原発再稼働差し止めをめぐって司法判断が分かれ、米軍普天間飛行場の辺野古移設で沖縄県と政府の溝が深まる中、アイドルグループ「制服向上委員会」が25日、再稼働と辺野古移設に反対するパレードとライブを都内で行い、安倍政権に「NO」を突きつけた。

 会場の日比谷野外音楽堂に、反核「NO NUKES」と反戦「NO WAR」を訴える幕が掲げられ、メンバーは5月1日発売の24枚目シングル「会津磐梯山」を「リメンバー・福島」の言葉で締めくくった。

 1992年秋に結成、日本最長の歴史を持つアイドルグループの制服向上委員会。「ストーカー問題」から「ゴミのポイ捨て禁止」まで、社会問題に広く関わる中で福島の原発事故が起こり、2011年の「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」が話題に。

 それから4年、政権交代などで「歌詞が政局に追いつかない」との声もステージでは聞かれた。仮設住宅住まいの震災被災者に触れ、「円安バブルでごまかしている安倍内閣も野放しにできない」とダメ出し。返す刀で「悪魔NOだっ!民主党」を歌い、「この歌詞をいつ聴いても腹が立つ。二度と政権を取ることはないと思う」と憤りを示す。

 12~18歳のメンバーから「再稼働させる政府はおかしい」「マスメディアは信用できない」といった声が相次いだ。リーダーの大学1年生、清水花梨(18)は「もう黙っていられないということでライブをやろうと決まった」と再稼働や被災者の現状への疑問を、取材に対して語る。

 脱原発ソングではCD告知のポスターが意見広告とみなされ、駅で掲出を拒まれたこともある。ステージでは「危険なグループと言われることもある」と明かしたが、清水は「何か『違う』と思ったことを『違う』と普通に言える日本になってほしい。負けずに声を大きく上げていきたい」と言葉に力を込めた。