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この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。
二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。
でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。
上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。
☆☆☆☆☆
愛人になって~その5
〈譲二〉
一緒に暮らし始めて、アリサのちょっとした仕草や可愛い言動に癒されている。
アリサとの暮らしがこんなに楽しいものだとは…。
もちろん、仕事は相変わらず忙しく、なかなか顔を合わす機会はないが、疲れきっていてもアリサが待っている家に帰るというだけで、心は温かくなった。
アリサと暮らしているマンションはもともと実家から離れて一人暮らしをしようとしばらく前に借りたものだった。
だから、俺のものはすべて備えてあった。
アリサが住むのに必要な物を一緒に買いに出かけた時はとても楽しかった。
まるで同棲を始める本当の恋人同士のように二人で家具を選んだ。
アリサへの手当は銀行振込だったから、彼女を抱く時も今までの儀式のような金の受け渡しはせずに済んだ。
だから、アリサは本当の恋人で俺に好意を持ってくれているのだと無意識下では思っているようだ。
時々冷静なもう一人の俺が自分に言い聞かせる。
『もちろん、分かってるよな? アリサは俺が払う金のためにこんなに尽くしてくれるんだ。本当の好意を持ってるからじゃないんだぞ? 』
『そんなこと分かってるさ!』
『恋人気取りでいるようだけど、そう思ってるのは俺だけなんだぞ。いい気になってると後で惨めになるだけだぞ』
☆☆☆☆☆
一緒に食事できる時は二人で料理したり、アリサの目の前で俺が料理したりした。
ただの客だった時には二人で食事することはなかったから、一緒に食事をするのはなんだか新鮮だった。
そして、アリサは俺の料理やコーヒーを「まるでプロみたい」と喜んでくれた。
アリサ「とても大企業の御曹司とは思えない手際のよさだね?」
譲二「こらこら、大企業の御曹司とは思えないってのは余計だろ」
抱きしめて耳元で囁くとアリサは身悶えした。
アリサ「そういうところは女たらしみたいだし…」
譲二「ハハ、それ褒め言葉になってないよ」
アリサ「誉めてないもん」
譲二「…なんだよ…それ」
アリサは苦笑する俺を抱きしめてキスしながら、手を伸ばして俺の髪をくしゃくしゃにする。
そんな雰囲気になるとアリサを抱かずにはいられなくなる。
アリサは俺が客の一人だった頃と同じように、俺を悦ばそうとしてくれる。
アリサは…俺の愛撫で感じているのだろうか?
演技ではなく?
その6へつづく