【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岸田内閣・細田議長不信任決議案否決、立憲「経済無為無策の岸田政権を継続させず物価高と戦う」と一致団結、維新は「茶番につきあわず参院選で政策論争」と国会軽視、野党第一党を争う両党の違い鮮明

2022年06月09日 17時48分37秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 「岸田内閣不信任決議案」と「細田博之衆議院議長不信任決議案」が同時に審議され、否決されました。提出者の立憲民主党は不信任(賛成)に投票し、日本維新の会は、「退席」と「信任(反対)」に投じました。

 不信任決議案は、「理由を付けてもいい」ということになっています。立憲民主党は議長は「10増10減のゲリマンダーならぬ細マンダーとセクハラについて説明しないから」、岸田内閣は「ガソリン対策以外は不十分な補正予算などの経済の無為無策から、物価高から国民を守る政治に切り替えるため」の不信任だと説明。

 維新は「会期末の茶番だ。私たちは参院選で正々堂々と政策論争をする」と討論しましたが、衆議院議長のセクハラが、参院選でどうやって論争するのは語らずじまい。

 第26回参院選は、比例で野党第一党になるのが立憲か維新かが最大の焦点のやや不毛な戦いですが、第208回国会での論戦のまとまりぶりは立憲に一日の長がありました。

 本会議は午後5時10分すぐに散会。きょう木曜日は参議院委員会の定例日で、内閣提出法案が7本残ったまま、審議が再開されます。

【衆議院本会議 きょう令和4年2022年6月9日(木)】
 コロナ感染対策のため、採決以外は、奇数の議席番号の間引き出席でお粉まれました。
 「細田議長不信任案」は、立憲民主党の岡本あきこ執行委員(ジェンダー平等本部長代行)が趣旨弁明。「立法府を代表する立場にありながら、民主主義の根幹たる一票の格差是正の意義を理解していない。きょねん11月30日に、高木毅国対委員長に対して、10増10減の縮小を含めた見直しを提案した。(恣意的な小選挙区区割りを意味する米語である)ゲリマンダーならぬ細マンダーだ」と述べました。

 討論では、立憲の吉田はるみさんが「自民党の女性職員は、さわられたぐらいでいちいち騒いで、話の通じない女だ、ぐらいのことを言われているのでしょうか」と声なき声を案じました。

 維新は、もともと日本新党東京都連の出身で小沢一郎グループから維新に入った山本剛正さんが登壇。「維新を代表して討論します。保留します」とし、参院選の政策論争で結果を出すと持論を展開しました。

 採決の結果、投票総数395、賛成105、反対288で否決されました。

 岸田内閣不信任案は、泉健太代表が趣旨弁明。理由は「補正予算における無為無策ぶり」「岸田インフレ、黒田円安が起きている」としました。参院選を前に「まず立憲民主党に所属する議員は、姿勢を明確にします。物価高と戦います」とし「どうせ否決されるのだからパフォーマンスだ、結果が分かっているのに無駄だ、こういった揶揄がどんだけ恐ろしいことであるかを議員は認識すべきです」「物価高と戦い、国民生活と日本経済を発展させていくために、岸田内閣を継続させてはいけない」と主張しました。

 採決は、投票総数452、賛成106、反対346で否決されました。

 この後、小野寺五典・情報審査会長の年次報告。

 そして、「自賠責法及び特別会計法を改正する法律」(208閣法36号参議院先議)が共産・有志の会・れいわ反対、自民・公明・立憲・維新・国民の賛成多数で可決し、成立しました。内閣提出法案のすべてが衆議院では可決したことになります。

【参議院第1種常任委員会】
 午前10時の設定でしたが、内閣不信任案のため、開会が大幅に遅れました。
 予想されている議題は次の通りです。
●内閣委員会は「こども家庭庁設置法案」(208閣法38号・208閣法39号)と「こども基本法案」(208衆法25号)で対総理質疑が予定。その後、採決の公算。
●法務委員会は「刑法改正案」(208閣法57号衆議院修正・208閣法58号)。
●総務委員会は「電気通信事業法改正案」(208閣法48号)。
●国土交通委員会は「建築物省エネ法改正案」(208閣法61号)。
●文教科学委員会は、衆法1本。
●厚生労働委員会は衆法2本。
●環境委員会は法案が来ていないので、おそらく一般質疑。
 が予定されていますが、午後5時45分の時点では、開会されていません。

【追記 18時半】

 18時半までに参議院第1種常任委員会の開催はすべて取りやめとなりました。

 今期で引退する難波奨二国対委員長(JP)が自民党協議し、こども庁は火曜日の委員会で通貨させるようです。この場合は、AV新法案(208衆法43号)がどうなるかが注目点となります。なお、7月10日投票となるためには、国会法で、2日間の小幅延長をしても公示日・投票日が動かないと思います。きちんと調べていませんが、15日(水)ではなく、17日(金)まで延長しても、第26回参院選の日程は変わらないはずです。なので、与党としては100%成立も可能です。何らかのやり方で、旧・立憲結党の5人ほどの功労者の一人である難波さんに花を持たせようとの配慮があるかもしれませんが、たぶんないでしょう。【追記終わり】

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衆議院本会議は4時間半超か、岸田内閣不信任決議案の結果は午後5時過ぎに

2022年06月09日 13時02分33秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 午後1時から始まった衆議院本会議の所要時間は、4時間半前後から5時間以内となりそうです。

 岸田内閣不信任決議案の結果が出るのは、午後5時を過ぎて、5時半までにはでそうです。

 参議院の委員会はその時間まで、開会できないと思われます。

 以上です。