【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

民主党は再建する!衆参野党第1党だから「解党(的)出直し」は不要!ガリガリ君を食べて頭を冷やせ!

2013年07月23日 21時25分45秒 | 第47回衆院選2014年12月アベノミクス解散

[民主党、むこう3年間の政党助成金は年77億円を確保、踏みとどまる]

 第23回参院選を受けた政党助成金(政党交付金)の年額の試算を時事通信が報じてくれました。 まあ政党助成法をみて、自分で計算しようと思っていたのですが、助かります(^_^;)

政党助成金の年額は、

自民党 150億円(3.5%増)

公明党 25億円(0.6%増)

民主党 77億円(8.9%減)

みんなの党 20億円(13.3%増)
日本維新の会 29億円(8.8%増)
生活の党7億円(3.5%減) 

社民党4億円(8.6%減)
新党改革1億円(7.4%減)

 となりました。民主党は、77億円ずつ3年間、ということで何とか踏みとどまり、次につながりました。

[細野幹事長が辞任表明]

 8月末の辞任を表明した民主党の細野豪志幹事長は次のように語っており、まったく同感です。

 「民主党の地方基盤の立て直しである。これをずっとやりたいと思っていた。ここは道半ばなのだが、一定の方向が見えてきたと思っているのは中心となるのは衆議院の総支部長だということである。衆院の総支部長のなかで参院選挙の最中で一定の活動ができている人と、それが極めて不十分な総支部長とをはっきり峻別できた。ですから、そこはある意味キャリアに関係なく、地域活動ができている人についてはしっかりとサポートしていく、そうでない人については当然サポートを打ち切る、ここは民主党としてはやっていかなければならないところだと思っている。そこも8月中に一定の目途を立てて引き継ぎたいと思う」

 第47回衆院選で勝つためには、定数475、295小選挙区のうち、200近い総支部長を維持し続けることが大事だと考えます。

[実は8ヶ月間、日常個別訪問をしていない衆院総支部長が大半で、だいたい切るべきだ]

 ところで、2012年12月16日から、2013年7月3日の参院選公示前日までの間で、落選した民主党の衆院総支部長はどれだけ、日常個別訪問をやっていたのか。「全くやっていない」総支部長が実は、大半です。地元では「あの人30歳代なのに、引退したんだね」という噂が民主党支持者間でささやかれ、自民党関係者が積極的に流布していることでしょう。

 衆院議員当選直後に、小沢国対なんか出ないで、党派に限らず「衆議院議員○○○○」の名刺で日常個別訪問をすべきだったのです。ある総支部長は、落選後さすがに日常個別訪問を始めました。勢い余って選挙区外に出て日常個別訪問してしまったのはご愛敬です。目の前で名刺を破られた総支部長は、問答の末、その人が長年投票に行っていないことを突き詰めたようです。時には良いリフレッシュでしょう。しかしなかには、各種団体行事で、よく顔を合わせる市役所部長の自宅をそれと知らずに訪れて普段着姿の部長に驚いたという人もいます。それって偶然でしょうか。別に驚くような話でないですよね、選挙区内なんだから。いかに、現職のころ日常個別訪問していなかったかの証左だと考えます。さらには、ある総支部長は「参院選の結果を見てから日常個別訪問を始める」と平然と語ります。その県では、現職があり得ないほど票を減らしました。悪循環です。

 大和ハウス工業という会社は一時2000人の新卒社員を雇っていました。仕事は、「一戸建てを買いませんか」という飛び込み営業です。当然離職率も高いわけですが、1つめの成約にこぎつけた場合は、涙を流すそうです。不労所得のないサラリーマン総支部長は、 落選後も含めて大和ハウス工業の社員より平均年収が高いはずですが、なぜそこまでやらないのでしょうか。

 実は私が掌握している限り、ほとんど日常個別訪問をやっていません。まずは切るべきです。総支部や後援会が嘆願書を出すのならば、8月中に出さないと、手遅れかも知れませんよ。

[ビッグデータ元年の当ブログの予想「山本太郎は驚き」だがほぼ的中、民主党がビッグデータを購入し、みんな、生活、維新の推薦候補者にアプリを提供して野党の主導権を握るべきだ]

 5月19日付の「ビッグデータが大きく変える選挙戦」というエントリーはあまり注目を浴びませんでしたが、おおかた今回の参院選の方向性を予言していました。とはいえ、東京選挙区の山本太郎候補の当選と日本共産党の躍進は予想以上のものがありました。5月19日のエントリーでも言及しましたが、295小選挙区は、民主党公認だけでなく、みんなの党、日本維新の会、生活の党の現職を中心に推薦を出す選挙区もあるでしょう。

 5月のエントリーでは各党共同でのビッグデータ購入を提案しましたが、「77億円」を確保したこともあり、民主党が単独で購入し、小選挙区推薦予定の、みんなの党、日本維新の会、生活の党所属の議員に提供するアプリを作るべし。党内限定では、電話帳データを基に、可能な範囲内でビックデータも落とし込んだ、「総支部長アプリ」を開発し、すべての民主党総支部長に配布し、日常個別訪問の結果を入力させるべきです。営業成績は毎回の党常任幹事会に報告され、最下位者はキャリア・健康状態など諸事情にかかわらず、切るべきでしょう。というより、「1ヶ月の最終猶予期間」を宣告すべきです。

[候補者の予備選が必要との声、強い県連は英国労働党型で、そうでない県連は英国保守党型で]

 衆院選候補者への予備選が必要との声があります。その通りだと考えます。この候補者に関してときどき、英国の先進的事例について、情報を間違えている人がいます。

 英国保守党は、党本部の公募の成績により、優秀な人ほど、通りやすい選挙区に落下傘で落とす。これが保守党方式。

 英国労働党は、地方組織が公募して、勝てる候補者を選ぶ。これが労働党方式です。

 これに関して、日本の民主党で言えば、地域によるでしょう。

 例えば地域組織が強い、例えば愛知県連ならば、労働党方式で、県連あるいは総支部が「勝てる候補」を選ぶことになるでしょう。

 逆に、例えば地域組織が弱い、例えば富山県ならば、党本部に対して優秀な候補者を派遣するよう依頼すべきでしょう。ただし、当然にして、労働党方式で候補者を作った総支部の党員の方が、与党復帰後に国政への声が強くなるのは当然です。もちろん、みんなの党、維新の会、生活の党の現職を推薦してほしいという総支部の決定も当然あり。

 また、後援会について、民主党でもある程度私有財産だという認識も持ち、将来的には、後援会の決議によって、同じ名字の候補者への世襲を決定した場合は、総支部、県連、党本部も従っていいでしょう。そのためにも、後援会を楽しく作り上げていけばいいのです。 


[国会闘争への回帰を、「声なき声を聞く力」]

 海江田代表・細野幹事長は「再び、地域から。」と称して全国行脚に明け暮れました。海江田代表は「週末に地方出張しているのに新聞が書いてくれない」とぼやきました。しかし、どんなに大きな広告代理店、大きなインターネット業者よりも、国会に勝る媒体はありません。

 参院民主党では、改選議員のほとんどは、本会議と常任委員長職だけで、全国を回りました。ただ、NHK入り予算委員会、本会議には「卒業試験」をかねて登板するのですが、ふだん国会にいないだけに、かえって持ち味を発揮できなかったようです。こういった参院会派「輿石東学級」の運営は戦略的には正しいでしょうが、ちょっと行き過ぎでした。

 その間に、衆院では民主党筆頭理事が各委員会で法案修正をリードしました。ねじれ解消で「自公【民】維み5党修正路線」は終わります。ただ、秋の臨時国会、規制改革のなかでも雇用に関する規制緩和についてリアルタイムのチェックが必須。一方、農業・医療の規制改革が不十分なら民主党政権復帰後にすぐにできるよう法案を、各種団体に隠しながらも備えておく必要があります。衆院総支部長は「説明力」をもたないといけないし、党本部もそれをサポートし、現職議員の猛者たちも、総支部長が説明できるかどうかを考えて、国会で仕事をしてほしいと考えます。

 2015年4月の第18回統一地方選に関しては、県議選では現職必勝、市区町村議会議員選挙では手を挙げた人はどんどん公認・推薦するという姿勢が大事でしょう。公明党は「小さな声を聞く力」と訴えましたが、民主党はツィッターに何を書いたらいいか思案する、という大多数の日本人も含めて「声なき声を聞き、ある程度想像して世論をとらえる力」を持つべきなのです。そして、各総支部の党員が各総支部の候補者をつくって闘っていく。党本部では、2015年9月末までには必ずある民主党代表選(ネクスト総理選挙)では、「勝てる総理」を選び、党員以外の国民と「ともに総理大臣を作っていく」。それでだめなら、だめだとあきらめがつくくらいに、後悔しない3年間をともに歩んでまいりましょう。

 衆参とも野党第1党、とくに参院では圧倒的に野党第1党なのになぜ「解党(的)出直し」が必要なのでしょうか。

 連合事務局長談話も「今後の国会では野党第一党としての役割を果たし、引き続き生活者、働く者の代弁者として自民党に対峙していくことが求められている」としており、全く同感です。

 野党第1党が解党しても、ろくな事がありません。そもそも、リーマン・ショック、大震災、インターネット、グローバリゼーションという歴史の大転換期、ジェットコースターの中にあるという歴史認識があれば、解党的出直ししている暇すらないのです。

 日本の夏。ガリガリ君(赤城乳業)を食べて、頭を冷やせ!

連合ホームページから引用はじめ]

 

2013年7月22日

第23回参議院選挙結果についての談話

 

日本労働組合総連合会
事務局長 南雲 弘行
 第23回参議院選挙の投開票が昨日行われた。その結果、自民党が65議席を獲得し、公明党とあわせると参議院において過半数を大きく超える議席を獲得し、衆議院でも3分の2を超す議席を有する、巨大な与党が誕生した。与党は、国会で強大な権力を持つこととなったが、国民の声、働く者の声に謙虚に耳を傾けて政策を前に進めていくことを期待する。

 

 一方、乱立する野党は、どの政党も大きく議席を伸ばすことはできなかった。これまで参議院の第一党であった民主党は、惨敗を喫し17議席を確保するにとどまり、非改選議席と合わせても59議席へと落ち込んだ。昨年末の総選挙から6ヶ月あまり、民主党は党再生を進めるとともに、選挙戦では人を大事にする政治を掲げて闘った。しかし、国民の信頼を回復するには至らず、誠に残念な結果となった。
 民主党は、今回の結果を真摯に受け止め、改めて党再生と信頼回復に全力で取り組まなければならない。また、今後の国会では野党第一党としての役割を果たし、引き続き生活者、働く者の代弁者として自民党に対峙していくことが求められている。

 

 今回の参議院選挙で、国民は安倍政権に大きな権力を与えた。しかし、政策はあくまでも国会での与野党による真摯な議論の上に進められなければならず、与党の暴走はゆるされない。
 安倍政権が進めようとしている三本の矢によるアベノミクスは大きなリスクを抱えている。また、これから検討が再開されることになる労働者保護規制の緩和は問題である。今、優先されなければならないのは国民生活の底上げをはかる政策である。超少子高齢化が急速に進む中にあって、全世代支援型の社会保障制度の確立も待ったなしの課題である。

 

 連合は、比例代表選挙で9人の組織内候補を擁立し、組織を挙げて闘いを進めたが6人の当選にとどまった。9人の候補者名での得票数は160万票余りで前回の159万票からは微増したが、十分な結果を出すことができなかったことは残念である。困難な状況の中で、選挙戦にご尽力いただいた構成組織・地方連合会の役職員、組合員と家族、退職者を含めたすべての関係者のみなさまに心から感謝申し上げる。
 連合は、今後とも、「働くことを軸とする安心社会」を実現すべく、働く者の代表として雇用不安・生活不安の解消と格差社会の是正を求め、政策・制度実現に全力で取り組んで行く。

[引用終わり]


  



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