[写真]民主党のネクスト農水副大臣の参議院議員・徳永エリさんと、衆院の玉木雄一郎さん、篠原孝さん、衆議院の向大野新治・事務総長、2014年11月18日、民主党ニュースから。
民主党は、平成26年2014年11月18日(火)、「農業者戸別所得補償法案」を衆議院に提出しました。
第1次野党期の2007年秋の臨時国会に参議院に提出され、平野達男さん(当時は民主党)が答弁し、可決。衆議院でも答弁しました。
その後、第1次与党期では、予算措置にとどまり、法律案は提出することができませんでした。これは情けないことです。
そして、第2次野党期のことしの通常国会で、ねじれ解消後にもかかわらず、自民党国会対策委員会の配慮で、農業者戸別所得補償法案が重要広範議案として衆議院本会議で審議入り。民主党の大串博志さん、鷲尾英一郎さん(元農水政務官)、玉木雄一郎さんの3人が本会議ひな壇にすわり答弁。委員会でも1カ月間にわたる活発な議論がされましたが、採決直前に、突如、自民党から「2017年に収入保険導入の法制化を検討する」という、まったく理念が違う修正案を出されたうえ、民主党原案は否決され、衆議院段階で葬り去られました。 民主党代表でネクスト首相の海江田万里さんは記者会見で、「やはりTPPの問題もあったかな」と語り、TPP交渉の弾除けとして民主党案が審議されたのではないかとの国会戦術としての失敗を認めました。しかし、否決直後にもかかわらず、農業者戸別所得補償の訴えを続けることを宣言。
東京選出の海江田さんは「私も日本全国を回っていますが、農業者戸別所得補償制度、直接支払いは農家の評価は非常に高いのですね。私たちはむしろそれを言ってくればよかったわけでありますが、それを言ってこなかった反省もありますから、この考え方は堅持していくつもりでありますし、それをしっかりと全国の農業従事者に対して言っていくつもりであります」 と語り、これまで発信が足りなかった面もあると話しました。(関連エントリー民主党代表、農業者戸別所得補償(直接支払い)の訴え、「続けます」と断言 発信が弱かったと反省も)
その後、コメの概算金が1俵8000円台になるという驚くべき実りの秋が来ました。一部では、規模拡大をめざした40歳代の農業者が自殺したと報じられています。自民党は農業者の減収分をJAバンクではなく、異次元の金融緩和でお金がありあまっている、日本公庫から「セーフティーネット貸し付け」をするとしていますが、農業者がどうやってその融資を返すのでしょうか。来年2倍の作付けをして、2倍働けば、2倍収入を得られるーーそんな農業があるわけありません。
JAバンクに概算金が払い込まれると同時に、トラクターや日用品の決済がなされて、東京ドーム2個分の田んぼを持つ農業者が東京に出て、タクシー運転手をするのでしょう。ただ、なんとか、セーフティーネット貸し付けでもあと数年持ちこたえれば、農業者戸別所得補償が復活します。民主党は七転び八起きで、何度も何度も起き上がらねばならない。
この後の及んでも、補助金と政府系金融の融資でごまかそうとする農林水産省ですが、麻生太郎・財務大臣兼金融担当大臣は、男子の本懐を示してほしい。