八兵衛のセカンドライフ

46歳で脳幹(橋)出血、現在72歳の車イス男性。ブログはFact is factで(事実だものしょーがねぇべ)

一口のコーヒーゼリー

2012年04月21日 05時45分20秒 | 脳幹出血
たしか、コーヒーゼリーのことを書いたのはさるさる日記でだった。
さるさる日記はもう廃止されたので、昔のことだけど思い出し出ししてつらつら書いてみる。

平成10年1月14日:脳幹(橋)出血→昏睡
      2月3日:意識回復
      2月20日:急性期リハビリを病床で開始(病床では両腕の体操のみ、4,5日間)
      3月上旬:コーヒーゼリーを味わう
      3月中旬:仙台(東北大学病院)へ転院、嚥下テストを経て4月からおかゆ食

当時は飲食禁止のため、チューブを鼻から挿入して流動食を摂取していた。
両手も満足に動かせないから、歯磨きも病床でお銀にして貰っていた。
恐らくのどの渇きのあまりからだろうけど、お銀の目を盗んでうがいの水を少しごっくんしたんだよね。
ところがしっかり目撃されていて、
『咳込まずにごっくんできたから、ひょっとしたらゼリーやプリンならイケるかも』
と、お銀は秘かに思ったそうだ。

あとはご想像のとおり、病院には内緒で廊下の陰でこっそり、ミルクのかかったコーヒーゼリーを一口。
おそらく当時の私の味覚は、先日のだんだんよく鳴る法華の太鼓じゃないけど、
今の1000分の1ぐらいの微かなレベルだったと思うなぁ~
コーヒーの苦みは全く感じなくて、ただひたすらミルクの甘さだけが口一杯に広がったもの。
そして私はこう思ったね、
『コーヒーゼリーがこんなにも美味しいとは・・、
 生き延びて、もっともっと美味しいものを食べ尽くさないと損をする』と。

今日の私があるのも、この時のコーヒーゼリーのお陰だと思っている。
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4 コメント

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一口のコーヒーゼリー (たんぽぽ)
2012-04-21 06:40:19
この記事はよく覚えています。
私はヨーグルトですが・・

病院関係者は事故があるといけないのでなかなか挑戦させてくれませんね。
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Unknown (クローバー)
2012-04-21 07:17:45
私もこのお話を良く覚えていて、良いエピソードだと思います

たんぽぽさんもおっしゃる通り、病院の関係者は、たとえば前向きな先生が指示を出しても、後ろ向きなSTが、やらない場合があり……熱があるとか覚醒が悪いとか理由をつけて。

辛いですが、あきらめないようにします
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八兵衛 (★たんぽぽさま)
2012-04-21 09:04:10
たんぽぽさんはヨーグルトでしたか、嚥下は水っぽくなればなるほど難しくなるみたいですね。
病院はどこでもそうですが、事故があったら大変なのでどうしても慎重になりますものね。
でも誤嚥に限らず、ある程度冒険をしなければチャレンジなんてできないから、そこがムズですよね。

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八兵衛 (★クローバーさま)
2012-04-21 09:05:51
当時の女房の気持ちを考えると、清水の舞台から飛び降りた気持ちだったと思いますね。
口数が少なく思い詰めたような女房の顔を見て、つい先日まで女房を罵倒しまくっていたし、
今生の思い出に女房は最期の食べもののつもりかなと、私は私で覚悟を決めてパクリでした。
私は私で女房のチャレンジの気持ちなど全然知るよしもないから、無理心中?の気分でしたよ。

ですから、♪命~ぃあずけ~ますぅ~になる訳です。
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