【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

自民党総裁選大乱立(爆笑)

2008年09月05日 20時26分13秒 | その他


 自民党総裁選は7人が立候補を表明・意欲を示しました。

 麻生太郎幹事長(麻生派) 各派と公明党浜四津代表代行が支持表明
 石破茂前防衛相(平成研) 平成研幹部が支持
 与謝野馨経財相(無派閥) 中曽根元首相元秘書、清和会の森元首相支持
 小池百合子元防衛相(清和会) 清和会の一部(上げ潮派)が擁立意向
 石原伸晃元国交相(山崎派) 中堅が支持
 山本一太前外務副大臣(清和会) 河野太郎さんら中堅・若手が支持
 棚橋泰文元内閣府特命相(平成研) 親子2代の通産官僚(父は元次官)

 ◇ 

 自民党総裁選が“百花繚乱”ではなく、大乱立状態となりつつあります。このまま行けば自民党が分裂状態になるか、疲れ果てて総選挙を戦えない議員が相次ぎそうです。

 以前のブログにも書きましたが、福沢諭吉が、欧州見聞でロンドンで見た光景を振り返っています。

 党派には保守党と自由党と徒党のようなものがあって、双方負けず劣らず鎬(しのぎ)を削って争っているという。
 何のことだ、太平無事の天下に政治上の喧嘩をしているという。さあ分からない。こりゃ大変なことだ。(略)
 あの人とこの人とは敵だなどと言って、同じテーブルで酒を飲んで、メシを食っている。少しも分からない。(略)
 その謂われ因縁が少しずつ分かるようになってきて、(略)それが今度の洋行の利益でした。


『福澤諭吉著作集』第12巻164頁から抜粋、現代仮名遣いに改めました)

 と諭吉さんがびっくりしたように、保守党員は「自由党の連中は~~」と批判し、自由党員は「保守党の連中は~~」とお互いを批判する。このように議会政治の父である英国の二大政党は、お互いを敵に見立てた相対的な概念です。

 米国の共和党と民主党もしかり。きょうの午前11時過ぎ(日本時刻)、ジョン・マケイン上院議員が大統領候補指名受諾演説をしましたが、「私にはその経験がありますが、オバマさんにはその経験がありません」という文言で経験の豊富さを強調しました。ところが、このスピーチはあまり聴衆から反応がない。「USA!USA!USA!」というものすごい歓声で迎えた共和党員にとって、「米国=共和党」というのは、絶対的な概念なのでしょう。そこで、「オバマさん」と言われてもあまり興味がない。マケインは、二大政党を相対化している有権者に向けてTVで語りかけている以上、オバマ民主党との対立軸を示す必要があったわけで、そういう意味では今日のマケインの演説は良く出来ていたと思います。

 ほぼ同時刻、米国でNFL(アメフト)が開幕しました。アメリカって楽しいですね。

 米民主党は開幕直前のNFL「デンバー・ブロンコス」7万人収容のスタジアムでオバマの大統領候補指名受諾演説をしました。これは私が知っている選挙戦術としては、「落選フラグ」が付くと思います。7万人を集めたことに酔いしれた党員たちが本選挙での準備を怠る可能性があるからです。

 「オバマだけじゃないわよ、(前座の)スティービー・ワンダーにも注目してね!」とカメラに絶叫する民主党員。オバマが登場し、「サンキュー、サンキュー、サンキュー・ヴェリー・マッチ、エヴリワン」と何度手で制しても、オバマの話を聞こうとしなかった7万人の民主党員。それに対して、マケインを「USA!」コールで迎え、話し始めると静寂になった1万人(?)の共和党員。

 恥を恐れずにかけば、大接戦には変わりありませんが、11月4日に勝つのはマケインではないかと感じています。

 話を日本に戻すと、衆院選で人口40万人のところ、「1万1000人総決起集会」を開いて落選した議員が新潟にいました。

 自民党総裁選で、4人超出馬表明したのは過去最多だと思います。参院議員が出馬表明したのも例がないでしょう。

 自民党国会議員は徹底的にショーとして盛り上げてほしいですね。オリンピックに負けないくらいに。麻生候補を含めて誰が勝つか分からない状態になってきました。手を抜かずに徹底的にやれっ!って感じです。22日の投開票までどうなるか分からないのですから、地元に帰っている時間などありません!

 付けくわえるならば、22日までに災害や安全保障上の危機がないことを祈るばかりです。 

おかげさまでベスト10を維持しています。
政権交代=二大政党制」で「今日よりも良い日本へ!」と思う方は・・・
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総裁選は乱立模様、棚橋氏・山本一氏・石破氏も推薦人集めへ(読売新聞) - goo ニュース

 福田首相の後継を選ぶ自民党総裁選(10日告示、22日投開票)で、自民党の中堅・若手議員が独自候補を擁立する動きを活発化させた。

 既に立候補を確実にしている麻生太郎幹事長(67)(麻生派)ら4氏に続く「第5の候補」を目指し、棚橋泰文・元科学技術相(45)(津島派)、山本一太外務副大臣(50)(町村派)が推薦人集めを始めた。立候補に必要な国会議員20人の推薦人確保が焦点だが、総裁選は乱立模様になっている。

 棚橋氏が会長の「改革加速議員連盟」や、山本氏が参加する「プロジェクト日本復活」、当選1回の衆院議員有志で作る「国民本位の政治を実現する会」(代表・平将明衆院議員)などは、小泉元首相の構造改革路線の継承を訴えている。「世代交代」の思惑もある。

 山本氏は5日午前、党本部で記者会見し、「日本の将来を作るため、マニフェストを掲げ、総裁選に出馬を目指したい」と述べた。歴代首相は衆院議員が就いており、参院議員の山本氏が総裁選に名乗りを上げるのは極めて異例だ。

 棚橋氏は5日午前、改革加速議連の会合で、「若い世代の代表として、総裁候補として戦えるように力を貸してほしい」と語り、出馬の意向を改めて示した。

 ベテラン、若手入り乱れて出馬を目指す動きが出ているのは、次期衆院選に対する危機感から、「総裁選が麻生氏の独走となれば、党勢回復はおぼつかない」という考え方が強まったからだ。かつては、派閥 領袖 ( りょうしゅう ) を総裁候補とし、派閥単位の締め付けが行われ、出馬して敗れれば「主流派から干される」懸念もあった。今回は、そうした懸念が薄れ、「気楽に」(関係者)名乗りをあげられるようになった側面があり、次期衆院選に向け、「自分の名前を売るための出馬」が相次いだとの見方もある。

 衆院当選1回の議員の一人は「出たい人が多くて困っている。『プロジェクト日本復活』『国民本位の政治を実現する会』『改革加速議連』の三つが一緒になれば、20人になるが……」と指摘した。

 一方、津島派では、当選1~4回の中堅・若手議員は5日午前、国会内に集まり、石破茂・前防衛相(51)の擁立を目指すことを決めた。同派以外からも推薦人を募る。石破氏は「推薦人が20人そろえば立候補したい。憲法や外交・安全保障の議論もできればいい」と記者団に語った。

 総裁選では、麻生氏のほか、小池百合子・元防衛相(56)(町村派)、与謝野馨経済財政相(70)(無派閥)、石原伸晃・元政調会長(51)(山崎派)が出馬を予定している。



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