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【dot】 野党3党首が“激論”120分 「安倍政権の暴走を止める」(下)

2015-12-15 21:39:12 | 政治 選挙 

http://dot.asahi.com/aera/2015121400039.html より転載

野党3党首が“激論”120分 「安倍政権の暴走を止める」(下)

(更新 2015/12/14 16:00)

維新の党代表 松野頼久さん(55)まつの・よりひさ/慶大法学部卒。細川護熙氏の秘書などを経て2000年初当選。民主党政権で内閣官房副長官。15年5月に維新の党代表に就任(撮影/写真部・大嶋千尋)

維新の党代表 松野頼久さん(55)
まつの・よりひさ/慶大法学部卒。細川護熙氏の秘書などを経て2000年初当選。民主党政権で内閣官房副長官。15年5月に維新の党代表に就任(撮影/写真部・大嶋千尋)

 

「有権者がどの野党に投票するか悩んだ瞬間、野党は失敗」と松野氏。志位氏は「統一候補を各党挙げて応援しよう」と踏み込んだ。岡田氏は「市民運動との共闘」を主張した/11月20日(撮影/写真部・大嶋千尋)

「有権者がどの野党に投票するか悩んだ瞬間、野党は失敗」と松野氏。志位氏は「統一候補を各党挙げて応援しよう」と踏み込んだ。岡田氏は「市民運動との共闘」を主張した/11月20日(撮影/写真部・大嶋千尋)

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※野党3党首が“激論”120分 「安倍政権の暴走を止める」(中)よりつづく

*  *  *
志位和夫・共産党委員長:民主党政権のことは言いたいことがいろいろありますが、今日はコメントは控えます。ただ安倍政権の経済政策への批判という点では、共有できる部分があると思うんです。

 というのは、アベノミクスの本質はトリクルダウンです。つまり、まず大企業に儲けてもらえば、それがいずれは家計に回ってきますよということです。しかし、14年度から今年度の4~6月期、7~9月期にかけて、GDPがマイナスにもかかわらず、大企業の経常利益は過去最高益なんですよ。これは戦後、一度もなかったことなんです。

松野頼久・維新の党代表:企業の内部留保も増えた。

志位:そうです。アベノミクスは、大企業の内部留保を積み増しただけです。その一方で、日本経済全体は低迷が続いている。トリクルダウンが成り立たないということは明瞭になったわけで、ここは政策転換をやる必要がある。具体的には、人間らしい雇用のルールをきちんとつくっていく。これは民主党とも一緒に反対しましたが、労働者派遣法が改悪され、正社員から非正社員への流れが加速している。この流れを逆転させて正社員が当たり前の社会にしていく。それは全体の賃金を押し上げます。最低賃金も思い切って底上げしていく。政治のリーダーシップで、大企業の儲けを社会に還元させていく。アベノミクスを転換するという方向は、話し合えば共有できるんじゃないかと思うんです。


●内部留保に課税せよ

松野:まったく同じ認識です。志位さんはずいぶん柔らかくおっしゃったけれども、僕は法人税減税をするならば、内部留保への課税をセットでやるべきだと考えます。法人税減税で企業の活力は支えるけれども、それは内部留保に回すためじゃなくて、市場に回すためなんだというメッセージを込める。低率でいいので、内部留保に課税するべきというのが僕の持論です。

岡田克也・民主党代表:経済政策でいえば、個々に一致できるものはあると思う。たとえば、法人税を一律で減税しても投資拡大や賃金アップにつながらないことは、過去の安倍政権の結果から実証済みです。それよりも強力な投資減税を行うべきです。ただし「大企業は悪」みたいなね(笑)、そういう発想はちょっと違って、そこまで言わなくていいじゃないかと思いますが……。

志位:悪と言っているんじゃないですよ。私たちは、大企業をつぶすとか、敵視するということでは毛頭ないんです、岡田さん。その社会的力にふさわしい責任を果たしてくださいというのが、私たちの立場なんです。アベノミクスはあまりに大企業に軸足を置いた政策で、そこを転換して暮らしに軸足を置く。そうした方向性は共有できるんじゃないでしょうか。ただ、消費税増税という問題があります。税制に対する考え方を一致させることは難しい。しかし、まず問われるのは、17年4月に消費税を10%に上げていいかどうか。ここは税制に対する考え方の違いはあっても、いまの経済情勢のもとでは増税しないという方向で話し合う余地があるのではないでしょうか。

吉田徹・北海道大学教授:アエラの読者アンケートでは、野党に進めてほしい政策は社会保障が72.9%でトップ。子育て支援、教育と続いて、安全保障は37.3%で4番目だった。安保関連法制には、反対が多数を占めるかもしれない。しかし、貧困が広がっているなかで、国民が政治に求めるのは日々の生活を守ることです。野党が安保関連法制反対で一致できても、その他の身近な政策でまとまれるかが問われている。


●参院選は安保に比重

岡田:そこは痛しかゆしです。安倍政権としては、世論の反対の強い安保関連法制から、ほかの政策に関心を集めたいと思っている。その路線に乗ってしまうことになりかねない。次の国政選挙は参院選で、政権選択選挙じゃない。やっぱり安全保障の比重というのは、かなり高く なると思っています。

志位:経済の問題は大事で、私たちも国民の暮らしを第一に考えた対案を出していこうと思います。しかし、経済の問題と立憲主義の回復という問題は次元が違う。安倍政権の独裁を止めるのは、暮らしにも関わる大問題だということを訴えながら、経済政策の転換も訴えるということになると思います。

岡田:議論をしてきて、政治家同士の信頼関係って非常に重要だと思っています。もちろん、松野さんとは長い間の信頼関係があるわけです。志位さんとは路線はまったく違うんだけれども、政治家として信頼している。そういうなかで、これからいろんな可能性があるんだろうと思っています。

志位:いま、岡田さんから信頼という言葉を聞いて、大変うれしい思いです。岡田さんは、議員として私の1期先輩で、長い付き合いのなかで私も同じような信頼を感じています。お互いに信頼感を大事にしてなんとか一致点を見いだしていきたい。まずは参院選で勝つために、筋が通った形で選挙協力をどうやってやるか、話し合いを続けたいと思っています。

岡田:話し合いを継続していくというのは確認していますね。

松野:共産党という政党と考え方は違いますが、今回初めてじっくり話してみて、志位さんという政治家は魅力的だと感じました。安倍政権によって、憲法という民主主義の土台が崩れるという危機感は一緒です。

志位:その危機感を共有できたのは非常に大事なことですね。

吉田:“一強多弱”の責任は野党にもある。一緒にやることの不自然さを乗り越えることこそ政治ですから、期待しています。


AERA  2015年12月7日号

 

 

 

 


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