【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

連合復調の兆し、産別候補は全員10万票超えで8人当選、前回より2人増 トップはあの・・・ 第24回参院選

2016年07月11日 16時57分00秒 | 第24回参院選(2016年7月)

 第24回参院選では、連合、日本労働組合総連合会に加盟する、産別、産業別労働組合組織内候補が健闘しました。

 史上最多の12名大量擁立でのぞんだ連合。3年前は6名の当選にとどまりましたが、今回は8名が当選と復調。惜敗した候補も含めて全員が10万票を超えました。労働運動の底力を見せつけました。

 民進党内でのトップ当選は小林正夫さんで3選。27万0285票。小林さんは3年前の予算委で小林の思いを発表。

 「福島第一原子力発電所の事故でございます。この事故について言葉が見付かりません。日々、胸が痛む日が続いているということが正直なところでございます。被害に遭われた方たちが一日も早く元の生活に復帰できること、そして福一の原子力事故、あの現場が一日も早く完全収束になる、このことを私は期待をし、また今後そういう過程を見守っていきたい」と語りました。

 電力総連組織内、さらに、東京電力労組組織内議員のトップ当選は、3・11後初めて。笹森・第4代連合会長逝去後でもはじめてになります。

 自動車総連・全トヨタ労連組織内の、濱口誠さんが26万6623票で初当選。2位か~(笑)という感じもしますが、24年間議席を守った直嶋さんの後継者として、組織内外での活躍が期待されます。

 参・国対委員長をつとめる現職の後継者である、電機連合・矢田稚子(やた・わかこ)さんは21万5823票。電機連合としては上位当選。おそらく女性は初めてではないでしょうか。電機連合組織内は、出身企業が不振だと、参議院事務所内まで暗くなるところがあります。矢田さんはパナソニック労組ということで、前の連合会長のところになります。

 ここで、一つお願いしたいのは、矢田さんはおそらく同盟系では初めての女性ではないでしょうか。今回非改選の連合組織内議員のうち、総評系は3名とも女性(総評3人娘)なんですね。ぜひ、同盟系も組織の力で、女性の候補者を増やしてほしいと思います。

 川合孝典が19万6023票で国政復帰。いうまでもなく、JAゼンセンの役割は増すばかり。川合さんも、3年前までにやった、小沢さんを応援する会(笑)ではなく、ゼンセンにとどまらずすべての非正規労働者を応援する団長となっていただきたい。

 難波奨二さんが19万1823票。JP労組合併の効果がどうなっているのかは正直知りませんが、局長会に負けずに、難波さん2期目もがんばっていただきたい。

 江崎孝さんが18万4187票で2選。ちょっと順位は意外ですが、しっかりと自治労まとめてきたなという印象です。

 那谷屋正義さんが17万6683票で3選。日教組は、選挙区では、兵庫県で県教組組織内現職が落選。愛知県ではしっかりと議席を確保し、山梨県では後継者となる社会福祉法人理事長が粘り強く勝っています。

 石橋通宏さん17万1486票で再選。情報労連は、全逓がJP労組となり、総数はやや減りましたが、確実に取り続ける、優等生。

 非産別3名とあわせて、11名が比例で当選しました。

 JR総連現職、JAM新人、基幹労連元職、私鉄総連新人は、3万票前後足りませんでした。ただ、JAMと基幹労連はこれまでのように一緒ならば単純計算で当選ですし、無理な話ですが、JR総連とJR連合が一緒にやれば当選でしょう。私鉄総連も、JR系や都市交系となんらかの協力ができれば、通ったのではないでしょうか。やはり、労働運動はすべて団結から始まるとの私の信念を強くする結果となりました。

 ゼンセンが伸びているのは希望だし、小林さんのトップ当選はなんかうれしい。全トヨタ労連が2位となると、日産労連・ホンダ労組はどう思うのか、仲良く。総評系がじりじり下がっているところも気になりますが、票読みはしっかりしている気がします。

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