
これは良く見る風景ですね。
崖に生えている竹が、雪の重さで、かなり下の方まで、曲がってきます。
雪が融ければ元へ戻りますが、木ではよほどの若い木でないと、こういう風には曲がりません。
竹は曲がります。
縦につながった、細い繊維質が、竹が曲がった時に折れるのを防いでいます。
この弾力と粘りが、竹を二胡の弓に使う理由でしょうね。
内弦と外弦両方を弾くという特殊な弾き方の二胡ですから、その弓も内外両方の弾力を維持しながら、
同じような反発力を実現したいです。
普通に、竹を使っても、単によく曲がるというだけで、反発力は得られません。
単に柔らかく曲がるだけです。
反発力は元に戻ろうとする力です。
このように柔らかく曲がる竹を使った弓は、手の重さが、吸収されてしまって、
弓の先端まで力が伝わりません。
今二胡に使われている弓の竹は、火をかけたり、お湯で煮たりして、竹の油分を抜いています。
油分を抜くと、全ての物は、硬くなります。
(反対に油分を入れると全ての物は柔らかくなります、ですから蛇皮に油分を与えるなどとんでもない事なのです)
木も、熱おwかけらり時間をかけたりしますと、硬くなりますが、
繊維質が竹のように、つながっていませんから、硬くなりすぎれば、ボソッと折れます。
竹は、硬くなっても節の処以外では折れません。
ですから二胡の弓を一本の竹で作ろうとすれば、なるべく長い節と節の間が良いのですが、、、
今皆さんが使っている中国の篠竹以外に、節と節の間が50センチもある物と言うのは、他にありません。
その節の弱さを補強するために、日本の弓は、何枚かの竹を薄く削って貼り合わせています。
そうすると、弱い節の処が、補強されますし、硬さも上がります。
今朝、竹屋さんと話していて、「同じ根から生えてくるはずの竹なのに、一本一本がとても違う、違い過ぎるのが、竹の難点、
という話。これは木でも同じです。
ヴァイオリンの弓なども、同じフェルナンブーコの木なのに、
材料費にして、2万円くらいから、100万円くらいの差があります、それは何が違うかと言いますと、
木の芯に近い方が硬くて、強いのです。
ですから、細くて軽いそして強い物が出来上がります。
芯に近い方ですから、木は割れが多いですし、その上当然とれる量も少ないです
当然金額は上がりますが、この弓の木の質で、弾き易さも相当違いますし、音色も違います。
話は変わりますが、、、
ヴァイオリンの弓なども、、試して購入できるのは殆ど、100万を超えるぐらいの弓だけでしょうね。
お試ししてもらうと、弓の毛が痛みますから、
ですから、二胡の弓と同じように、せめて手で持ってみてあるいは少し曲げたりして、その良し悪しを判断するきりないのです。
が、もう一つ方法が有ります、これは良し悪しがすぐわかります。
これは、ご来店の時に、興味のある方には教えます。
続く、、、、
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