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学生団体SEALDsの合言葉「落選させよう」は公選法に違反しないのか

2015-10-04 23:45:21 | 政治 選挙 

BLOGOS http://blogos.com/article/137347/ より転載

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学生団体SEALDsの合言葉「落選させよう」は公選法に違反しないのか

[写真]国会前で行なわれた安保法案に反対するデモでは「法案賛成議員は落選させよう」というプラカードも掲げられていた

 採決をめぐる与野党攻防の末に成立した安全保障関連法について、学生らでつくる「SEALDs(シールズ)」が「賛成した議員を落選させよう」と発した呼びかけが、静かな波紋を広げている。来年2016年夏に参議院選挙が予定されているが、選挙運動には公職選挙法で様々な規制がかけられており、「まだ選挙が始まってもいない段階で、選挙に向けた動きをするのは違法ではないか」との声もある。シールズの合言葉「落選させよう」は、公選法に違反しないのだろうか。

「落選のみ」が目的なら選挙運動ではない

 これまで過去の選挙では、選挙が始まる前の選挙運動、いわゆる「事前運動」を行って、当局から摘発された事例が数多くある。シールズの「落選させよう」は、これに当たるのではないか? との念がよぎる。

 そもそも選挙運動とは何か。総務省サイトによると、選挙運動とは、「特定の選挙に特定の候補者を当選させる目的で投票を勧める行為」と定義づけられている。

 公職選挙法では、この選挙運動は「選挙の公示・告示日から選挙期日の前日までしかすることができない」としている。この選挙期間より前に選挙運動を行うことは「事前運動」として禁じられており、1年以下の禁錮または30万円以下の罰金。選挙権および被選挙権が停止される。

 では、落選運動は、この「選挙運動」に含まれるのだろうか? 落選運動の定義を探ると、ネット選挙が解禁された2013年、「インターネット選挙運動等に関する各党協議会」がまとめた改正公選法のガイドラインで、以下のようにはっきりと示されていた。

「何ら当選目的がなく、単に特定候補者の落選のみを図る行為である場合には、選挙運動には当たらないと解されている」

 つまり、落選運動は選挙運動ではない。だから公選法による時期の制限を受けない。よって、今すぐできる、ということになる。

未成年は落選運動を行っても“問題なし”

 念のため、総務省自治行政局選挙課に確認すると、「落選運動は、特定の候補を当選させる意図が含まれる選挙運動と認められない限り、事前運動の縛りはない」と明言。さらに、選挙権のない未成年について、公選法では選挙運動を禁じているものの、落選運動について未成年を規制する法令は何もないため、落選運動に未成年が取り組んでも「問題にならない」と話した。

 もちろん、「落選のみが目的」というところがポイント。仮に、誰かを落選させて、誰かを当選させる、という意図が認められると、「政治活動」とみなされ、公選法の事前運動禁止などの規定に触れることになるので注意が必要だ。

 さらに、2013年の公選法改正により、選挙期間中には、ウェブサイトなどに選挙運動や落選運動に使用する文書図画を掲載する際は、運営者に連絡が取れる電子メールアドレスなどを表示することが義務づけられた。選挙期間中に落選運動をやるなら、一方的に情報発信をするのではなく、指摘や反論などを受ける態勢を整えておきましょう、ということだろう。ただ、この表示義務は、選挙期間中のみ。選挙期間ではない時期なら、この規制を受けることはない。

 だから、ネットを使って今すぐ、例え未成年であっても、「特定の候補者の落選」を目指した情報発信を自由に進めていくことができる。もちろん、根拠のない誹謗中傷などは論外だが、落選運動は選挙運動と比べ、はるかに自由に展開できる印象を受ける。

ネット上の「落選運動」の効果は?

 果たして、この落選運動は、実効性を伴う活動として広まっていくのだろうか。

 実はつい最近、自民公明の推薦候補を巡り、「落選運動」とみられるネット活動が展開された事例がある。その候補は選挙で敗れた。今年1月に行われた佐賀県知事選だ。

 同県の元武雄市長である樋渡啓祐さんは、TSUTAYAとコラボした市図書館リニューアルを行うなど、8年超にわたる市政運営で全国的な注目を集め、知名度は抜群だった。一方で、その独創的な手法や言動に反発する人も少なくなく、ネット上でも樋渡さんに反発するサイトが立ち上がった。

 樋渡さんは官邸と自民党本部の主導で自公推薦を受けて出馬。ところが、地元の一部保守勢力がこれに反発し、投票日から1か月を切った段階で、無名だった元総務省過疎対策室長・山口祥義さんを擁立。フタを開けると、樋渡さんは4万票近い差をつけられ、山口さんに敗れた。ただもちろん、落選運動が選挙結果にどれほど影響を与えたかを判断するのは難しい。

 来年の参院選でも、現職以外の候補がまだ決まっていない選挙区も少なくない。しかし一方で、ネット上では安保法案に賛成した議員のリストが出回っている。参院選の結果はどうなるだろうか。

(記者・メディアコンサルタント/坂本宗之祐)

 

 


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