二胡を修理していて、どうしようもないことがいくつかあります。
お客様の御希望でお手持ちの弓の毛替えをお引き受けして、竹がどうしようもないほど、柔らかい、という事があります。
多少の柔らかさなら、熱をかけ、少しは硬くできます。それも竹の太さによります。細くてどうしようもないという事があります。
軽い弓が良いと言って選んだようなのですが、まったく腰が無いのですね、反発力が無く、これは張り替えませんでした。
そして稀にですがあるのは、この二胡の音色をもう少し紫檀ぽく出来ないか??とのお問合せ。
これもどうしようもないですね。黒檀は黒檀の音色ですし、響きは変えられても音色は変えられません。
それから、皮の問題。
この楽器音が小さく響きが悪いのです、何とかしてほしい。
このことは、胴そのものが厚みが厚すぎて鳴らないなどという時には、多少削って直すことができます。
どうしようもない、という程の事ではないですが、大変気が付きにくいということもあります。昨日いらした、お客様の楽器これはもう簡単、台の中に仕込まれている鉛が胴に当たって胴が振動しにくくなっているのです。これは鉛を削るか支えの木を厚くしてあげれば、見事に鳴りました。
そして、調弦する時、外弦を調弦して次は内弦。
弾いてみると、調弦したはずの内弦がずれている。何回やっても狂うのです。
木軸もしっかり台もしっかり。弦も新しい。他に動くところは?そうですね駒が動くのです。駒の中には底辺が丸く削られているものもあるのです。
新しい皮だとどうしても揺れてしまいます。この際は駒を変えれば、直りますね。
ただ、新しい楽器で、皮がとても良いそして厚い物、鳴りにくい!
これもどうしようもないです。
ただ、ただ、弾き込んでいく以外にないのですが。駒を松節の多少高さのあるものにして、弦も強めのゴールデンライオンなどに変えると、多少なり始めやすいです。あとは私の方で、皮に、手当てして、そう手を当てるのです。少しなり始めのきっかけを作ってあげるくらいきりできません。良い楽器の難点ともいえる、鳴り始めるのに時間がかかるというのは皮の厚さのせいですね。
そして反対に、とても薄い皮、すぐ鳴るけれど、ある程度弾き込んでいくと今度は駒が弦の振動で、弾んでしまいます。
もう少し厚ければ何とかしようもあるのですが、ここまで薄いと手の施しようがなく、皮の張替えお勧めいたしました。
多少薄くても普通はこのくらいです。
あれ、!上の一点光っていますね。これは穴が開いているのです。
位置によっては直しようもあるのですが。
こうなると張り替えるきりないですね。ということでCDMに張替えることに,なりました。
楽器は表から見てもわからないことが沢山あります、様々ご自身で、あるいは先生が調整してみて、分からない時には、送ってください。確かめてみます。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ