少し古い(2007年発行)本ですが、地生態学(ちせいたいがく:geoecology)を専攻されている小泉武栄(こいずみ たけえい)東京学芸大学教育学部地理学教室教授が執筆された「自然を読み解く山歩き」・JTBパブリッシング発行・1500円(税別)を紹介しておきます。
地生態学とは耳慣れない言葉でしょうが、地形・土壌・水、気候、人間の関わり方など自然の全体像を把握して研究する学問なのです。
つまり、ある植物だけ、ある昆虫だけという観察や研究ではなくて、それを取り巻く環境というか、様々な繋がりを読み解くと言うことなのです。
例えば(この本に書いてある内容ではありませんが・・・)、カタクリの花が咲いていたとしたら、人間の手が入った明るい広葉樹林でないと育たないとか、カタクリの種はアリがいないと散布できないとか、花が咲くまで7年もかかるとか、カタクリの花には蜜を吸いに来るヒメギフチョウがいるとか、人の手が入らなくなって藪化した広葉樹林ではか弱いヒメギフチョウは羽を痛めてしまうので飛べない、日が差し込まなくなって食草であるカンアオイが減ってしまったとか、だからヒメギフチョウが絶滅に瀕しているとか・・・こんな風に一つの花を見てもいろいろなことが繋がって連想されてくるのです。
山を歩いていて、森を歩いていて、自然のいろいろな繋がりが見えてくると言うことはとても楽しいことだと思います。その見方、読み解き方を具体的な場所を例に紹介しているのがこの本です。
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