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自由民主党は「外交・国防利権(茂木・麻生)」派閥が党中枢を掌握した -高橋洋一氏曰く「麻生副総裁はキングメーカーになりたいため」-

2024-02-01 | 小日向白朗学会 情報
   最近では、昼の情報番組などで「自由民主党内で派閥解消」について喧しい。しかし、その裏では、自由民主党が政権党として生き残りを掛けた大博打が進んでいるのだ。
 そもそも自由民主党が結党したのは、民意によるものではなく、アメリカの世界戦略を円滑なく実施できるようにCIAが資金と技術を提供してできたものである。その自由民主党は、アメリカの「外交と安全保障」政策をすべて飲むことが日本統治を継続するための絶対条件であった。したがって同党は「アメリカを中心とする「外交と安全保障」政策を行うことであって「国民の幸福を追求する」政策を優先する政党ではない。たとえ国民が経済的に疲弊しても「アメリカを中心とする外交と安全保障」が優先する党なのである。同党が卑屈にもアメリカに隷属してまでも日本を統治する政権与党であり続けたいと考えるには訳がある。それは、アメリカの武力を背景にして政権の座に就くことにより、日本国と云う莫大な「国家主権と云う特殊権益」が生まれるからである。
その特殊権益を運用するのが日本の省庁で、その長が内閣総理大臣なのである。したがって、極端な話、各省庁も「国民の為」ではなく「アメリカの為」の政策を行う方が優先する。その典型な例として、日本政府は「海上保安」をアメリカの指揮下に置くことを進めようとしたが、所轄する国交省大臣が「憲法」により拒否した。これに強い不満を述べたのが麻生太郎副総裁であった。麻生太郎副総裁の不満とは、国交大臣が所属する政党が連立与党を組む公明党であって、自由民主党の存亡を握る「アメリカの為の外交と安全保障」政策に連立政権を組んでいる公明党が盾突くことが許せなかった。麻生太郎副総裁にしてみれば「誰のおかげで与党に入れるのだ」という公明党に対する恫喝なのだ。
 麻生副総裁にとって、自由民主党の存続は「アメリカの為の外交と安全保障」政策を実施することで日本統治を許されているのに、その政策に盾突くことは自分の足元を否定することに等しい。その行き着く先は自由民主党が政権の座を失うと「国家主権と云う特殊権益」も失う事になるからである。それが武器輸出に慎重な公明党に対して自由民主党内で「国益のために連立解消してでも進めるべきだ」といった強硬論が出て来る背景でもある。
ところで「国家主権と云う莫大な特殊権益」を手中にした自由民主党は、どのような運用をおこなったかと云えば、各省庁が持つ「許認可権」という方法を利用した。ここからが外交問題を国内問題に移行してゆく手続きと利権を換金する方法になる。
 政権を握った自由民主党は、各省庁の統括責任者として内閣総理大臣を指名し、次いで、各省庁の大臣を自党の代議士で独占する。
その各省庁には、日本国内で独占的な利権により安定的な利益を確保したい企業や業界団体が許認可を求める。業界団体は、各省庁大臣が省庁の殺傷与奪を握っていることを利用して頼ったのが派閥であった。
 そして、派閥の斡旋で所轄省庁から許認可された利益を獲得した協賛企業や団体は、業界団体を通じて自由民主党が求める政治資金と国政選挙に協力することになる。このシステムが戦後日本の経済と政治の関係なのである。
 その典型が日本経団連と日本政府との関係である。日本政府は、経団連に「協賛金と票の取りまとめ」を依頼する代わりに、見返りとして企業減税や消費税還付を実施してきた。その金額は莫大で、政府が徴収した消費税26兆円の内25.4%に当たる約7兆円が輸出大企業に還付していたのだ。経団連としては、僅かな献金を行った見返りに莫大な利益を獲得できるという実に「コストパフォーマンス」のよい投資なのである。そのため自由民主党の「金と利権」問題は、結党以来、同党の根本的な構造であって、派閥を解消したところで政権与党である自由民主党と各省庁の関係は、行政の長である内閣総理大臣を「アメリカの為の外交と安全保障」政策を放棄した政党から選出しない限り何ら変わらない。自由民主党中枢の本心は「日本の国家主権」をアメリカに売渡す代わりに手に入れた「日本の統治権」すなわち「国家主権と云う特殊権益」を手放すことにならない限り、省庁利権の統廃合や派閥解消等、なんでも構わないのである。これは宗主国アメリカの考え方とも一致していてアメリカが持つ日本国の主権を脅かすことがない限り、単独政党であっても連立政党であっても、どちらでも構わないことなのだ。
 以上の点を踏まえたうえで派閥解消の意味はなにかといえば、それは、政府の失策により国民の不満が増大することに対する捌け口にしかならない。また、自由民主党が派閥を解体したことで困るのは官僚なのである。彼ら官僚は政権与党を上目遣いに眺めていることから、独自の判断はできないし、しないため、早晩、派閥の復活を望むようになるだけなのである。
 ところで「昼の情報番組」や「池■」のニュース解説番組で、派閥解消をもっともらしく解説するテレビ番組が大賑わいするなかで、注目すべき記事が配信された。2024年1月27日、日本経済新聞「麻生派存続を明言 麻生氏「政策集団で期待応える」である。
『……
自民党の麻生太郎副総裁は27日の福岡県飯塚市での国政報告会で、自身が率いる麻生派(志公会)を政策集団として存続させる意向を表明した。「政策集団として皆さんの期待に一層応えられるよう頑張っていく」と述べた。
派閥の政治資金パーティー裏金事件後、自民内の6派閥のうち存続を明言した会長は麻生氏が初めて。自民の政治刷新本部がまとめた中間報告は、派閥から「金と人事」の機能を切り離す一方、政策集団として存続することは容認した。
麻生氏は国政報告会で「役人任せではなく従来以上に政策を勉強し、新しい制度や法案を策定していく。国民の負託に応えることが信頼回復に向けた唯一の方策だ」と強調した。
麻生派は26日に所属全議員を対象にした会合を開き、麻生氏に派閥の存廃を一任する方針を決めていた。裏金事件で会計責任者らが立件された安倍、岸田、二階の3派に加え、立件されていない森山派も解散を決定した。
茂木派会長の茂木敏充幹事長は政策集団として存続させたい考えだが、小渕優子選対委員長は退会届を提出して受理され、関口昌一参院議員会長らも離脱を表明した。麻生派でも、岩屋毅元防衛相が退会する意向を明らかにしている。
……』
 この記事の中で派閥に関して注目すべき箇所がある。それは麻生副総裁が「派閥から「金と人事」の機能を切り離す一方、政策集団として存続することは容認した」と、述べたことである。麻生副総裁は、過日(2024年1月10日)、訪米し「(台湾海峡有事は)日本の存立危機事態だと日本政府が判断をする可能性が極めて大きい」とともに「日本は中国の台湾侵攻時に集団的自衛権を発動する可能性が高い」と発言している[i]。これは、自由民主党がアメリカの軍事抑止力を基盤とした安全保障政策を行ってきたことに、さらに「防衛三文書」でその地域を台湾有事まで広げたことを強調する国内向けのものであった。
 ところが、この日米同盟を基盤とした日本の安全保障政策は昨年(2023年)に破綻してしまった。
 その経緯は、バイデン政権が中国敵視政策を開始したことで日本も新安全保障政策として「防衛三文書」決定し、仮想敵国を「中国・北朝鮮・ロシア」とし積極的な防衛力整備を開始した。ところが、アメリカによる中国敵視政策は、アメリカの予想に反した動きをすることになった。それは中国がロシアと軍事関係を強化する動きに出たのだ。世界に存在する核兵器数は、米ロでバランスしていたが、中国がロシアと軍事的な繋がりを強めたことからアメリカと中国及びロシアと変化し、アメリカのそれより中国及びロシアが優位となってしまった。慌てたアメリカは、キッシンジャーを中心として中国と関係改善に動きだすことになった。そして、ついにアメリカは「一つの中国」政策を再確認することになった。これで中国が台湾に侵攻してもアメリカ軍は核攻撃も含む武力をもって介入しないことを中国に約束した。このアメリカが安全保障政策を激変させたことで、日本は、アメリカの抑止力を基盤として仮想敵国に対峙する戦略の根本が消失することになった。つまり「防衛三文書」という安全保障政策は、欠陥があるどころの話ではなく、使い物のならないものなのである。さらに始末の悪いことに日本政府は、声高に財政破綻を喧伝して緊縮財政を進めてかき集めた費用を防衛費に集中的に使うだけでなく、不足分を増税で手当てしてきた。それが令和の「五公五民」とい大悪政政策となってしまった。常識的には、根拠のない予算は執行を停止し、再度、「防衛三文書」の検討からやり直すべきものである。ところが日本政府は、このことは一切触れず唯々「安全保障が危機に瀕している」という、これまでのフレーズを続けていて「日米同盟」が使い物にならない代物だとは決して云わないもしも、日米同盟の本質について論議となった場合には成り立ちから始まり、71年の長きにわたり国民を騙し続けたことが白日のものとに晒されることとなる。それは日本の国家主権をアメリカに売渡したことで日本の国家主権と云う特殊権益を握ってきた自由民主党の本質が暴露されて、国民からもアメリカからも見放されることになってしまう。ここでアメリカとしたのは、日本の国家主権と上納金をアメリカに提供できない政党は不要なのである。日本政府が実施してきた安全保障政策が大失敗となったことから自由民主党の政策責任とともに存在意義も問われることなって、つぎの国政選挙では政権の座をうしなう可能性が生まれた。このことを最も熟知しているのが麻生太郎副総裁なのである。麻生副総裁は財務省、外務省、防衛省を束ねて開始した新安全保障政策「防衛三文書」を推進した中心人物なのである。したがって、現在の「外交防衛」は麻生太郎副総裁の専権事項であるとともに麻生派の派閥利権なのである。そのため上述の新聞記事にある麻生副総裁の「派閥から「金と人事」の機能を切り離す一方、政策集団として存続することは容認した」とは「外交防衛」利権はこれまで通り麻生派と茂木派が派閥を解散せずに政策集団として取り仕切ることを宣言したのだ。これは麻生派と茂木派の政策集団が「党中党」となったのだ。この現象を計量経済学者で元財務官僚であった高橋洋一氏は「952回 派閥解散してもすぐ復活!麻生キングメーカーへの道」であると表現している。まさに、その通りなのである。
 ところで次期国政選挙には出馬しないことを宣言している麻生副総裁が、何故にここまで強引に派閥を存続させてのかであるが、それは自由民主党の賞味期限が切れていて政権つまり「特殊権益」を維持することが難しくなっているからである。そのため麻生副総裁は、国民が政府の安全保障政策が失敗していることに覚醒する前に、自党の議員に「宗主国アメリカが望む安全保障」政策で利害が一致する野党を加えて防衛予算を強行突破する心算でいるのだ。その後は、自由民主党単独か、与野党連立かは、どちらででもよく、要は「宗主国アメリカが望む安全保障」を絶対条件として合従連衡する数合わせなのである。
つまり使い物にならない「防衛三文書」を日本の安全保障であると虚言を弄する自由民主党に追随する公明党、日本維新の会、立憲民主党執行部、国民民主党、教育無償化を実現する会は、同じ穴のムジナなのであある。

 日本の政局から世界情勢を覗くような間抜けな方法は、自由民主党を存続させることに協力しているだけで、早晩破綻する。
宗主国アメリカにとって属国日本の派閥など本質的な問題ではない。要は、アンリかが持つ特殊権威を現状通り維持継続してくれるならば、政権は単独政権でも連立政権でもよいし、首班は、茂木敏充氏であろうが前原誠司氏でも野田佳彦氏でも泉健太氏でも誰でもよいのだ。いい加減に、日本が世界情勢を動かしているという幼稚な思い込みはやめるべきである。(以上:近藤雄三)

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