改め Objective Technician

はぐれ技術者のやりたい放題

せっかち

2007-10-08 00:32:41 | ムダ話
考えがコロコロ変わって困る。


今日、休日なのに例によって研究室にA木先生がいたので進路について相談してみた。


曰く、人工生命の分野みたいに、ただでさえよく分かってない生物のマネを工学屋がしようとしても、確かに面白いけかもしれんが生理学や神経の専門からすればただの遊びだと。

原理が分かってないのにいきなり生物の機能を機械で実装しようとしても出来るわけないと。

確かに一昔前にはかなり流行ってたみたいだけど、今はだいぶ下火になってるらしい。


曰く、視覚についてなら、コンピュータビジョンとしてゴリゴリと計算によって信号処理をやる工学としての立場か、それこそ生物の視覚情報処理のしくみをサイエンスの立場から突き詰める立場か、プロフェッショナルはどちらかしかいないと。

工学と、まだまだ未解明の脳神経科学を一緒に扱おうとしてる、いわゆる中間の立場の人はいっぱいいるらしい。


3次元実空間を2次元に射影して情報を取り込もうとするのが順問題だとすると、複数の2次元画像(通常は2眼)の情報から3次元空間を復元するのが逆問題。

今いる研究室では、この順問題、逆問題を信号処理でゴリゴリ解こうとする立場。

その信号処理の手法というのが、A木先生が生み出した、画像の位相を使う手法。生物をヒントに位相に注目したと聞いているけど完全に信号処理として定式化できるもの。


脳や神経に目を向けるのはもちろん最終的に工学に応用することを目指すからだけど、サイエンスの立場でやるなら中途半端に実装しようとか思わないで純粋に人間の視覚情報処置の仕組みに絞って研究するべきじゃないの、と言っているように聞こえた。


そうすると、どうしても心理学とか哲学っぽい領域まで対象が広がることになる。


まだ分かってないことが山のようにあるだけに、すごく深遠な世界のように思える。


ってことは、通研のS入研かY野研か?



あのA木先生が「神様」と言う「デビッド・マー」という人が書いた、マシンビジョン研究者のバイブルといわれている本を紹介してもらった。




というか、そんなにすごい人を知らない時点で勉強不足。