二胡工房 光舜堂

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二胡購入時にチェックしなければいけないこと。その4(素人で皮はわかるのか)

2011-06-17 07:55:43 | ■工房便り 総合 
素人でも、(作っていなくとも)皮の良し悪し分かることもあります。

簡単に言うと鱗の大きさです。

今まで散々鱗の大きさは関係ないと言いながら、何だいまさらと言われるかもしれません。

今ここで言う鱗の大きさと言うのは、1台の二胡の皮の中で、鱗の大きさがあまりにも変化が大きい物と言う事です。

これまでに10数台見かけたことが有るのですが、

左右の鱗の大きさが違う物が有りました。

右の方が大きかったり、左の方が大きかったりします。

蛇は自然の物ですから、当然均一な鱗の大きさが有るわけではありません。

背中の方が小さくて、お腹の方に行くと大きくなります。

普通二胡に張るときは、背骨のところを真ん中に持ってきます。

左右が均等な厚みになりやすいのと、左右の伸び率が一緒になりやすいからです。

でも中には、左右が大きさの違う物が有ります。

どういう事かと言うと、背骨のところで縦に切ってしまい、背骨からお腹に向かって取るのです。

ですから2枚取れますね。

この場合どういう事が起きるかと言うと、左右の伸び率が違いますから、最初は良いのですがしだいに音が雑音が出てくるか、ハイポジションが鳴らなくなります。

左右の張力が変わりますから。

これらは比較的10万円以内ぐらいの物に多いのですが、稀に20万近い物でも有ります。

この左右が違うと言うのが微妙なのですが、明らかに誰が見ても、分かります。

ですから、せめて初級で使う以外は、おやめになった方が良いと思います。

皮は、薄くても鳴ります。むしろ薄い分良く振動してボリュームの出る物もあります。

ただ音の幅が、あるいは奥行きがないかもしれません。

この左右が違うと言うのは、一枚の蛇から沢山取るという目的で裁断されます。

当然本来ならば一枚のところ2枚取れますから、生産者としては、効率が良いことになります。

ですからこれは量産物の初級用に多いのです。

これが絶対だめかと言うと、最初のころには問題ないというのが二胡の楽器としての生産方法販売方法の欠点だとも言えます。


しかしいずれ、雑音なり、ボリュームダウンなり、高音の出なさなり、必ず問題は発生します。

生産者としてはこれがねらいですかね?

次のを買ってもらえますから。

今の中国では二胡は、かなり有名な工房物以外は、メンテナンスという考え方は、少ないようです。

皮に問題が有れば、胴ごと取り換えるし、ギア式の糸巻きの場合などは、棹ごととりかえてしまうと言います。(ギア式は木の部分を削り取らないと直せないのです。ちなみにボルト式は金属だけを交換できます)

これは金額のことを考えるといた仕方がないのかもしれませんが、

初級者用でも、私としてはむしろ左右の鱗の大きさが違う物より、薄い皮の方をお勧めします。

結構健全に鳴りますから。

しかし皆さんが、さあ上手くなってきた2台目を買おうと言う時には、この薄い物もそうですが、鱗の大きさが左右の違う物は、止めた方が良いと思います。

つぎも皮の事です。

西野和宏
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