【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

衆議院憲法審査会は「フランス・アイルランド・フィンランド」で緊急事態条項と同性婚、前回は「ウクライナ等」

2023年07月10日 06時53分06秒 | 国際
[写真]国会議事堂、4年前の2019年、宮崎信行撮影。

 衆議院憲法審査会の森英介会長(自民)、新藤義孝・自民党筆頭幹事、中川正春・立憲民主党筆頭幹事、公明党の浜地雅一さん、衆院会派「有志の会」の北神圭朗さんの5名がきのう令和5年2023年7月9日から19日にかけて海外視察。

 フランス・アイルランド・フィンランドを訪問。緊急事態条項と、アイルランドでは「同性婚を認めた改憲」について視察する予定です。

 前回の視察は、3年半前、令和2年2020年2月で、ドイツ、ウクライナ、リトアニア、エストニアを訪問。きょねんからウクライナが世界で最も注目される国となりました。これを受けて、きょねん、公明党の北側一雄さんが、ウクライナ憲法の緊急事態条項を、国際報道ではゼレンスキー大統領ばかりだが、同国ホームページで連日更新される戦禍のキーウの国会審議を、グーグル日本語翻訳で読むよう促しました。数週間、超党派で議会人としての感動に包まれました。しかし、立憲民主党の中川正春さんが「憲法とは、日本がウクライナにならないようにするための安全保障ではなく、国内にプーチン・ロシア大統領が生まれないようにする立憲主義が先だ」と的確な指摘。参院選前に「ウクライナ国会熱」は冷めました。

 ところで、フランス憲法について、筆者のずっと気になっていた私見を述べたいと思います。

 フランス憲法第36条。フランス共和国政府ウェブサイトでは、

 「L'état de siège est décrété en Conseil des ministres. Sa prorogation au-delà de douze jours ne peut être autorisée que par le Parlement.」

 となっています。日本語に訳すと、「戒厳令は閣議によって布告される。12日間経過後の戒厳令延長は国民議会のみが許可することができる」となります。

 「12日間経過後」と期限があります。自民党の憲法改正草案(現在は未提出)の緊急事態条項には期限がありません。フランス革命の「私有財産の恒久的・絶対性」は見直し規定こそついていますが世界の民法の基本です。「利息で食べている」工場経営者や資本家からすれば、自民党議員が期限の概念を持っていないのは、検察官が拘留期限で利息の概念を持たずに決定していること同様にありえない話です。

 新藤筆頭幹事は埼玉県川口市内の地代収入がとても多いので、これを機に、自民党憲法改正草案では緊急事態条項に必ず期限の概念を取り込むようにしていただきたいものです。

 以上です。


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