恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

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冬の夜

2016-01-05 06:44:46 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

茶堂院グループを立て直した譲二さんが、クロフネに戻って来て何ヶ月か経った頃のお話。

☆☆☆☆☆


〈百花〉
パジャマ姿で「おやすみなさい」と譲二さんの部屋に声をかける。

読書をしていたらしい譲二さんは廊下まで出て来てくれた。

私を抱きしめて、耳元で囁く。


譲二「おやすみ…」


その唇は横にずれて、私の唇を塞ぐ。

いつものおやすみのキスより情熱的で、私の息は上がってしまった。


譲二「…ねぇ……今夜は…俺の部屋に…来てよ」


鼻先に、口元に、頬にキスされる合間にそう囁かれた。

それが何を意味するかわかって…恥ずかしさのあまり、私の頬は熱くなる。


譲二「…いい?」


譲二さんに見つめられて私は一生懸命うなづいた。


譲二「寒いから部屋に入ろう」


そう私は促されて、もう譲二さんのなすがままだ。

譲二さんは私をベッドに座らせると、またキスの続きを再開した。

譲二さんの舌が私の舌に絡み、大きな手は私の素肌をなぞっていく。

思わず身悶えると左腕でしっかりと身体を支えてくれる。


唇へのキスは少しずつ喉元へと移っていき、それは胸元への愛撫へと変わっていく。

服を通して譲二さんの体温を感じる。

でもそれはいつしか肌と肌のぬくもりに変わっていた。


百花「じょ、譲二…さ…ん」

譲二「…そんなに硬くならないで…もっと力を抜いてごらん」

百花「でも…」

譲二「愛してるよ…百花」


私は譲二さんの背中に手を回し、しがみついた。

☆☆☆☆☆

〈譲二〉

彼女の甘い吐息をキスで塞ぐ。

愛しくて愛しくて、最後まで優しく抱きたいのに…どうしても彼女を翻弄してしまう。


(ごめんね。)

譲二「大丈夫?」


彼女は気だるそうに微笑んで、うなづいた。

そっと抱きしめて、頬にキスした。

あどけない表情で生あくびをかみ殺している。

それが切なくなるほど愛しい。


譲二「このまま眠ってもいいよ」

百花「譲二さん…腕が…疲れませんか?」

譲二「このくらい大丈夫だよ」

百花「…」

譲二「百花ちゃん?」


彼女の微かな寝息が聞こえた。

朝まで、彼女を抱きしめたまま眠ろう。

離れて暮らしていた頃の不安もまるで嘘のように、今はこんなに安らかな気持ちでいられる。


譲二「愛してるよ、百花」


彼女の寝顔にそっとつぶやいた。