こっちゃんポイント ★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター 上映時間 109分 製作国 韓国 公開情報 劇場公開 (タキコーポレーション) 初公開年月 2004/11/06 ジャンル ロマンス/ドラマ/ファンタジー
お天気キャスターのイ・ジンス(イ・ジョンジェ)は、雨の夜に交通事故に遭う。しばらくして職場復帰した彼は、自分の状態に不安を抱く。逆光で顔の見えない女性の幻覚がフラッシュバックしたり、ここ数年の記憶の一部が抜け落ちていたり。さらに、部屋の電話に身に覚えのない女性からのメッセージが入っていたり…。
(goo映画より抜粋)
イ・ジョンジェの映画を観ました。
好きですね~、この人。
特別演技がズバ抜けて上手いって感じるわけでもないんですけど、この人を取り巻く空気が好きです。
でも、どんな映画を観ても無意識のうちに「イルマーレ 」のイメージを彼に追っているような気がしますね。
こっちゃんにとっては「永遠のイルマーレ」かもしれません。・・・って、ナンノコッチャ( ̄ε ̄ )
「オズの魔法使い」の名曲「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)」で始まるこの映画。
雨の夜の街。ジンス(イ・ジョンジェ)はバス停の近くに停めた車の中で誰かを待っています。やがて車を走らせた彼は交差点でトラックと交通事故を・・・。
これが、この映画のオープニング。
ちょっとヒヤッとするスタートです。
しかし、幸いにも大きなケガはなかったものの頭を打ってしまい、”部分記憶障害”になってしまった彼。「昔観た」はずの映画を忘れていたり、大切な友人の恋人の「死」すら記憶から飛んでしまい、その友人に「彼女とは上手く行ってるのか?」などと聞いてしまうのでした。
そして時折り夢で見る「幻の女性」の姿。・・・彼女は誰なのか?
自分の中で大切な「何か」が消えてしまっていることに気が付きます。
病院の医師は”IMRジレンマ”と診断。
いわゆる、「夢などで忘れてはならない大切な幻覚を取り戻そうとしている」ということらしいのですね。
そこで、彼は大学時代に同じ部活だった女友達ヨニ(チャン・ジニョン)と自分の記憶を辿り始めるのですが・・・。
この映画のお話は、記憶を取り戻そうと過去に遡ろうとする現在と、大学時代の当時を交互に行ったり来たりしながらゆっくりと進んで行きます。
ジンスが「虹」と呼んでいた大切な女性はいったい誰?というのが何と言ってもこの映画の最大の疑問であり、そして見どころなんですねー。
大学のサークルでの思い出を一つずつ手繰り寄せながら、次第に心を寄せ合って行くジンスとヨニ。
初めは「友人のお手伝い」程度の感覚だったヨニのその心境は段々切ないものに変って行きます。何故なら彼女はジンスのことを好きになってしまったから。そしてジンスもまた・・・・。
「愛は雨と一緒に来るそうよ。」というヨニ。
そんな言葉をなぞるかのように、兵役へ向かうジンスが列車を飛び降り、彼自身が愛した「虹」のモトへ走ったのもまた雨の中でした。
この映画では、お天気お兄さんのイ・ジョンジェが「雨に唄えば」をバックに楽しそうにびしょ濡れで踊るシーンが観れますよ♪これは”プチ貴重”な映像ですね。
ヨニに「天気予報は未来の事なんだから、もっと明るく伝えたら?」って言われて番組中でパフォーマンスするって設定です。
ショートカットで天真爛漫なヒロイン役ヨニを演じるチャン・ジニョンが良いですね。彼女はこの映画で初めて観ました。まるで本映画のポイントとなるフリージアの花のような明るい女性です。
この人って、モトはロングヘアーがトレードマークだったらしいですね。この映画ではチョットだけそんな彼女がみれますけど、ほとんどがショートカットでした。
なんと彼女、芸能界的にはちょっとお騒がせだったらしく、この映画の製作後、無免許の上に飲酒状態で運転してしまい、警察のご厄介になってしまったとのコト。少しの反省期間に入られてからその後復帰されたようですが...あらら。( ̄∀ ̄*)
ただ女優として見れば、こっちゃんはこの人の他の作品は観たことがありませんが、本作品の中ではイ・ジョンジェととっても良く釣り合っている印象を持ちましたよ。
この映画はあまりバカ騒ぎせず、後半にかけてシットリとした展開で楽しませてくれます。そこが良いですね。
二人は「過去」を探しながら、知らず知らずのうちに「未来」へと向かって歩いていたというお話です。ちょっとジミなお話ですが、その脚本は十分「練りに練った」という感じがありました。
いかにも女の子が好きそうな「おとぎ話」のような恋物語にも感じますけど、こっちゃんにはなかなか好印象の残る映画でありましたよ。
ジンスにとって何故、彼女が「虹」だったのでしょうか?
その理由はラストで明かされます。彼女が座る窓際にちゃんと答えがあったんですね。(*´ー`*)
《2006.08.15記事一部改訂》