恋、ときどき晴れ

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愛人になって~その8

2015-05-10 08:20:16 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。

 

 

☆☆☆☆☆

愛人になって~その8


〈譲二〉
実家に荷物を取りに行った。

自分の部屋から出た時、通りがかった兄貴に呼びとめられた。

リビングにコーヒーを用意させているからと言う。

向かい合わせにソファーに座ると早速問い詰められた。


紅一「譲二。お前この頃別なマンションで住むようになったのか?」

譲二「ああ、まあね」

紅一「なぜなんだ。そんなことをして金の無駄だろう」


 いつかは兄貴にバレるだろうと思っていたが、なんとか言い訳をしておかないと。


譲二「前にもいったけど、使用人がうろうろするこの家では落ち着かないから、部屋を借りたんだ」

紅一「そこに女を囲っているのか?」

譲二「…いや。なんでそんなことを聞くんだ」

紅一「お前が女と一緒にいるところを見かけた人間がいる」

譲二「俺だって女友達くらいいるさ…」

紅一「そのマンションに女を連れ込んだりしてるんじゃないだろうな」

譲二「30超えた男に聞くようなことじゃないだろ? 兄貴はちょっと無粋だよ」

紅一「見合い相手からやっぱりお前と付き合いたいと言って来ているんだ」

譲二「どのひと?」

紅一「山村さんのお嬢さんだ」


アリサに目撃された見合い相手だ。

彼女には何ヶ月も前に丁重な断りを入れたはずだった。


譲二「もうちゃんと断ってあるはずだけど」

紅一「あの会社とは重要な契約を結ぶことになってね。彼女は専務の娘さんだが、会長のお孫さんでもある。
うちと契約を結ぶにあたって、お前との結婚話をもう一度考えたいと申し入れて来たんだ」

譲二「そんな…。俺の気持ちはどうなるんだよ…」

紅一「お前、恋人でもできたのか?」

譲二「いや…」

紅一「じゃあ、問題ないだろう。なにもすぐに結婚しろと言ってるんじゃない。
一度しか会っていないから、もっと付き合ってみたいということなんだから」

譲二「だけどそんな相手じゃ、付き合い出したら簡単には断れないだろ」

紅一「…お前には会社を立て直すために尽力してもらってありがたいと思ってる。
だけど、この契約はどうしても纏めたいんだ。
それにあのお嬢さんは俺もあったことがあるが、ああいう出の女性にしては心根も優しいし、控えめだし、お前には向いていると思うんだ。
美緒さんと別れて、お前の心が傷ついているのはよくわかる。でも、そろそろ新しいパートナーをもってもいい頃なんじゃないか?」


兄貴が俺自身のことを考えて話を勧めてくれているのはよくわかっていた。


譲二「もう少し考えさせてくれ…」


兄貴はちょっと困ったように微笑むと何も言わずに部屋を出て行った。


その9へつづく