【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岸田首相、飼い犬に手を噛まれそう、広島サミット「核軍縮ビジョン」レガシー覆されるか、松井市長が平和宣言で「核抑止は破綻している」と核廃絶を語るもよう

2023年08月06日 04時14分17秒 | 自民党
 G7広島サミットの「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」(2023年5月19日)で、核廃絶ではなく、核抑止論を肯定するという真逆な内容が含まれて失望を買ったことを受けて、この後数時間後に開かれる広島平和祈念式典で、松井一実広島市長が「核抑止論は破綻している」と平和宣言するようです。

 一部報道で分かりました。平和宣言を松井市長のスピーチ開始後の「縛り」つきで既に見た記者が、極めてニュース性が高いと判断して、さわりだけ事前に報じたと考えられます。

 松井市長は4月の統一地方選で「相対得票率80・0%」と圧勝して4期目に入った70歳。当初から、地元選出の岸田文雄首相の「自民党広島県連」の支持を受けていますが、80%の得票率の強い政治基盤から発言に踏み切ると考えられます。

 きょねんの松井市長の平和宣言では「為政者が核抑止力に依存することなく、対話を通じた外交政策を目指すことを後押しします」としています。踏み込んだ内容になります。

 一方、広島ビジョンでは「我々は、北朝鮮に対し、核実験又は弾道ミサイル技術を使用する発射を含め、不安定化をもたらす、又は挑発的ないかなるその他の行動をも自制するよう求める。北朝鮮は、NPTの下で核兵器国の地位を有することはできず、有することは決してない」と書き出すなど、アメリカ・イギリス・フランスが主導するNPT=核拡散防止体制による「核抑止」を認め延長する決意に読めます。核廃絶を求める立場とは真逆だと失望を買いました。

 このたま、広島1区の岸田首相の「レガシー」がわずか100日後に、広島市長によって覆されかねない弱り目に祟り目となるかもしれません。

 以上です。