デジデリオ 前世への冒険(著:森下典子)集英社文庫
※現在は、
前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って(知恵の森文庫)で発売中の模様。
フィレンツェラビリンスなるドラマ仕立ての探訪記のようなものを元旦早朝からやってたので、撮っといた。
観た。
昔読んだ本と同じ内容に心当たりがあったので本棚を調べてみたら、持ってる本を改題したやつだった!最初のハードカバー版“デジデリオラビリンス”出版が1995年だから少なくとも17年前の話!なんですねぇ。
その後2000年に改題・改筆した文庫版“デジデリオ 前世への冒険”を出版。2006年に知恵の森文庫にて“前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って”を出版ですから、作者は余程この旅に思い入れがあるんだろうな……というのが伺えます。もはや執念。
知恵の森文庫版も追加とかあるんだろうな…読みたい。
で、肝心のあらすじであるが。
ドラマを観おわって妙な違和感と中途半端な脱力感で置き去りにされた気持ちになってしまいました。コレジャナイ感がはんぱない。オリジナルの半分もすくってねぇですもんねぇ。
だってデジデリオさんホモでバイじゃーん!ってそこはTVじゃ流せないか(苦笑)
話戻して、デジデリオさんの人生は波乱万丈ドラマチックですよね。
王族の庶子に生まれて、あんまりかわいいから法王に(性的に)献上するつもりで聖歌隊に放り込まれるも音痴で御役御免。絵が上手という理由でフィレンツェの石工職人に里子に出され才能開花。
だがしかし当時流行った新プラトン主義の影響もあって若紫宜しくホモの道へ……(’A`)
かわいいは正義とはよく言ったもので、ホモだろうがバイだろうが自分は許すけど、学生ん時に歴史か哲学で習った“師匠を尊敬する敬愛が云々”って説明の裏に=ホモという事実が隠れてるとは…知らなんだ。いや割とマジで(汗)知ってたらさぞかし友達と盛り上がった事だろうに……口惜しい。
後、作者のオカルト否定派無神論者的確認発言がそこここにみられて多少ウザイが、あの年代はまあ科学万能とか西洋文化礼讃がすごかったり土着信仰は忌むべきものとかそんな感じだったと思うので、オカルト要素のある話をする以上は“私は真っ当な人ですよアピール”は必要不可欠であったろうからやむをえないのであろうかなぁ。
読んでいると、割とどうでもいい様なデジデリオと関係あるのかないのかよくわからない事がチラチラ頭の中を掠めてしょうがなかったりする。
要約すると“臓器を石にする”男の話なんだけど、石にした臓器を寄せ木細工のようにしてテーブルなどを作る話をどこかで読んだのだが……どこだっけ?
デジデリオではなかったかもしんない。
ってんで、同時期に買った坂東眞砂子の「聖アントニオの舌」かもなので、只今読書中(・ω・´)
最後に、TVを観て集英社文庫版の表紙はなんぞという謎が解けたのが、個人的な収穫でした。
(A:サン・ロレンツォ聖堂の「サクラメントの祭壇」でした)
1/6追記
前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って (知恵の森文庫)を読んできたのでご報告。
もしもこれから読む人がいたら、是非知恵の森文庫版をお薦めする。
自分は集英社文庫版を読んだのだが、説明が不明瞭で図や写真が載っていれば…と思っていた場所が結構あった。
これらが解決し、図や写真が追加されたりその後についても若干加筆され、大変分かりやすくなっている。
まさに完成版といったところか。