

上の画像と、下の画像を比べると、明らかに上の画像の鱗は大きいですね。
上の鱗は大体、横幅11ミリくらい。
下のは大体8ミリくらい。
上の物は多分(これは私が購入した皮ではないのではっきりとは分かりませんが、業者さんに聞いたところ、7歳以上ではないかと)
下のは私が購入したももので、5歳の物です。
いま中国でも普通に販売されている二胡の蛇皮は、大体5歳くらいです。
多分生産効率の問題があるようで、沖縄の三線などもこの5歳くらいの物を使っています。
蛇は、個体差はありますが、4歳から5歳までは年に二回脱皮する落ちわれています。
4,5歳まではどんどん大きくなるるということです。
それ以後、7歳くらいまでは脱皮は年に一回だそうです。
大きくなればその分飼育費というのもかかります。
ですからその効率を考えて、5歳ぐらいで販売されてしまうようです。
なんだか、こうやって、10年以上も蛇皮を扱ってくると、そして年を取ったのか、私が、
蛇皮に、様々な感情が沸き起こります。
今手元にある蛇皮だけで、私はこれ以上は仕入れるつもりが無くなってきています。
幸いにも失敗する率もとても減ってきて、無駄にしないようにできてきたようですし。
その後は人工皮CDMに切り替えようと思っています。
皆さんとしては実感はわかないでしょうが、
自分で皮を張ってみてきて思うのは、5歳以上の皮であれば、鱗が大きかろうと小さかろうと、二胡の鳴りにそれほどの変化はないということです。
問題なのは、鱗の大きなものは皮全体が厚く、鳴りを求めるために薄く削らなkれ場いけないということです。
薄く削るのは刃物です、人の手で削ります。
どうしても濃淡が出ます。
ならば、5歳くらいの皮の厚みの方が無理をして削らなくとも、全体に均一に削りやすいのです。
私は刃物では削っていません。
ある方法を使うと裏の脂肪分だけはぎとることができます。(ただし薬品などは使いません)
したがって、皮が傷つかないのです。これは業者さんに教わりましたし、たぶん沖縄の三線の人たちはみな同じようにやっていると聞いたことがあります。
蛇皮は同じ一枚の蛇からとっても、部分部分によって厚みも硬さも変わります。
尻尾に近い方は、縦の収縮率が強く、筋肉のその収縮率の違いというか動きによって、蛇は動きます。
筋肉も尻尾に近い方は縦に強い方向で動くのでしょう。
当然皮自体も何らかの影響が出ているはずとは思いますが、この辺りは動物学者かたに聞いてください。
皮の振動は、鱗より、鱗と鱗の間の柔らかい部分が良く動きます。ですから細かい鱗の方が、振動す部分をたくさん持っているとも言えます。
これは何となくの私の感じでしかないのですが、鱗の小さなものの方が、音色が良く感じるのです。
細かい振動に対応するためでしょうか、
ヴァイオリンでもギターでも、表板のスプルスは細かい木目の方が珍重されます。
良く振動するのと、音色が複雑になると言います、倍音が増えるおでしょうか
木目の荒いスプルスは強い音は出ますが、甘い音という感じはありません。
蛇皮と木は違うだろうと考える人もいるのかもしれませんが、
私にとっては両方とも振動版であり、生物なのです。
その生きている、力,弾力と張力をいかによく使うかが二胡でもヴァイオリンでも同じだと考えています。
蛇でも木でも私には生きている力を感じさせ、その力が良い音になってくるのだと考えています。
皆さんその良い音を引き出してやってください。
楽器は何より弾き込みです。