[画像]2016年体制では珍しく、政府原案の衆院修正部分を、説明する野党・民進党の緒方林太郎衆議院議員、2017年4月20日、参議院内閣委員会、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
春の園遊会ということで、国会議員(大臣、委員長含む)の3分の1以上が赤坂御用地に行きましたので、昼過ぎにすべて散会しました。夕方から再開する時もありますが、今年は残業は少な目で、連休に向かいます。
【参議院内閣委員会 平成29年2017年4月20日(木)】
●久しぶり3党合意修正でビッグデータに歯止め。
「医療ビッグデータ法案」(193閣法53号衆修正)が審議入り。石原社会保障と税の一体改革担当大臣が趣旨説明。この後、衆議院での修正部分について、野党・民進党の緒方林太郎衆議院議員が説明しました。「医療分野での研究開発に資する分野に限ることを明確にした」などとしました。質疑は後日で散会しました。ビッグデータに関しては、自民党の平井卓也さんのチームが会期ごとに改正を続けてきたので、多少ブレーキがかかったのはよかったと考えます。「3党合意修正ブーム」は、震災後の2011年、政権交代直後の2013年など、時々来ますが、2016年体制では、2度目くらいだと思います。
【参議院厚生労働委員会】
●塩崎厚労相が異例の「趣旨説明のやり直し」「省としておわび」、正常化。
法案審査の途中で前回終わりましたが、きょうは一般質疑のみ。
この後、塩崎厚労相が異例の「「精神保健福祉法改正案」(193閣法34号参先議)」の「趣旨説明やり直し」と「謝罪」をしました。
経緯は、審議中だった「精神保健福祉法改正案」(193閣法34号参先議)について、相模原やまゆり園事件を受けた法改正だとした趣旨のペーパーを、厚労省が途中で差し替え。団体からやまゆり園事件を口実にした人権侵害部分がある、という趣旨の突き上げがあったようです。野党は「途中で概要を差し替えられたら審議ができない」と反発。
きょうの委員会での「趣旨説明のやり直し」で、塩崎大臣は、「この3項目目についてですが・・・」と語調を変え、「退院後の支援計画の策定にあたる精神障害者支援地域協議会には、本人や家族が参加できれば参加して、個別の計画をつくることになる」「犯罪を防止することが主眼ではなく、医療を推進することで犯罪を防止することが狙いなので、健康の維持と人権は守られることになり、趣旨に違いは無い。とはいえ、ペーパーの途中差し替えは誤解を招いた。引き続きご審議をお願いしたい。重ねてお詫びして、省として深く反省します」と語りました。
野党はこの大臣の趣旨説明のやり直しに納得し、理事会で、次回から法案審査を再開することに同意し、正常化へ。
【参議院法務委員会】
一般質疑の後、「民法債権編(債権法)改正案」(189閣法63号及び64号)が趣旨説明され、次回から審議することになりました。
金田法相は「短期消滅時効の特例の廃止、事業融資の意思確認の厳格化、定型約款の法制化」の三点を挙げました。
【参議院経済産業委員会】
電力総連・東京電力労働組合組織内の小林正夫さんが委員長です。きょうから、廃炉積立金法案の審議の予定でしたが、野党側が、政務官人事をめぐる混乱について、説明を要求。与党側が拒否したため、委員会は取り止めとなりました。積立金法案は東電にとって不利な内容の法案です。
【参議院国土交通委員会】
「都市公園法改正案」(193閣法24号)が趣旨説明されました。
【参議院環境委員会】
「土壌汚染対策法改正案」(193閣法43号)が趣旨説明されました。
【参議院外交防衛委員会】
「1994年ガット貿易協定の修正および訂正の確認書」(193条約4号)、「万国郵便連合IPU条約の追加議定書」(193条約9号)、「郵便送金業務の約定」(193条約10号)が、各々採決され、各々全会一致で、「承認すべし」。どうでもいいことですが、宇都隆史委員長は火曜日は「約定」を「やくてい」と読みましたが、きょうは「やくじょう」と読んでいました。日本語は難しくて排他的な言語だと再認識しました。
【衆議院総務委員会】
「地方公務員法改正案」(193閣法51号参先議)が審議入りしました。
【衆議院農林水産委員会】
「土地改良法改正案」(193閣法28号)。
共産党と仲里利信委員(沖縄4区)、すなわち「翁長党」が修正案を出しました。修正案は「農地バンクが貸し出す前に土地改良をするにしても、もともと農業地として不利な地域では効果が薄いのではないか」としました。
採決では、政府原案は、自公民の賛成多数で可決しました。農地バンクが借り手が見つかる前に、土地改良に予算を使い過ぎないようにしてほしいものです。
【衆議院憲法審査会】
国と地方の在り方について、元都庁職員の佐々木教授らに話を聞きました。
【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会】
まず、竹本直一委員長が、
「平成三十一年六月一日から同月十日までの間に任期が満了することとなる地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙により選出される議会の議員及び長の任期の特例に関する法律案」(192衆法13号)
が、発議者全員から撤回の申し出があったとはかり、全会一致で撤回が認められ、廃案となりました。
この後、自民党の谷公一さんらが自公民維4会派が、「阪神淡路大震災被災自治体で、平成31年6月1日から10日までに任期満了となる地方議会の任期を2か月間放棄できる特例法案」(193衆法おそらく14号)を提案しました。採決の結果、共産党が反対し、自公民維が賛成して可決すべしと決まりました。次回の本会議で委員長が提出し可決し、参に送られ、今国会中に成立へ。
[画像]谷公一・自民党衆議院議員、2017年4月20日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
2019年4月の第19回統一地方選で、その24年前の阪神淡路大震災で任期が2か月間延長された地方議会の任期を、議会の5分の4以上の同意があれば、2か月間放棄し、2019年4月の任期満了・選挙とすることができる特例です。
この「地方議員2か月間任期延長」をめぐっては、当事者を何人も知っていますが、たしかに歳費等は総計200万円は減るでしょうから、大きな金額でしょうが、「現代の武士」を自任する筆者・宮崎信行としては、地方議員の志の低さには呆れ果てるばかりです。今回の特例法を活用して、日本中の地方議会の任期満了を、4年に1回に統一させてほしいところです。議員のみならず、選挙会社、ウグイス嬢といろいろいますが、現代の武士としては、残り任期分の歳費をやっていいから、スケジュールの統一で、シンプルな民主政治をめざしたいところです。地方議員よ、いい加減にしろ。
何度も書いていますが、同時に5年前の後継。5年前の今頃は、衆議院社会保障と税の一体改革特別委員長に中野寛成先生が内定したころですが、地獄の6・26で、異常な衆議院本会議場で、野党・自民党の田村憲久さんは「解散!解散!」とはしゃぐ中、谷さんは「それでも与党か!それでも与党か!恥を知れ!」と本気で怒っていました。政策論としては正解だった、階猛さん、福島伸享さん、木内孝胤さんら現在。政策論として正解でしたから5年経って、何事もなかったように活躍しています。
谷さんは阪神淡路大震災当時は、兵庫県庁財政課職員として、カメラを持って、被災状況の見積もりに飛び出しました。そのときの「特例」を直すには、24年かかるという、恒久法というのは息の長い世界であり、国家の存続と同義語です。まあ、あまり肩ひじをはってもいけないのですが、2019年はルミナリエはやるんでしょうかね。いつまでも続けてなくもいいような気がします。
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Miyazaki Nobuyuki