http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015081402000131.html
靖国神社 戦死自衛官は「合祀せず」
安全保障関連法案の国会審議で自衛隊員のリスクの高まりが論議される中、靖国神社(東京都千代田区)は十三日までに、今後戦死した隊員が出た場合でも合祀(ごうし)はしないとの見解を明らかにした。共同通信の質問に文書で回答。靖国神社が一九七六年に示した合祀基準は、第二次大戦で死亡した軍人軍属らを念頭に置いた内容になっており「現在も基準に変わりはない」「自衛官合祀はない」と答えた。
自衛隊は五四年の創設以来、戦死者を出していない。訓練中の事故などで死亡した隊員の追悼の場としては、東京・市谷の防衛省内に殉職者慰霊碑がある。元自衛官の佐藤正久参院議員は、靖国神社の社報への寄稿や自身のブログで「(殉職者慰霊碑では)広く国民が慰霊・顕彰することは困難」「靖国神社に祭られるかどうか議論をしておかなければ」といった考えを表明している。
靖国神社は七六年に国会図書館に提出した資料に合祀基準を明記。合祀対象は、戦地と終戦後の外地で戦死した「軍人軍属」や、戦闘で死亡した満州開拓団員、旧ソ連・満州などでの抑留中の死亡者ら「準軍属およびその他」としている。
この基準が現在も適用されているかを尋ねたところ「基準に変わりはない」と答えた。
首相や閣僚の参拝に関しては「参拝を希望される方であれば、どなたでもひとしくお迎えする」、天皇陛下の参拝には「粛々とお待ち申し上げる」とした。天皇の参拝は七五年以来途絶えている。昭和天皇はA級戦犯合祀に反発して参拝を控えたとの見方が有力となっている。