こっちゃんポイント ★★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター 上映時間 117分 製作国 韓国 公開情報 劇場公開 (メディア・スーツ) 初公開年月 2003/07/26 ジャンル ドラマ/スポーツ/伝記
貧困と差別に囲まれて育った青年キム・ドゥック(ユ・オソン)は、ふとしたきっかけで足を踏み入れたボクシングの世界で、徐々に頭角を現してゆく。そんなある日、彼の前に現れた運命の女性。ドゥックの勝利をひたむきに信じる彼女のため、男は世界タイトルマッチのリングに上がる。圧倒的な実力を誇るチャンピオンに、まっすぐ挑んでゆくドゥック。命がけの死闘が、いま始まる……。
(goo映画より抜粋)
「ボクさぁー。ボクサーなの。」
子供の頃、そんなダジャレを嫌がる他人に言って回っては自分だけでウケていたあの頃が懐かしい。
しかし過去ログを振り返ってみると、大人になった今でもレベルが全く変わってないことに気が付き、プチ衝撃。
でもまぁ、そんなダジャレもオッケー牧場!だって、こっちゃんアホなんらモ~ン♪v(。・ω・。)ィェィ♪
←本家オッケー牧場 ガッちゅ氏
・・・あれっ?。これってむしろレベルが退化傾向にないか?Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン
まぁ、いーじゃん、いーじゃん!
これからもアホアホ街道まっしぐらで行きましょ~♪o(*^▽^*)oあはっ♪
そんなこんなで「生まれながらのパンチドランカー」こっちゃんが昨日観た映画がこれ。
韓国に実在した伝説のボクサーのお話しです。ガッツ抜きで泣かせます。
後で調べてみるとこの映画の監督クァク・キョンテクという人。「友へ-チング-」や「トンケの蒼い空」「タイフーン」の監督・脚本の人だとか。思わず「おお~」と声がでてしまいました。
そういや、ボクシングが題材の映画っていうのは、もう過去にいっぱいありますよね。
もちろん、その映画の描き出そうとするものは別々な方向性を持ってたりもするので、一くくりにはできません。
エイドリアぁぁぁぁン!と叫び続けた「ロッキー」だったり、
←お笑いの種馬
女性ボクサーと老いぼれトレーナーの究極の選択を描いた「ミリオンダラーベイビー」だったり、
↑ファイティングポーズで記者会見中のベイビー
お父ちゃん貧乏万歳だね!の「シンデレラマン」だったりと・・・
↑妻を抱き上げるシンデレラマン
ホラね。
ちょっと挙げただけでこんな風にポロポロ出てきますが、それぞれに個性があるお話です。
しかも有名作品ぞろいじゃないですか。
更にこれにアニメとかも入ると、もっとあるしね。「あしたのジョー」「がんばれ元気」「はじめの一歩」etc....
え?何?なにか言いたいことあるんですか?
画像が間違ってるって?・・・どこが? (* ̄◎ ̄*)クジョウハ ゴカンベンヲ...
さてさて話を戻しますが、こんなありきたりの題材を今さら韓国で取り上げたところでどーなのよ・・・って言っちゃう方も多いかもしれませんね。
でもね、これ結構良いですよ。とっても韓国映画らしいんです。音楽の使い方とかね。
何の取り得もないような一人の貧しい男がボクシングに目覚め、世界チャンピオンを目指す。恵まれない少年時代を過ごした故郷を後にして、彼はひたすら自分の精神と身体を鍛え上げるためにトレーニングジムに通います。
初めは先輩ボクサー相手のスパーリング(実技的な練習みたいなもの・・・ですよね?)でボコボコになっちゃうような彼が、やがて確実に”力”をつけ、韓国のチャンピオンになり、そして世界の舞台に飛び出して行く姿を描きます。
残念なのは、こんな風にストーリを書くと、さもありきたりに終始してしまうこと。まぁ、確かにありきたりな展開なんですけどね。
それでも、この結末には泣きそうになってしまいました。妻ギョンミ役のチェ・ミンソが良いですね。彼女の演技が、後半この物語を切なくさせ、涙を誘います。
「ボクシングには興味がないの。」
そんな出会いから、恋に落ち、父親の反対で一時は結婚を諦めつつも、やがて「彼」が自分のために闘っているのだと気が付きます。
こっちゃんは、この映画のモデルとなった韓国人ボクサーのキム・ドゥックという人が、どんな人生を歩んできたかは全く知らずこの映画を観ました。それだけに果たしてその”結末”がどこに辿り着くのかハラハラどっきんこでの鑑賞になってしまいました。
ラストは祈るような気持ちにさせられてしまいます。
この映画で彼を演じるユ・オソンのゴツゴツ感が良いですね。この人、「チング」にも出てました。ドゥックの不器用な生き方を演じるにふさわしい俳優さんだなと感じさせます。
実はこの映画、監督自身が17歳のときに実際に見た「無名のボクサー」の試合が忘れられず映画化に踏み切ったのだといいます。
「勝てるわけがない」試合__。
その行く末は、この物語の必死のボクサー ドゥックが遠征直前に妻に口にしたように、
「自分が殺されるか、相手を殺すか」の戦いだったのです。
彼の生き様に、様々な想いが観る人によぎるのだと思います。それが例え韓国人でなくとも。
様々な人生や想いを抱きながらリングに上がるボクサーたち。試合の数だけドラマがあるのですね。
ボクシングは自分の身体ひとつだけで闘える。しかし、その裏には常に「人生」の終わりが見え隠れしています。公に認められてはいるものの、互いの身体を打ち合い、血だらけになりながら「勝利」を目指す過酷なスポーツ。
実際、ドゥックには圧倒的な強さはありませんでした。そのほとんどが接近戦。
まるで自らの身を切り刻みながら相手の骨を絶とうとするかのようです。だから試合が終わると双方とも血まみれに・・・・・(*ノωノ) あぁっ!
そんなハングリーな舞台に彼らは何故に自ら望んで上がるのか?・・・・信じられない人もいるでしょうね。でもこの映画ではそんなことの意味をちょっとだけ知ることができます。
「ボクサーはミス・コリアよりも鏡の前に経つ時間が長い。何故だか分かるか?」
ジムの会長の言葉はまさに「それ」を的確に言い表していました。
細部を一々説明せずに、こちらに自然と伝えるよな作りが良いですね。
亀田(兄)にも見て欲しい映画です。
《2006.08.15記事一部改訂》