こっちゃんポイント ★★
鑑賞環境 試写会 上映時間 115分 製作国 ロシア 公開情報 劇場公開 (FOX) 初公開年月 2006/04/01 ジャンル ファンタジー/サスペンス/ホラー 映倫 PG-12
特殊な超能力を持つ“異種”に生まれついた人間は、能力に目覚めた時に、光につくか闇につくかを自分で選ぶ。そして光の戦士は“ナイト・ウォッチ”として闇の異種の行動を監視し、闇の戦士は“デイ・ウォッチ”として光の異種を監視するのだ。予知能力を持つアントンは、光の戦士として危険な任務を行っていた。そんなある日、伝説の「災いを招く乙女」と思われる女性を発見する。魔女のオリガを相棒にしたアントンは、彼女の身辺を探るのだが・・・。
(goo映画より抜粋)
内藤サンも「うわっ!」と驚くという噂の新作、「内藤・うわっち!」を観てきました( ̄∀ ̄*)
し、しかしっ!
久々に「自分の肌に合わない映画を観てしまった」というカンジでございます。
これは、ロシアから届けられたとってもダークなファンタジ~。これまでのロシア映画の常識を打ち破った、文字通り”型破り”の映画というだけあって、その宣伝は凄まじいモノがありますね。日本でも公式HPはモチロンのこと、こんなサイトやこんなサイトまで既に出来上がっていたりして、その加熱ぶりにはビックリでございます。
モチロン本国ロシアにおいては、更に熱の入ったプロモーション効果も手伝ってか大反響を呼んだらしく、その動員数は「半月で」600万人!600人じゃないですよ。600「万人」です!(笑)若者を中心に一種の”社会現象”にまで至ったというのですから、尋常ではありませんねぇ。
そんなコノ映画ですが、なんだかな~。まずストーリーが好きじゃありません。編集もこっちゃん向きじゃないんだと思います。
「予告編」はとっても良く出来ていましたね。スピード感があって。この映画にはあれ以上の予告編はいらないでしょうねぇ。今思えば、正直「あれにはヤラレタ!」と唸ってしまいますもの。決して「騙し」という意味ではありませんヨ。あの中の映像は本物です。言いたいのは映像の見せ方そのものが上手いってコト。ある意味「本編」よりも心得てるんじゃないでしょうか?
本編で良かったのは、惜しげもなくのっけから
こんなモノや、こんなモノがバンバン登場するところ。「これがロシアのニューウエーブだぜぃ!」という作り手の意気込みをヒシヒシと感じます。
でもね・・・・でも。
どこか、固いんですよ、まだまだ。これじゃあダメなんです。こっちゃん的にはノレません。何といっても作り全体が暗い上に、そこに乗っかるセリフのひとつひとつもピンとこないんですよね~。笑えるセリフも一つもなかった。・・・って、なんでもカンでも「笑い」を求めるこっちゃんの体質が、もはやヘンタイの域に達してるとは思うのですけど。えぇ。ソレはソレで認めますよ。 <(`^´)>エッヘン ←威張るトコ違う・・・
もっとも、この映画がロシアでヒットしたのは分かります。色々調べて知ったのですが、この映画が公開されるまでロシアで公開された映画の最高興収は2460万ドル。ソコに持ってきてこの映画。封切りわずか半月で2,600万ドル(約30億円)に達したっていうのですからね。気温も映画も冷えきっているようなこの国でこんな映画が公開されれば、そりゃ若者ならずとも熱狂するのでしょうねぇ。
当然ながらDVDレンタル店なんかでロシア映画を探すのすら困難な土地に住むこっちゃんにとって、ロシア風味にどっぷり浸かるなんていうのはコレが初体験。観るまで「何が飛び出すか?」と期待と不安に胸ふくらませておったワケです。
でね、観てみたらね・・・・Ψ( ̄∀ ̄)Ψ
これは、なかなか派手ながらもカルトな臭いプンプンでわないですか!「B級」ではありません。「カルト」です。何よりモヤ~~~ッとしたヌケの悪いビスタサイズの映像が、その全てを物語っているようでもあります。このタイプの映画がお好きな人にとっては、ある意味ヨダレものかもしれませんね。でも音響は思ってたよりも良かったなぁ。
この映画の見どころは、宣伝にもあるように何と言ってもその”斬新な映像”にあるわけですが、ロシアの「国産VFX」と呼ばれるそのレベルは、こっちゃんが想像していたモノよりも遥かに上を行ってました。
技術レベルは決して低くないですよ。っていうかスゴイですね。日本のVFXよりもヘタしたら上かもしれません。とっても”自然な感じ”があり”インパクト大”です!違和感あったのは「バス前転」のシーンくらいかな。それ以外は概(おおむ)ねOKですね。進んできてるんですね~ロシアも。
何より面白いなと感じたのは、字幕。どうやらこの映画は、”英語字幕付き”で公開されるようです。タテに日本語字幕。下付きに英語字幕といった具合で。
この英語字幕がなかなか凝ってましてね。プールの中で流れる鼻血のシーンにあわせて文字も赤くなったり(さらに水に溶けるようにフワ~ッと消える)、文字の出る位置も左端だったり中央だったり。コミック漫画なんかの”ふきだし”のように飛び出したりと実に多彩。
これって、はじめからフィルムとして作られてるってコトですよね?マニアックですね~。手が込んでます。たぶんタランティーノはこの辺の感覚を絶賛したのではないでしょうか?なんか、そんな気がします。あ、ちなみに日本語字幕は”普通”でした。(笑)
ただ映画の中で話される言葉は、本国の言葉(たぶんそうだと思う)と英語がゴチャ混ぜだったんですが、英語のシーンでも同じ言葉が字幕で流れるのはチョット不思議な感じでしたけど。。。
この映画のモトとなったのは、ロシアの人気作家ルキヤネンコ,セルゲイという方の同名ファンタジー小説。実はコレ三部作らしいです。(四部作という噂もあるようですが)続編は「Day Watch」、そのまた続編に「Dusk Watch」が用意されていて、本国では2004年の夏、既にこの「Night Watch」が公開され大ヒット!今現在は、続編が公開されていてそちらもヒット中らしいですね。ちなみに原作者は、この「Night Watch」の共同脚本も手掛けてるんですね。
たぶん予告編を観て「え?コレってホラー?」って思っちゃった人も多いと思いますけど、実際は「ダークファンタジー」という括りで問題ないと思います。ホラーと呼ぶには質感が違いますものね。怖がらせる類の映画じゃありませんから。でも「血」は結構あちこちで登場します。豚の血を飲んだりするシーンなんかもありましたからね。
オエッ!ですよねー(>ω<)極端に血に弱い方は注意です!
とにかく、さすがロシア映画ってだけあって、出てくる人出てくる人、見事に知りませんでした。(笑)こっちゃんにしてみたら、「もしかして映画まるごとエキストラ?」状態に映ったんですけど、聞けばこの主役の男の人、ロシア国内ではヒッパリダコだそうで。
し、失礼ッ!スミマセン、ほんと。
こっちゃん、アナタが主役であるということにしばらく自信が持てませんでした。
「いつ主役が出るのかな?」と思ったら、なんと初めから出てたんですね。
チラシには”「マトリックス」を凌ぐ”なんて大っきく書いてありましたけど、「斬新な映像=マトリックス」、「意外なオチ=シックスセンス」という方程式が最初に使われたのは一体どの作品からなんでしょうかねぇ。そういう意味では今回もこれは単なる客寄せフレーズに感じてしまいました。
やっぱりもっと違った目で観た方がズーット楽しめる映画だと思います。
そうは言っても「オラ、どうしても何かと比べたいんだ」と言うアナタには、「マトリックス」よりは「ブレイド」を引き合いに出す方がまだ幾分マシとでも言っておきましょうか。ヴァンパイアが登場するというのもありますけど、なんかこっちの方がトーンが近いような気がするのですけど、どーでしょうねぇ?
ま、ここらへんは人それぞれ違うのだと思いますが、いずれにせよタランティーノや、ダニー・ボイルまでもが絶賛したのは間違いない事実のようですね。
この映画は、ロシア映画界において十分な「映像革命」であったと言っていいのでしょう。もちろん随所にハリウッドやその他の国の映画を思わせるシーンはあったのですけど、これを全部「今のロシアでやり遂げた」というそのスゴサは認めます。ただ、ストーリーと演出がなぁ。。。。(*_ _)。o○ やっぱしダメ...
ラストは心境的に意味不明な状態に陥りました ( ̄∀ ̄*) エ?ソークルノ?ッテカンジ
何とも、こっちゃんはロシア人の考えるコトは結局分からなかったという結論のまま「続編」へ持ち越しとなってしまいました。
あ!ちなみにこの映画のオフィシャルサイトでのプロモーションはチョット話題になりました。
それは「映画の全編を2分半で観れる予告編」。オモロイなぁ。
興味があれば、コチラもドーゾ♪・・・って、早くて意味分からんっっっ!(*`◇´*)/
そんなワケで、「オレは(ワタシは)カルト好き!」または「珍しいモノ好き」、もしくは「ロシア万歳!」な方にはオススメしてもいーでしょー。
ただ、こっちゃんには向いてません。
(あ!ちなみにこれ→「くもQ」というニックネームまでついてます)
《2006.08.15記事一部改訂》