二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

スポンジもフェルトもいつも新鮮にしておきましょう。

2016-01-28 10:24:09 | ■工房便り 総合 
二胡は楽器として、とても変わったところがあります。

他の弦楽器にはあり得ないところです。

それは、駒の下にある、スポンジや、フェルトなど、いわゆる恔制綿といわれるものです。



二胡を始めてみた時に、これは何だろうと思いませんでしたか?

装飾なのか?

???

試しに、このスポンジをとってみると、もうとんでもない雑音の塊になりました。

やったことありますか?

私は時々お客様に、「私の持っている楽器は良い楽器ですか?これはかなり高かったのですが。」

あるいはとても安いものでお恥ずかしいのですが、この楽器はどんなレベルですか?

などと聞かれることも多いのです。

その時に私は、このスポンジや、フェルトをとって、見の前で弾いて見せます。

まあ、状況はいろいろです。

とんでもない雑音がするもの。

殆ど、雑音のない物。

まれにあるのですよ、フェルトをとってもほとんど雑音の出ないものが、

勿論解放弦は少し音が割れたりもしますし、例のウルフ音が出たりもしますが、

それ以外には普通に鳴るものがあります。

これは金額に関係ないですね。

色々調べて皮の面を手で押してみると、比較的雑音の出ないものは、かなり皮が均一に張られています。

そして、案外皮が厚い方です。

このスポンジをとった時に少し駒を上下に動かしてみますと、かなり雑音の出なくなる位置というのがあります。

駒の位置に関しては、皆さん色々な意見が有ります。

真ん中より少し上とか下とか。

演奏上で考えれば駒が弓で弾く位置に近ければ近いほど、メリハリのある、かなりしっかりした強めの音が出ます。

ヴァイオリン等でも、しっかりとした音を出す時には駒のすぐそばを弓で弾きますね。

ですから、少しでも駒を上に挙げることによって、強めの音を出そうとする人は駒を少し上に挙げますね。

またまったりとした曲が音色が好きな人ほど、駒を真ん中から少し下げるひともいます。

雑音の問題から行きますと、

駒の位置が真ん中にあるのがとても望ましいです。

そうです真ん中、それは上下だけでなく、左右もなのです。

これが意外と真ん中に特に左右の真ん中に駒が有ると言う楽器は少ないです。

疑問に持たれる方もいらっしゃるでしょうから、ご自身の楽器を調べてみて下さい。

また、この駒が真ん中に無いということ、そして、大きくは、皮の張り方の均一でないという事、

皮が均一ではないというのは当然なのです。

蛇皮自体が、背中が厚く、お腹に行くにしたって薄くなっています。
(これは別の事で書きますが、おかげで胡の真ん中が厚いというおかげで、蛇皮は他の皮に比べて音を良く出します。
その音を強く出すために、ヴァイオリン族は振動板の裏に縦にバスバーと言う物をあえて付けます)

蛇皮は自然の物としてこのバスバーを持っているのです。

話が飛びました。

皮が均一でなく更に張り具合も均一でない為、たとえ駒が真ん中にあったとしても、皮自体がゆがんで振動します。

それを抑えるのが、このスポンジやフェルトです。

試しにフェルトの厚みを薄くしてみて下さい。あるいはスポンジ。

あるいは駒から少し下げてスポンジを置いてみて下さい。

音は大きく成ります。少し雑音も強くなりますね。

このスポンジは皮の振動を抑えているのです。

ですから厚すぎるスポンジやフェルトは、皮の振動を抑えて雑音を減らしているおt考えてよいですが。

当然楽器自体の鳴りも抑えられてしまっています。

皆さんがもし楽器を買う時には、このフェルトや、スポンジをてとってしまって下さい。

そして少しでも雑音の少ない楽器を選べば、後々の楽器の成長が期待できます。

これは高い楽器、安い楽器ということには関係ありません。

皮がいかに健全に張られているかという事を確かめるためです。

そして、二胡を少しでも健全に鳴らそうという努力をしてきた沢山の方々のお蔭で、二胡にはこの奇妙な部品

恔制綿と言う物が出来たのです。

しかし楽器の鳴りを補助するぐらいの厚みにしましょうね。

そしてせめて半年に一品は取り換えましょう。

何故なら古くなったフェルトやスポンジは硬くなってその効果を発揮しないからです。




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