福田首相が「安倍前首相より1日でも長く在任したい」。
これ、サミットの日程とか、「話し合い解散」などを考えると面白いですね。
民主党が仮に問責決議案を出すとしたら6月15日か、その数日前でしょう。そこで出さなければ、少なくとも今国会での問責はないと思われます。
そうすると、この記事の話はかなり、信憑性がありますね。
イギリスの経済紙、フィナンシャル・タイムズ(FT)から。
↑クリックで「下町の太陽」首位を支えてください!
日本ブログ村「選挙」ランキングで現在1位!<(_ _)>
(1日1クリックお願いします!)福田内閣支持率、さらなる打撃――フィナンシャル・タイムズ(フィナンシャル・タイムズ) - goo ニュース(フィナンシャル・タイムズ 2008年5月1日初出 翻訳gooニュース)
FT東京支局長デビッド・ピリング
噂によると、満身創痍の福田康夫首相は側近に対して、前任の安倍晋三前首相よりはせめて1日でも長く在任したいと話しているそうだ。それはつまり366日は在任し続けるということで、そうすると7月に議長を務める予定のG8洞爺湖サミットは余裕でクリアするし、9月末までは首相でい続けるということになる。
「本人はそれを望んでいる」 政治アナリストで国際政治経済情報誌「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏はこう言う。「けれども、そうはならないかもしれない」
ここ数日の間に、ただでさえ不安定にぐらついていた福田内閣はさらにぐらぐらと不安定さを増した。
先週末には福田氏率いる与党・自民党が、西部・山口県の大事な衆院補選で敗れ、ふだんなら自民党が磐石だったはずの議席を失った。有権者は、6年間の経済成長が自分たちの生活レベル向上に寄与していないことに不満を抱き、相も変わらずの政治に飽き飽きとしていたため、民主党の候補を大佐で当選させたのだ。
今週に入り福田内閣は、さらに人気を一気に下げるかもしれない賭けに打って出た。大事な連休のどまんなかに、ガソリン税の暫定税率を復活させたのだ。これはたとえるなら英国の首相が、12月24日にワインと七面鳥の税金を倍にするようなものだ。
福田氏はこの件について、記者会見を開いた。民主党の介入で4月にいったん期限切れとなったガソリン税の暫定税率を、改めて復活させなければ、歳入に年間2兆6千億円分の穴が空き、道路補修事業などが不可能になる、と首相は説明。しかしその首相でさえ、「国民の皆様お一人お一人が、家計のやり繰りに苦労しているときに、再び負担をお願いするということは、本当に苦しい判断でありました」と認めている。
山口補選と暫定税率のダブルパンチで、ただでさえ下がっている福田首相の支持率はさらに打撃を受けるはずだ。一部の世論調査によると内閣支持率は25%というきわめて不安定なレベルにある。これは安倍政権末期と同じような水準だ。もしも支持率が20%を切ったりしたら、党内からも辞任を求める不満の声が聞こえ始めるかもしれない。専門家たちはこういう。
「福田首相の政治生命はほぼ尽きている」 政治学者で北海道大学の山口二郎教授はこう言う。「7月のサミットが退任の花道になる可能性がとても高い」
福田内閣が本当にこんなに短命で終るのなら、安倍内閣が1年にわたって続けた自崩壊ぶりを再現することになる。短命政権がもし2人続いてしまうと、1990年代の日本のように首相が回転扉のように入れ替わり立ち代りする状態にまた戻ってしまうかもしれない。1990年代日本のこの状態は、2001年に就任した小泉純一郎元首相が6年近く政権を維持したことでようやく終ったのだ。
小泉内閣は、政治的安定の新時代という約束を提示。そこでは政治指導者は高い人気を背景に、自信を持って大胆に行動できるはずだった。しかしその時代は、少なくとも一時的には、終ってしまったかのように見える。しかし、なぜだ?
考えられる理由のひとつは、政治的なものだ。福田氏は日本においてはきわめて珍しい、議会の多数党が両院で分かれているという政治状況を受け継いだ。自民党がより力の強い衆議院を支配するが、参議院は民主党が支配する。このいわゆる「ねじれ現象」は、日本の有権者が選挙ごとにいかに大きく揺れ動いてきたかを表すものだ。日本の有権者は2005年には、小泉氏率いる自民党に歴史的な圧倒的過半数を与えておきながら、2007年には安倍氏率いる同じ自民党に大敗を見舞ったのだ。
一方の野党・民主党は、小沢一郎代表の功名かつ時には理解しにくいリーダーシップの下、昨年7月に得た参院多数をテコに、立法府に大混乱をもたらしている。法案につぐ法案が、民主党にブロックされているのだ。民主党の介入によって、自衛隊のインド洋派遣が(一時的にだが)中止となったし、日本銀行総裁のポストが3週間も空席になったり、またガソリン1リットル25円の暫定税率分の課税を(やはり一時的にだが)ストップさせた。
小沢氏を支持する人たちは、民主党のこうした戦術によって与党は本物の政策論議をせざるを得なくなったと主張する。おかげでたとえば、国の道路工事といった不透明な問題について、あるいは金融政策と財政政策のあるべき関係について、やっと光が当たるようになったのだと。一方で小沢氏を批判する人たちは(民主党内も含めて)、小沢氏は単に議事を妨害してきただけ、ということになる。どちらにしろ、国会が膠着(こうちゃく)する責任の一部は、不幸な福田氏にかぶせられている。
小泉時代の勢いがそがれてしまっているもうひとつの理由は、経済的なものだ。大げさではないが着実な経済成長が6年間続いたにもかかわらず、多くの日本人は(特に大都市以外に住む日本人は)、相変わらず自分たちは虐げられていると感じている。
食料と石油の価格高騰に引っ張られて物価は上昇し始めたが、賃金はまったくほとんど動いていない。所得格差は広がり、自分たちは公平な政党だという自民党の自負を損ねてしまった。中央政府は地方政府の財政をカットし、かつてはふんだんに与えてた公共事業も削減した。福利厚生は減らされ、逆に医療費や年金の支払いは増えた。
日本政治を研究する米コロンビア大学のジェラルド・カーティス教授は、小泉氏が熱狂的な人気を集めたのは、政治家としてのスタイルのおかげで、政策に人気があったわけではないと指摘する。そしてむしろ小泉政権が決定した政策の実際的な影響が、いま実感されているのだ。
小泉氏は国民に、今のこのつらい思いは日本のためになるのだと説得することができた。しかしそうやって国民に政策を受け入れてもらえる、そんな指導者がいないとあっては、一般の人たちは単に自分の生活水準が脅かされているとしか思えないのだ。