大詰めを迎えた衆議院での予算審議は、このところ定着した1日に詰め込んだ8分科会で午前8時から12時間コース。衆財金委では軽減税率の議論が続きました。
【平成28年2016年2月25日(木)衆議院財務金融委員会】
「平成28年度から32年度までの特例公債法案」(190閣法7号)と「平成28年度税制改正法案」(190閣法16号)の4日目。
自民党の野中厚さんは「蕎麦屋の出前(テイクアウト)など細かい事例が野党のみなさんから出てきた」と牽制しながらも「この委員会での様々な議論で明らかになってきたのではないか」と話し、国会審議の積み重ねが「通達」に該当するという趣旨の発言をしました。
民主党の宮崎岳志さんは、消費税の軽減税率のインボイス導入後に、フリーランス作家と出版社の間のやり取りについて、質疑し、財務相と主税局長の答弁が混乱。統一見解を求めることになりました。
民主党の鈴木克昌さんの質疑の中で、麻生財務相(元総務相)が「地方交付税の交付団体と不交付団体の違いは首長の能力で決まる」という趣旨の誤った答弁をしました。鈴木さんは質疑のなかで、宮崎さんへの答弁と含めて訂正を求めましたが、麻生大臣は強弁を続けました。
丸山穂高さんに対して黒田日銀総裁が「ECB欧州中央銀行もマイナス金利をしている」と答弁したところ、丸山さんは「ECBと日銀は置かれた状況が違う」と切り返しました。
あす午前9時からも審議が続きます。
【同日 衆議院予算委員会分科会】
午前8時から8つの分科会が行われました。これで、採決の前提は、しめくくり質疑を残すのみとなりました。
民主党の経済閣僚経験者は、防衛省局長に対して、先日の一般的質疑で、平成27年度の数字を答弁された項目で、平成28年度予算の数字を言うようただしました。これは中谷防衛大臣が「4858億円です」と答弁。この後、経済閣僚経験者は「一般会計ですか、特別会計ですか」と問いました。ただ、防衛省は発足以来、特別会計は持っていないので、防衛装備費が特別会計というのはあり得ません。具体的に予算の中身に踏み込んだ質疑がほとんど無い中とはいえ、7期生がそのことを知らないのが、日本の国会・経済閣僚の現状だということは分かっていただきたいところです。
国土交通省予算を審議した第8分科会では民主党の緒方林太郎さんが「浪人中にあいさつ回りをしているときに気づいたが、1区画の半分が空き家の場合もある」と指摘し、国交省から「空家法にもとづき、除却する自治体を補助したり、介護・子育て施設にリフォームの費用を助成したりします」という丁寧な答弁を引き出しました。緒方さんの浪人中のあいさつ回りは、NHKニュースウォッチ9でも報じられました。
第8分科会では、地元選出の共産党議員が地元の公共事業の質問をする姿をはじめて見ることになりました。手に取るように分かる地域描写の後、私が知らない江戸時代の歴史をひもときました。そのうえで、公共事業の中止を求めたので、共産党の安定ぶりを感じ、面白い経験でした。
外務省などの審査をした、第3分科会では、自民党2012年初当選2期生が、岸田外相に対して「会長、いや外相、我々宏池会の伝統を踏まえた、岸田外交の哲学をご答弁ください」と訳の分からない質疑をしました。この人の地元の有力支持団体の会員も「あの人はだめ」と言っていたので、この選挙区は民主党にもチャンスがあるように感じました。
【同日 衆議院地方創生に関する特別委員会】
石破国務大臣(地方創生相、特区相)が所信。
「人口減少は静かな有事であり、(地方創生でなく)日本全体をつくりかえる日本創生が必要です」と勇ましい演説。この後、副大臣が予算説明をしました。今国会は、地方創生1法案、特区1法案、地方分権1本が出ます。
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