恋、ときどき晴れ

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雪遊び~譲二の場合~その9

2016-01-29 07:32:28 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。

なので、思い出話+彼目線も書いてみました。

恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。

 


子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。

ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。

微妙にずれてしまうんだよね。

だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。

だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?

☆☆☆☆☆
雪遊び~譲二の場合~その9

 

冷蔵庫の隅にあったスポーツドリンクとコップを持って二階に上がった。



百花ちゃんは眠っていたが、俺の気配に気づいたのか目を開ける。

気分はどうか聞いてみたが、「しばらく眠って随分楽になった」と言ったのでホッとした。

熱を計ると微熱だったが、とりあえずスポーツドリンクを飲ませた。

落ち着いたところで、百花ちゃんが倒れた時のことを説明した。

話しているうちに、あの時の心配な気持ちが蘇ってくる。


譲二「出かける時言った俺の言葉を覚えていたなら、どうしてすぐ戻らなかったの?」


百花ちゃんを責めるようなことは言うまいと思っていたのに、一旦口に出すと止まらない。


譲二「体調が悪いのは自分でも気がついてたでしょ?」


百花ちゃんはシュンとして「ごめんなさい」と謝ってくれた。

別に百花ちゃんを謝らせるつもりで言ったわけじゃないのに…。

できることなら、百花ちゃんのことはいつも守ってあげたい…。

だけど、いくら俺でもいつも守ってあげられるわけじゃない。


譲二「今日はたまたま俺が助けに行けたからいいものの…、いつでも気にかけてあげられるわけじゃないんだよ」


百花ちゃんはまた謝る。

「マスターにも迷惑かけてしまって」と…。


(そうじゃないんだ…。迷惑だからじゃないんだ)

だけど、うまく言い表す言葉は浮かんで来なかった。


譲二「俺は百花ちゃんを預かっている立場なんだからね」

百花「…はい」


今にも泣き出しそうな百花ちゃん。

彼女を責めるような言葉しか言えないことに罪悪感を感じて、俺は黙って部屋を出た。

 

その10へつづく