恋、ときどき晴れ

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雪遊び~譲二の場合~その6

2016-01-26 08:09:24 | 吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二

吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。

なので、思い出話+彼目線も書いてみました。

恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。

 


子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。

ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。

微妙にずれてしまうんだよね。

だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。

だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?

☆☆☆☆☆
雪遊び~譲二の場合~その6

 

具合の悪そうな百花ちゃんを探すためにクロフネを出て歩き回った。

いつもの児童公園にはいない。

土手にもあいつらが遊んだらしい形跡はあったが姿は無い…。

思いついて大きな公園の雑木林の方に行ってみると、かまくららしきものと雪像の周りで雪玉を投げ合うあいつらと百花ちゃんの姿が見えた。


(良かった…)


急いで近づいて声をかけようとした時、百花ちゃんの姿が崩れ落ちた。

俺は「百花ちゃん!!」と叫びながら駆け寄った。

その間にも、みんなはただ百花ちゃんの名を呼んでオロオロしている。


雪の上に倒れた百花ちゃんを急いで抱き上げた。


(やっぱり…高い熱がある)


強く止める事ができず、外に送り出した自分の愚かさに唇を噛んだ。

リュウがコートを脱いでくれたので、百花ちゃんをそれで包みクロフネまで抱いて帰った。


みんなは俺の後を無言で付いて来る。



店に入ると俺は「百花ちゃんを寝かせて来るからお前らはここで待っていろ」と言いおいて二階に上がった。

それは自分でも驚くほど冷たい声だった。

いつもは元気なあいつらも、小さな声で「はい」とか「うん」とか言ってそれに従った。

 

その7へつづく