【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

特定秘密保護法の答弁は、松島法相 内閣委出席で攻防も 朝日新聞政治部記者として武勇伝

2014年09月03日 16時48分26秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[写真]松島みどり法相=2014年3月28日の衆議院経済産業委員会で答弁(当時は経済産業副大臣)

 いまごろ皇居での認証式を終えた頃合いの、松島みどり法相は、官邸に呼びこまれた後の、さきほど2014年9月3日(水)午後、特定秘密保護法(12月施行見通し)の答弁をするよう、安倍首相から指示されたことを明らかにしました。

 特定秘密保護法については、第三者機関の設置根拠がないとの指摘に加えて、民主党が情報公開法案などの対案を国会に提出しています。第187秋の臨時国会では、衆議院内閣委員会や、参議院内閣委員会での松島法相の答弁を求めた、理事会での与野党攻防がありそうです。参議院内閣委員長は民主党議員が務めています。

 松島みどりさんは、衆議院東京14区選出の当選4回生。清和会。小選挙区導入にともなう自民党の公募に応じて、55年生まれなので「自民党から生まれた松島みどりです」とアピールして、第42回衆院選で初当選。第45回政権交代選挙では落選しましたが、国政復帰。国土交通副大臣のほか、経済産業副大臣を、自民党の第2次与党期、第3次与党期の2回務めました。

 朝日新聞記者時代は、政治部衆議院クラブ担当時に、衆議院議長に聞きたいことがあるからと、議長室から本会議場に移る議長を後ろから羽交い絞めにして、「議長、議長」と言いながら、後ろに引っ張っていって取材し、開議が数分遅れたとの逸話があり、武勇伝として知られています。小選挙区時の自民党は朝日新聞政治部記者全員に公募に誘ったとの噂もあり、松島さんだけが応じたとされています。そのような記者経験を買っての答弁担当ということになるでしょうが、法務省参加の公安調査庁が適性調査「利権」をねらっているとの情報もあり、そのガバナンスも問われることになりそうです。

 第188通常国会に、自民党政府は、民法改正法案と刑事訴訟法改正法案を出す見通しですが、それよりも、情報公開法の運用に万全を尽くす方が最優先であることは言うまでもありません。

 法体系の健全性を保つために、刑事訴訟法にもとづき、粛々と死刑を執行することも、なんら悩む必要のない、当たり前の理です。

 松島法相、がんばってください!

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第2次安倍第1次改造内閣は塩崎厚労相で、「消えた年金」から「溶かす年金」へ GPIFで日銀助太刀か

2014年09月03日 15時10分23秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

 
 安倍晋三首相(自民党総裁)は2014年9月3日(水)、第3次与党期初めての内閣改造に着手。

 まず、幹事長には、3党合意時の総裁である谷垣禎一さん、政調会長には3期生の稲田朋美さん、総務会長には元新進党選挙対策委員長の二階俊博さん、選挙対策委員長には茂木敏充さん、国会対策委員長には再び佐藤勉さん。

 続いて、内閣改造。官邸政務は全員留任。その後、菅義偉内閣官房長官が閣僚名簿を発表。皇居に参内して認証式。官邸で補職辞令、総理会見、初閣議、閣僚会見になります。

 厚生労働大臣には、「消えた年金」第1次安倍内閣の官房長官だった塩崎恭久さんが再入閣。これで、NAIS(ナイス=根本匠さん、安倍晋三さん、石原伸晃さん、塩崎恭久さん)は第2次安倍内閣で全員入閣しました。

 塩崎さんは日本銀行出身の金融族。かつて、衆参コスタリカで参議院議員だったころに、自民党政務調査会の厚生労働部会長代理として議員立法にあたった以外は、とくだん、厚労関係の実績はなく、労働分野で仕事をした形跡はありません。

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)積立金130兆円を、黒田東彦・日本銀行総裁が進める異次元の金融緩和の助太刀として、投入するのではないかとの懸念があります。第1次安倍内閣でも、金融族の柳澤伯夫さんが厚労相をしたほか、金融族の小泉純一郎さんが3回厚相をするなど、清和会政権では、金融族を厚相・厚労相に送り込むケースが顕著です。

 第2次与党期自民党政権の「消えた年金」を、第1次与党期民主党の長妻昭厚生労働大臣、細川律夫厚生労働大臣、小宮山洋子厚生労働大臣や、山井和則厚労労働大臣政務官が命がけで直しました。

 それを、第2次安倍第1次改造内閣は、「溶かす年金」としてリスクの高い株式・債権にマネーをつぎ込むかもしれません。年金ドラッグに用心せねばなりません。一方、第44期衆議院での「年金王子」である、長妻さん、山井さんは第46期衆議院でも厚生労働委員を務めており、秋の臨時国会以降は、再び、厚生労働委員会で大激突するのが確実な情勢になりました。

 2007年6月のニュース映像を振り返りましょう。 


[写真]2007年6月14日の参議院厚生労働委員会で「上から下を見下ろす態度で事務処理をしていたことがあったと思う」と社会保険庁(当時)を批判する安倍首相、同日のNHKニュース7から、筆者(宮崎信行)撮影。

[写真]田中一穂・首相秘書官(現在の財務省主計局長)=左らに、「あらゆる手を尽くして不安解消のため相談業務を充実させてほしい」と指示した安倍首相、2007年6月14日のお昼のNHKニュースから筆者(宮崎信行)撮影。


[写真]「できるだけ早く手を打って応答できる体制を拡大・増強する」と語る、柳澤伯夫厚生労働大臣、2007年6月9日、お昼のNHKニュースから筆者(宮崎信行)撮影。

[写真]消えた年金対策として「コンピューターシステムの刷新と新たな年金管理システムの構築」を記者会見で発表する塩崎恭久・内閣官房長官、2014年6月14日のお昼のNHKニュースから、筆者(宮崎信行)撮影。


[写真]総務省行政評価局に年金確認第三者委員会を設置した菅義偉・総務大臣、2014年6月14日のNHKニュース7から、筆者(宮崎信行)撮影。

[写真]消えた年金を追及する民主党の長妻昭・衆議院厚生労働委員、2007年6月9日、テレビ朝日報道ステーションから筆者(宮崎信行)撮影。

[写真]消えた年金を追及する、民主党の山井和則・衆議院厚生労働委員、2007年6月9日、テレビ朝日報道ステーションから筆者(宮崎信行)撮影。

[写真]参院選を前にした自民党全国県連政調会長会議で、「最後の1人にいたるまですべてチェックすることを約束する」と語る安倍総裁(首相)、2007年6月14日、NHKニュースから、筆者(宮崎信行)撮影。


[写真]安倍総裁が退室した後に、年金問題で苦情が殺到する、自民党全国政調会長会議、2007年6月14日、テレビ朝日報道ステーションから筆者(宮崎信行)撮影。

[写真]GPIFの運用状況、2014年8月29日公表のPDF、GPIFウェブサイトから。

第2次安倍改造内閣、閣僚の顔ぶれ(読売新聞) - goo ニュース

 

 菅義偉官房長官は3日午後、第2次安倍改造内閣の閣僚名簿を発表した。

 皇居での認証式を経て、同日夕に改造内閣が発足する。

 第2次安倍改造内閣の顔ぶれは次の通り。

 ◆総理 安倍晋三

 ◆副総理・財務・金融 麻生太郎(留任)

 ◆総務 高市早苗

 ◆法務 松島みどり

 ◆外務 岸田文雄(留任)

 ◆文部科学 下村博文(留任)

 ◆厚生労働 塩崎恭久

 ◆農林水産 西川公也

 ◆経済産業 小渕優子

 ◆国土交通 太田昭宏(留任)

 ◆環境 望月義夫

 ◆防衛・安全保障法制 江渡聡徳

 ◆官房 菅義偉(留任)

 ◆復興 竹下亘

 ◆国家公安・拉致問題 山谷えり子

 ◆科学技術 山口俊一 ◆女性活躍・行政改革・少子化 有村治子 ◆経済再生 甘利明(留任)

 ◆地方創生 石破茂