恋、ときどき晴れ

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雪遊び~譲二の場合~その7

2016-01-27 07:49:24 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。

なので、思い出話+彼目線も書いてみました。

恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。

 


子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。

ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。

微妙にずれてしまうんだよね。

だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。

だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?

☆☆☆☆☆
雪遊び~譲二の場合~その7

 

濡れてしまっていたコートだけ脱がせて、百花ちゃんをベッドに寝かせる。

意識は朦朧としているようだが、「手を抜いて」とか「足を伸ばして」という俺の言葉には素直に従っている。

痛々しくて…俺の罪悪感はますます募った。

掛け布団をかけてしばらく見守っていると気がついたようで、体を起こしながら不思議そうに呟いた。


百花「ん…部屋……どうやって帰ってきたんだろ…」


今にも転げ落ちそうに思えて、慌てて言った。


譲二「ベッドから出ちゃダメだよ」

百花「え? あ…マスター」

きょとんとした顔で俺を見つめる。

だが、その瞳には徐々に俺への怯えが広がっていく。

ついキツイ言い方をしてしまったことを後悔した。


(ごめんね。百花ちゃんに怒ってるわけじゃないんだ。百花ちゃんを止められなかった自分が許せないだけなんだ)


百花「あの…」

ためらいがちなその声は弱々しくて、またなぜ出かけさせてしまったかと怒りがこみ上げてきた。


自分の気持ちを落ち着けて、出来るだけ優しく話しかけた。


譲二「…まだ熱があるみたいだね。もう少し眠ったほうがいいよ」

百花「は、はい」

譲二「どうしてか、後でちゃんと話してあげるから…今はおやすみ」


百花ちゃんは、またベッドに横たわると目をつぶった。


(なにしてんだ…俺は。身体が辛い彼女を怯えさせるなんて…)


むしゃくしゃした気持ちを持て余しながら、その部屋を後にした。

 

その8へつづく