二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

今年、特に記憶に残ったこと。皮の張りかえ!

2023-12-25 10:46:50 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
今年は、特に多かったのは蛇皮の張り替えでしょう。
この14年間で、毎年蛇皮の張替えは、5,6台でした。
しかし今年は、14台。
これは、蛇皮だけです。CDMに張り替えたのは18台ありましたし、今も6台抱えています。
この蛇皮の張替えで多かったのは、新しい楽器それもこの1,2年で購入したばかり、これは偶然なのか??同じお店から購入したそれも、100万円を超えるような高額なものが3台もあったという事でしょう。
通常、蛇皮の張替えは、20年くらい弾いてきてだいぶ音が出なくなってきた、あるいはある日突然高音馬出にくくなってきたというような楽器が殆どでした。
全くないとは言いませんが、これほど新しい楽器で、鳴るのを維持するため、あるいは雑音が酷く、内弦だけが鳴らない。開放弦が音にならない等々、折角の良い木を使った楽器にもかかわらず、これらの症状を直し切れず胴の中に手を入れざるを得ず新しい皮にもかかわらず、皮を剥がして胴の中に手を入れざるを得なかった楽器が揃ったのです。
これは、正直辛かったですね!
沢山弾いてきて蛇皮の張力が落ちてきたなら、「お疲れ様!次の皮で再生しようね」と、比較的気持ちは楽なのです。
ましてや相当高額の二胡を預かって、それを直さなければいけないというのは相当気分的にプレッシャーもあります。
多分、お客様も、これだけ良い楽器皮を剥がして本当に良くならなかったら、どうしよう。という気持ちもあったでしょう。
そういう時、私は、「西野二胡の一番良いのと交換しても良いです」と言います。
そのくらいに良い木を使った二胡だからです。
そのくらいに思わないとやれないのですよ。
感謝しなければいけないのは、このような楽器をお預けいただけたという事でしょう。
そしてそれらの楽器を直すことによって更に二胡の研究が進みますし、次第に何故なるのか?なぜならないのかがますますはっきりと見えてくるのです。
胴の構造、その重さのバランス、そして蛇皮の質とその厚みそれらのバランスをどう作り出すかが良い楽器を作る方法であることが益々見えてきたようです。
残りはあと何年なのか分かりません。
今後はこれらの方法論をいかにネオちゃんに伝えるかに力を入れる日々になるでしょう。
また今年は、西野二胡が今までにないくらいにお客様の手元に行った年てもありました。
ほぉさんが良く言っていたように、少しずつでもお客様の手元に健全に鳴る楽器を届けるのが光舜堂の役割であるというのが実感できた年でもありました。
そしてネオちゃんが弓つくりを会得してきた。これも大きいですね。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ
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