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[写真]玉木雄一郎さんと岡田克也さん、ことし2019年10月、宮崎信行撮影。
年金支給開始年齢のの繰り下げ選択制を導入するなどの年金改正法案が、来年2020年の「第201回通常国会」の最大のテーマになることが濃厚となりました。
●2004年、2012年に続き、2020年は年金抜本改正が大きなテーマに
政府は、2020年2月下旬ごろに、「全世代型社会保障のための、年金制度包括改正法案」(筆者がつけた想定タイトル、第201閣法 号)を提出するはこびと考えられます。
我が国では、2004年(マクロ経済スライド)、2012年(加入期間10年に短縮)と8年ごとに年金の抜本改正法が成立してきており、次回は、来年2020年です。
●全世代型社会保障の今月末の中間報告の野党置き去りは容認
政府は、官邸・内閣官房においた、「全世代型社会保障検討会議」が「中間報告」を今月策定。この中間報告から、65歳以上70歳未満で働いて納付した保険料の分だけ、翌年分や70歳以降の老齢年金をアップする制度など「人生100年時代」を見すえた、給付削減などを盛り込む法案を作成するもよう。医療保険の改正法案は先送りされる公算。
今月末の決定に向けて、野党を完全無視して議論が進むことについて、国民民主党の玉木雄一郎代表と任意政治団体「無所属フォーラム」の岡田克也代表は、各々の先週の定例記者会見で、野党置き去りを問題視せず、包括的なパッケージ法案の提出を待ち構える姿勢を示しました。
●岡田さんは「人生前半の社会保障」のパッケージ化を求める
岡田克也さんは、先週金曜日(2019年12月6日)の記者会見で「年金の法案が来年の通常国会の大きなテーマになることは間違いない」と断言。岡田さんは「全世代型社会保障といっても竜頭蛇尾。中身が(高齢者の年金給付抑制に)限定されている」とし、2012年に民主党政権が提起した「人生前半の社会保障」も検討するよう迫りました。
●玉木さんは、所得税額のシミュレーションの提出を求める
玉木さんは先週水曜日(2019年12月4日)の記者会見で「ある程度余裕のある高齢者の皆さんにご負担をいただくという方向性は理解はできます」としながらも、「全体のパッケージでそれを示していただかないとなかなか判断もできないし、国民も当惑するのではないか」と政府を牽制。そのうえで「もし余裕のある高齢者がいらっしゃるのであれば、所得税の累進を高めるとか(略)全体像を税も社会保障も示して、その中で議論すべきだ」と語りました。玉木さんが指摘した所得税負担については財務省の所管で、過去(2004年、2012年)の年金制度の抜本改正法では、厚生労働省は説明資料や答弁で、社会保険料の負担額と年金の受給額のシミュレーションを示しましたが、財務省が所得税の負担額に関するシミュレーションを答弁したり、法案提出時に説明資料をつくったりしたことはなかったと思います。霞が関掌握に優れた安倍晋三首相が官邸に会議体をおいたことの真価が問われます。
今世紀の年金抜本改正法は、2004年は会期末大混乱で野党参院選勝利、2012年は与党内小沢一郎グループ「国民の生活が第一」離党と、大政局になりました。安倍一強自民党政権で、2015年の平和安全法制・労働者派遣法のダブル改正後は大きな改正法案はありませんでしたが、久しぶりの大型改正法案になりそうです。
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