない、おまえたちは何を言っても心配ないと言われたら、検察も、さっき言ったようにつくられた調書でいく。ところが、その調書が裁判では、裁判所が有効性を、比重を置けば、どうにもならない結果なんですよ。これは与党、野党の話じゃないんです。特に与党の先生方、職務権限だとかいろいろありますからね、行政指導の権限がありますからね、ねらわれたら終わりですよ。
参議院では可視化は通ったけれども、衆議院ではつるされたままである。ここはぜひとも、与野党抜きにして、国民の目線で、真の公正公平の上からも私はこの可視化をやるべきだと。ぜひとも大臣、その決意をお聞かせいただきたいと思います。