【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

平成28年度から32年度までの特例公債法案が衆・本会議で審議入り きょうの国会

2016年02月09日 16時08分46秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年2月9日(火)衆議院本会議】

 「北朝鮮によるミサイル発射に抗議する決議案」(190衆決議2号)が、河村建夫さんから趣旨弁明されました。採決の結果、「異議無し」の全会一致で採択されました。安倍首相が発言しました。

 この後、「平成28年度から32年度までの特例公債法案」(190閣法7号)が審議入り。麻生副総理兼財務相が趣旨説明し、代表質問。今国会での法案の本会議代表質問はこれがはじめて。

 まったく偶然ですが、審議入りの30分前。長期金利(新規発行10年物国債)が初のマイナス。12時39分にニュース速報が流れていました。

 自民党の松本洋平さんは「特例公債は今から40年前の昭和51年から発行が始まり、バブル期の一時期を除き、発行し続けている」「特例公債の発行額は前政権と比べて、年10兆円減らしており、財政健全化は確実に進んでいる」としながらも「手綱(たづな)を緩めるわけにはいかない」と語りました。

 安倍首相も「新規発行国債を年10兆円減らした」と胸を張りました。麻生財務相が「自公民3党の確認合意書にもとづき、平成24年度から27年度までの特例公債発行の枠組みを延長するものだ」と答弁すると、 民主党議員から「今回は合意していないぞ」との野次が飛びました。

 登壇した民主党の鷲尾英一郎さんは「もう一度与野党の垣根を越えて、社会保障と税の一体改革に取り組むべし」とただしました。安倍首相は「3党合意にもとづいた法律にそって進めており、見直すつもりはない」と答えました。

 日本共産党の宮本徹さんは「憲法と財政法を幾重(いくえ)にも踏みにじるものだ。戦時国債で国民生活を破壊した教訓が財政法4条だ」とし、財政法4条の特例としての公債発行に反対しました。

 平成28年度から32年度までの特例公債法案(190閣法7号)の正式名称は「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法及び財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案」。

 関連エントリー記事は「●平成28年度から32年度までの特例公債法案提出 金額無くPB黒字化は努力義務」(1月22日付)。

 あるいは、「平成28年特例公債発行法案は、民主党政権の復興財源確保法の改正と抱き合わせで提出へ」(1月13日付)。

 きょねんは、「平成28年度特例公債法案「安倍の財政規律の無頓着ぶりに自由度を与えていいのか」岡田克也民主党代表」 (10月22日付)。

 さらに、「財務省、平成28年度から30年度ないし32年度(2020年度)までの特例公債法案を国会に提出へ」(7月3日付) とこだわってまいりました。

【平成28年2016年2月9日(火)衆議院予算委員会】

 平成28年度予算案の6日目、一般的質疑2日目。

 民主党の緒方林太郎さんが、丸川環境大臣の放射線の基準に関する演説をめぐって質疑しました。 

 高市総務相が放送法第4条違反で電波停止もありうると言及したことは朝日新聞1面でも報じられました。民主党の玉木雄一郎さんがさらに問うたところ、高市総務相は「きょうは急に呼んでいただいて(補足説明ができるので)ありがとうございます」とし、前日と同じような説明をしました。

 TPPのISDS条項について、民主党の緒方林太郎さんと玉木さんは、TPPの「将来の紛争の抑止的効果がある」との条文について、日本の民法709条は民事裁判での懲罰的な損害賠償は認めていないと指摘。平成9年7月11日の最高裁判決との違いを問うと、岩城法相からあやふやな答弁が続きました。

 日本共産党の島津幸広さんは、最低賃金について質疑。「県別の最賃により、静岡県熱海市と、神奈川県湯河原町では、同じコンビニの同じ仕事で時給100円の違いがある」とし、物価、家賃、公共交通機関の運賃などを勘案すると、県別の生活費に大きな違いはなく、全国一律の最賃に向けた働きかけを求めました。

【同日 参議院本会議】

 参議院本会議の定例日は、月曜日、水曜日、金曜日。定例時刻は午前10時。

 きょうは火曜日の午後4時という極めて珍しい時刻に始まりました。

 「北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議(案)」(190参決議1号)が提出され、議運委員長の松山政司さんが発議者を代表して趣旨説明。

 採決の結果、投票総数229、賛成229、反対0の全会一致で可決し、採択しました。安倍首相が「関係国とも一層緊密に連絡していく」と発言しました。

 ◇

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平成28年度2016年度予算案は5日目、一般的質疑1日目 きょうの国会

2016年02月08日 17時12分56秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年2月8日(月)衆議院予算委員会】

 平成28年度予算案は、合計5日目、一般的質疑1日目。

 自民党国会対策副委員長の越智隆雄さんは「3日間の基本的質疑を終えて、きょうから一般的質疑となった」と切り出し、「現在の経済は3つの段階から来ている。3党合意、3本の矢、1億総活躍、だ。好循環のために政労使で賃金を上げなければならない」と語りました。

 公明党議員は、同党青年委員会のお家芸、携帯電話料金の引き下げを、高市総務相に迫りました。同党は与党期には必ず総務省政務三役をとっています。宗教法人施設の固定資産税の判断が、東京都庁および全国の基礎自治体であることが関係しているのでしょう。

 与党の質問は1時間で終わり、午前10時から野党の質問になりました。これからも一般的質疑はこのパターンになりそうです。

 民主党は各議員がTPPの質問をしました。逆風が続く中、小選挙区で当選するには、単位JAの支援は不可欠であり、構造的にやむを得ない面があります。

 緒方林太郎さんが、TPP条約第9章の一部、ISDS条項について。日本国憲法第76条の「特別裁判所は設置することができない」と、TPP条約締結国内の仲裁裁判との関係について問うと、岩城法相の答弁が揺れました。岩城法相はおおむね、日本の最高裁判所が執行前に判断するという趣旨の答弁をしましたが、はっきりしませんでした。これに関する答弁は、数十年先まで憲法解釈を縛るかもしれないので、与野党とともていねいな審議を積み重ねてほしいところです。

 奥野総一郎さんは「放送法第4条にもとづく電波停止はしないと明言してほしい」と語りましたが、高市総務相は「私の在任中はないと思う」としながらも、明言は拒みました。

 柚木道義さんは「4回現地を訪れた」として、高木復興相の「パンツスキャンダル」を問いました。

 それにしても、平成28年度予算書に関する質疑がないですね。

 私が選挙に出て、私が質疑しようかと思ってしまいました。

 それと、英国のサッチャー首相は、やや階級が上の言葉をわざと使っていたそうですが、民主党議員はその逆をやっているのでしょうか。いい加減、我慢ならなくなってきました。維新の党と合併すれば、松野さん、今井さん、松木さんらがいるので多少は改善されるような気がしてきました。まあ、新進党が解党されていなければそのようなことはなかったかもしれません。 

 日本共産党の堀内照文さんは介護従事者の賃金の回復を求めました。田村貴昭さんは「自治体の指定管理者制度は問題がある」と指摘し、「総務省が歳出削減のために、地方交付税をつかって政策誘導すべきではない」と語りました。まったく同感であり、最近の総務省自治3局(旧自治省)は、大志が無いように感じます。

【同日 参議院】

 審議はありませんでしたが、東日本大震災復興および原子力問題特別委員会が国政調査として委員派遣をし、気仙沼市長らから話を聞きました。 

【政令】

 きょうの官報に「目録」があり、書き漏らしに気づきました。

 天皇陛下はさる1月22日(金)、改正特許法(平成27年7月10日法律55号)を4月1日(金)に施行することを、公布なさっていました。私の同級生で、いくつかの特許を数人の社員連名で持っている、40歳代で子供が2人いる輝く女性を知っているのですが、今次改正は知らなかったとのことです。今後は、特許が会社のものになるかもしれないので、ここ数週間以内にも、特許の登録がどうなるのか、労組を通じて会社と確認した方がいいと思います。 

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「CCRC生涯活躍のまち」地域再生法改正案提出 高齢者の移住で地方創生

2016年02月05日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリーの初投稿日時は2016年2月11日で、それから5日付にバックデートしました)

[画像]衆議院分館で開かれる委員会で答弁する石破茂地方創生相、2014年11月11日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。



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 内閣官房「まち・ひと・しごと創生本部」の「日本版CCRC構想有識者会議」のとりまとめを受けて、政府は、「生涯活躍のまち形成事業計画」を盛り込んだ、地域再生法改正案(190閣法15号)を閣議決定し、平成28年2016年2月5日(金)、衆議院に提出しました。

 CCRCとは、Continuing Care Retirment Communityだそうで、直訳すると「持続可能な高齢者ケアのまち」となりそうなところですが、「生涯活躍のまち」となっています。

 まち・ひと・しごと創生本部のウェブサイトに載っている最終とりまとめによると、大要、次のようなことが書いてあります。

 「東京圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の高齢者の3割~4割が地方に移住したいと考えている。地方創生の観点から、地方への人の流れをつくると同時に地方の介護水準を維持することも大事。東京圏は今後急速に高齢化が進み、2015年から2025年にかけて、後期高齢者がおよそ175万人増えるため、あくまでも選択肢の一つとして、地方の生涯活躍のまちへの住み替えを推進したい」

 という趣旨のことが書いてあります。

 法案では、「生涯活躍のまち」を次のように定義しています。

 「人口及び地域経済の動向その他の自然的経済的社会的条件からみて、地域住民が生涯にわたり活躍できる魅力ある地域社会を形成して中高年齢者の居住を誘導し、地域の持続的発展を図ることが適当と認められる地域。中高年齢者の就業、生涯にわたる学習活動への参加その他の社会的活動への参加の推進、高年齢にわたり活躍できる魅力ある地域社会の形成を図る者に適した生活環境の整備、移住を希望する中高年齢者の来訪及び滞在の促進その他の地域住民が生涯行う」

 具体的には、地域再生計画の下に生涯活躍のまち形成事業計画をつくると、地方創生交付金の対象になったり、その地域内の介護事業者の許認可で優遇されたりする、ということのようです。

 法案は、衆議院の地方創生に関する特別委員会(40人)、参議院の地方・消費者問題に関する特別委員会(30人)に付託されるものとみられます。答弁は、石破茂地方創生相ら。

 現実に東京圏の基礎自治体はその税金・保険料積立金で、地方の介護施設への入居をあっせんしている実態があります。また、極端な量的金融緩和と低金利に悩む地方銀行の融資先として最適な条件になりそうです。

 島国である、わが国では、国の内外の転出入者が少ないため、地域間移動と世代間格差で、流動性を保たないといけない実態があります。ただ、自民党政権51年目にあたり、莫大な特例公債発行残高と、世界的水準の高齢者の預金残高が釣り合うという、奇妙なバランスシートのもと、歪んだ金融資本による新・人口ボーナスの創生が進むことになりそうです。

 私は、公債を減らし、シンプルな行政で直接給付による政策誘導をはかる民主党の考え方を支持しています。

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平成28年度予算案の基本的質疑終了、民主党役員「首相が検査院に命令しろ」と踏み外す

2016年02月05日 17時16分39秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年2月5日(金)衆議院予算委員会】

 平成28年度予算案の質疑4日目、そのうち、基本的質疑は3日目。

 甘利明前大臣の千葉建設会社とURの口利きについて。

 会計検査院長は「徹底して調査する」としました。

 ところが、民主党役員は、「行政機関ですから会計検査院は、首相は早めに調査結果を出すよう指示を出してくれないか」と語りました。

 安倍首相は「政治の立場からあれこれ指示を出すことは差し控えさせていただきたい」 。

 日本国憲法第90条は「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない」。

 東京都千代田区霞が関に位置する機関で、憲法が設置根拠になっているのは、会計検査院のみ。さらに憲法第90条第2項「会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める」で委任した会計検査院法第1条では「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する」と定めています。

 民主党の閣僚経験のある役員が、首相に対して、会計検査院長に指示を出すよう促していて、呆れ果てました。

 GPIF(厚生年金積立金法人)の日本株運用について、塩崎厚労相は「昨年7ー9月期は7・9兆円の運用損だが、それを含めてもその前後の1年間で4・2兆円のプラスが出ている」としました。信託銀行を通さない、インハウス運用の法改正を先送りするとの一部報道について塩崎厚労相は「来週の社会保障審議会年金部会で議論する。積極的な人もいる。海外の事例もある」とし、インハウス運用を検討する、としました。

 安倍首相は「実力組織である自衛隊の存在を憲法9条に書き込むべし」と語りました。基本的質疑の中で首相は、民主党に対して憲法の逐条での改正案を出すよう促しており、第24回参院選の争点になりそうです。

 竹下亘予算委員長は、基本的質疑の終了を宣言。

 あけて、8日(月)は午前9時から一般的質疑(1日目、総計5日目)になります。

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平成28年度予算案の基本的質疑2日目、階猛さんが特例公債・復興財源確保法改正案をただす

2016年02月04日 17時35分18秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]平成28年度から32年度までの特例公債および復興財源確保法延長法案についてただす、民主党の階猛さん、2016年2月4日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成28年2016年2月4日(木)衆議院予算委員会】

 平成28年度本予算案の審議は、3日目、基本的質疑2日目。

 民主党の階猛さんが「平成28年度から32年度までの特例公債法および復興財源確保法延長法案」(190閣法7号)について「同じ法案にしているが、特例公債、復興債は趣旨が違うし、総額も違う。野党が反対できないように一つの法案にした卑劣な法案だ」と強調しました。麻生財務相は「平成33年度にかけてプライマリーバランスを黒字にするために、特例公債と復興債を同時に対応する必要がある」と語りました。

 日本共産党の志位和夫さんは、2015年日米防衛協力のための指針いわゆるガイドライン国内実施のための安保法(3月施行)にともなう、改正PKO協力法(3月施行)での駆けつけ警護解禁について、様々な角度から問題視しました。

 民主党の山尾志桜里さんは保育の質の財源0・3兆円と軽減税率の財源0・6兆円について、安倍首相から「保育の差の0・3兆円はそこまでは踏み込んでいない」とし、考えがないことを明示しました。待機児童の計算方法について、首相と山尾さんとで認識の違いがあり、今後も議論することになりました。

 維新の党の石関貴史さんは「陛下のご公務の軽減を検討すべし」と問い、安倍首相は「ご高齢でもあり、宮内庁が勘案していると思う」としました。石関さんが、閣僚の中で年金をもらっている人は誰か?と質すと、誰も答えず、自民党から失礼だという声があがりました。このパターンでは政治改革の時代に、「この中で自民党国会対策委員長の経験者は手を挙げてください」とし、数人が挙げると、「この中で、野党・社会党にお金を渡した人は」と問われ、半数が下げ、半数が下げたり上げたりする、中選挙区時代の「1か2分の1」大政党制における、料亭国対政治を垣間見ることがありました。

 安倍首相は「国民皆年金と最低賃金は岸内閣の仕事だ。このことはあまり知られていない」と答弁しました。私は以前からこのことに気づいていて、最低賃金を毎年2ケタアップしているのはそのためだと考えていました。

 会派名は「民主・維新・無所属クラブ」ですが、松野頼久維新の党代表は「民主党・維新の党・無所属クラブ」と語っており、鷹揚に構える内心をうかがい知ることができました。

 明日は、基本的質疑3日目が行われます。

【同日 参議院】

 議院運営委員会理事会が開かれたほかは、特に審議はありませんでした。

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平成28年度予算案の基本的質疑、召集1か月民主党すこぶる低調「辻元30分事件」

2016年02月03日 18時11分34秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

【平成28年2016年2月3日 衆議院予算委員会】

 召集31日目。平成28年度2016年度本予算案の基本的質疑が始まりました。

 野党は極めて低調な出だしとなりました。1年前は、西川農相が辞任しておらず、いらいらした安倍首相(自民党総裁)が「日教組どうすんだよ、日教組」という意味不明な野次を飛ばしたことがマスコミで話題になりました。1年後、与党トップバッターの稲田政調会長が自ら言及した通り、甘利明大臣が既に辞任。安倍首相自ら「多士済々の自民党」と語る、石原大臣が踏み込みながら手堅い答弁を続けました。前年の民主党は黄川田徹さんが東日本大震災復興について質問しましたが、今回は復興や原発に関する質問はありませんでした。

 民主党の岡田克也代表の質問に対して、安倍首相は「週刊誌に書かれたようなことがTPPに影響はない」と予算の執行機関である大臣の資質について無責任な答弁をしました。岡田さんは「もっと危機感を持ってほしい。TPPは5品目をのぞいてほとんどの関税が撤廃されるのだから、農家にとっては死活問題だ」と語りました。

 給付つき税額控除は麻生財務相が「メリットもデメリットもある」と語り、軽減税率の方が良いとしました。岡田さんが「保育の質向上の財源不足0・4兆円と、軽減税率の財源不足0・6兆円のどちらを優先的するのか」との問いに塩崎厚労相は「どちらとも言えない」と語りました。この後、平和安全法制における内閣法制局の文書作成体制について、「公文書管理法違反だ」と岡田代表は指摘しました。

 大西健介さんに続いて、玉木雄一郎さんが質疑を求めると、竹下亘予算委員長は「この際、玉木雄一郎君から関連質疑の申し出があります。岡田克也君の持ち時間の範囲内でこれを許します」と話しました。この中で、日本銀行金融政策決定会合の発表の15分前にマイナス金利が日本経済新聞電子版で報じられた経緯について、日銀が調査していることが明らかになりました。

 ●辻元役員室長の記者会見30分制限発言が影響か、召集1か月の朝日、毎日の「民主党」報道が激減、産経は激増ーー

 「民主党」を見出しにとった報道で変化が出ています。

 昨年の第189回通常国会の召集1カ月間での報道と、ことしの第190回通常国会の召集1カ月間での報道を比べてみました。

 昨年の序盤国会1カ月間(2015年1月26日から2月25日まで)に「民主党」をタイトルに入れた記事は、多い順に、

 毎日新聞が20件、朝日新聞が9件、読売新聞が7件、共同通信が5件、産経新聞が2件、NHKが1件

 でした。今年の序盤国会1カ月間(2016年1月4日から2月3日まで)では、

 毎日新聞が14件、朝日新聞が4件、読売新聞が9件、共同通信が4件、産経新聞が12件、NHKが9件

 となっています。朝日が半減、毎日が3割減の一方、産経が6倍増となっています。

 このように民主党の記事を書いていたメディアの報道量が減った理由として、召集2日目の、1月5日の辻元民主党役員室長の記者会見30分制限発言が影響しているとの見方があります。辻元役員室長は、今年冒頭の記者会見で、「会見の進め方なのですが、今年から30分めどで、もちろん大事な問題があればいろいろお答えしていきたいと思うのですが、「めど」ということでスケジューリングさせていただいて、コンパクトに、意味のある、有意義な会見にしてまいりたいと思っております」と、根回しなく発言しました。

 閉会後に参議院通常選挙を控えながらも対決法案がない通常国会の召集2日目に、記者会見での発信の機会を自ら制限する野党がかつてあったでしょうか。私は18年前の通常国会で、尊敬する中野寛成・新党友愛代表の記者会見に出ていましたが、毎日新聞記者の「橋本2兆円減税構想をどう思うか」の問いに、中野代表が「2兆円では景気刺激策にならない。10兆円ぐらいやらないと意味がない」との答えに、毎日記者の「10兆円の税目は何か」とのさら問いに、中野代表が「そういうことではなくて、10兆円ぐらいのインパクトが必要だという意味だ」との答えに顔を見合わせてしまったことがあります。政調会長経験が長く、NHK日曜討論の常連の中野代表が政策に疎いわけが無く、現にその10年後の民主党第1次与党期では、税制調査会では、まさに余人をもって代えがたい存在となりました。

 このように野党の党首記者会見で政策の問答ができるのは、岡田克也さんしかいません。それ以外では、野党の党首の記者会見は、国対と選対だけに決まっています。これの発言については、辻元役員室長の一存での発言だと周辺は話しています。辻元役員室長は軽挙妄動な認識を改めて、反省してほしい。 

【同日 参議院】

 審議はありませんでした。

【同日 法律公布】

 「改正公職選挙法」(平成28年2月3日法律8号)が公布されました。6月19日施行。第190衆法2号として、全会一致で成立。

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「情報処理安全確保支援士」を設けるサイバーセキュリティ・情促法の改正法案、提出

2016年02月02日 23時59分59秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリー記事の初投稿日時は、2016年2月8日午前5時で、2日付にバックデートしました)

[写真]経済産業省、2015年7月、宮崎信行撮影。

 政府は、サイバーセキュリティ基本法および情報処理促進法の改正法案(190閣法11号)を、国会に提出しました。平成28年2月2日(火)付。

 NISC(ニスク)こと内閣サイバーセキュリティセンターの業務を広げるのが柱。

 同時に、

 「情報処理安全確保支援士

 を新設することを、「情報処理の促進に関する法律」(昭和45年法律90号)に書き込んでいます。

 会社のサイバーセキュリティについて、社長の相談に応じたり、調査分析をして助言する仕事です。

 サイバーセキュリティの定義は、「電磁的方法で、記録され、発信され、伝送され、受信される情報の漏えい、滅失、毀損を防ぐために必要な、記録媒体を通じた電子計算機(コンピューター、パソコン)への不正な活動による被害を防ぐために、処置したり、適切な状態を維持管理したりすること」です。(サイバーセキュリティ基本法第2条参照

 情報処理安全確保支援士は、試験に合格したり、同等以上の職務経験がある人で、研修を受ける必要があります。

 経済産業省は、省令をつくったうえで、「独立行政法人情報処理推進機構」に情報処理安全確保支援士の業務を行うことになります。

 法案は、第190回通常国会の衆参両院の内閣委員会を中心に審議される見通し。ただ、一般法案の審議は4月以降7週間程度しか余裕がなく、成立するかどうかは微妙。成立した場合は、その約半年後に施行され、省令が整備されることになります。

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石原伸晃「3党合意」大臣、順風満帆なリリーフで国会正常化、本予算案審議入り

2016年02月02日 15時10分52秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

[画像]国務大臣の経済に関する発言をする石原伸晃経財相、平成28年2016年2月2日(火)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成28年2016年2月2日(火)衆議院本会議】

 第2次野党期自民党の幹事長を2年間務め、「3党合意」で、衆参ねじれと、東日本大震災の対応に苦慮する民主党の「3党合意」の「テーマ付き大連立」で国難を救った、石原伸晃さんが、まさに順風満帆にアベノミクスの司令塔、経財相として答弁しました。

 これにより、先週金曜日からの空転国会は正常化しました。

 この日の議題は、「国務大臣の経済に関する発言」。

 石原大臣は「経済、財政を担当する国務大臣として発言します」とし「安倍内閣の取り組みは確実にデフレ脱却し、経済再生が進んでいる。名目GDP600兆円を実現するため、3本の矢を新3本の矢として成長と分配の好循環をつくっていく。一億総活躍社会アクションプランの中から緊急に対応する」とし、先週金曜日の日本銀行のマイナス金利については「日銀はマイナス金利を導入したが、物価安定目標年2%を実現することを期待する」と発言しました。

 野党の質問に対して、自民党議員からは「悪口ばっかり!」との野次が飛びました。

【同日 参議院本会議】

 石原伸晃経財相の「国務大臣の発言に関する件 経済に関する発言」がありました。

 これに対して、民主党の相原久美子さん(自治労)から聞き捨てならない質疑がありました。「あなたが育った環境では弱い人の気持ちは分からないのでしょう」。このような育ちによる差別発言が許されていいのでしょうか。非世襲で連続9期。3党合意の恩義がある政治家に対してこの言いざま。やはりに野におけ蓮華草。反省してほしい。

【同日 衆議院予算委員会】

 平成28年度2016年度総予算3案(一般会計、特別会計、政府関係機関)の趣旨説明が行われました。


[画像]平成28年度総予算案を趣旨説明する、麻生太郎財務大臣、2016年2月2日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 ご覧のように、第1委員室でも、麻生財務大臣の背後に、石原経財相、石破地方創生相ということで、答弁しない谷垣幹事長と含めて、3党合意派が第3次与党期でも浮上してきた印象です。石原大臣の方が名実ともに、石破大臣より上という雰囲気のたたずまい。

 麻生太郎財務相が「ODA予算は確保した」などと趣旨説明。坂井学財務副大臣が「財投は16兆円」などと補足説明。高鳥修一内閣府副大臣が「成長と分配を実現する」と発言しました。

【同日 参議院予算委員会】

 「平成28年度総予算3案」の趣旨説明を聞きました。ここ3年ぐらいでしょうか、衆参の委員会は同日に趣旨説明を聞いています。ただ、参・予での基本的質疑まで、1か月間が空くことになります。

 麻生財務相は「歳入では新規発行国債は34・4兆円だ」「歳出では防衛費が5・1兆円だ」などと趣旨説明しました。副大臣の補足説明は、会議録に添付されることになりました。

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