ビタミンP

苦心惨憺して書いている作品を少しでも褒めてもらうと、急に元気づく。それをトーマス・マンはビタミンPと呼んだ。

「酸素が逆効果になる」という、ずっと気になっている事

2021年07月15日 23時41分34秒 | Weblog

新型コロナウイルス感染症から回復しても肺には深い傷跡が残る

(Gigazine 2020年04月24日 23時00分)


 軽症から重症まで多くの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を診察してきた医師が、「COVID-19から回復した健康な元患者の肺が、不可逆な損傷を受けた」という事例を報告しました。

Uni-Klinik Innsbruck: irreversible lung damage in corona patients | En24 News
https://en24.news/en/2020/04/uni-klinik-innsbruck-irreversible-lung-damage-in-corona-patients.html

 オーストリアにあるインスブルック大学病院の上級医であるフランク・ハルティヒ氏は、同院の救急科の責任者として、無症状の人から集中治療室に入った人まで多くのCOVID-19患者を診察してきました。その中には6人の現役のダイバーがいましたが、全員が「病院での治療は不要」と判断されたため自宅に戻され、数週間の自主隔離の後回復しました。ハルティヒ氏らが回復後の経過観察を行ったダイバーは全員、せきやダイビングのパフォーマンスの低下が見られる以外は健康そのものだったとのこと。

 そこで、ハルティヒ氏がダイバーの肺をCTスキャンで調べたところ、驚くべき結果が出ました。まず6人中2人の肺は大きく機能が低下しており、負荷がかかるとすぐに血中の酸素が低下してしまうようになったとのこと。また、ぜん息の患者に見られるような症状も観察されました。残りの4人のダイバーについても、肺の変化が見られたとのことです。

 この結果についてハルティヒ氏は、「私は20年の経験がある救急医ですが、若い人の肺がこんな状態になっているのを見て言葉を失ってしまいました。CTスキャンの結果を取り違えたのかと思って、改めてレントゲン撮影をさせてもらったことさえあったほどです」「これは衝撃的で、何が起こっているのか理解できません。彼らはおそらく生涯の患者として、定期的な診断を受けるべき状態になってしまいました。当然、ダイビングはもうできません」と話しました。

 ハルティヒ氏によると、これまでの段階ではCOVID-19の長期的な影響がどの程度残るかはなんともいえないとのこと。しかし、COVID-19から回復したダイバーの診断結果があまりにも悪かったことから、「完全に回復すると考える事は難しい」とハルティヒ氏は指摘しています。

 入院は不要だと判断されたほど症状が軽かった人の肺が大きく損傷していた原因は不明ですが、一部の医療関係者は「人工呼吸器を使用した人が急に症状が悪化してしまうことと関係があるのではないか」と考えています。例えば、イタリアでは人工呼吸器を使用した患者の多くが死亡してしまうという事例が見られました。そのため、アメリカの医療現場ではできるかぎり人工呼吸器を使用するのを遅らせる試みが行われているとのことです。

 イタリアと同様の現象は、ハルティヒ氏が勤めている病院でも観察されています。「血中の酸素濃度が低い人に酸素を吸入させると症状が緩和されますが、数時間後には多くの患者が重度の肺不全に陥って集中治療室に入ってしまいます」とハルティヒ氏は述べました。

 こうした経験から、ハルティヒ氏らは「酸素がなんらかの引き金になっているのではないか」と感じているそうです。例えば、ダイバーの間ではNitroxと呼ばれる酸素と窒素の混合ガスが使用されてきました。これは、低下した酸素濃度を回復させて潜水可能な時間を延ばす目的で使用されていますが、ハルティヒ氏によると「肺の組織がまだ酸素に対して敏感な時に使用すると危険な作用をもたらす場合がある」とのこと。

 前述の6人のダイバーが、回復後にNitroxや酸素ボンベなどを使用したダイビングを行ったかは不明ですが、ハルティヒ氏は「酸素が逆効果になることもあります」とコメントしました。

 ハルティヒ氏はダイバー向けの雑誌に掲載したレポートの中で「COVID-19から回復した人は、たとえ軽症しか出ていなかったり、回復後に受けたダイビングのテストに合格したりしたとしても、ダイビング専門の医師に徹底的に検査してもらうべきです」と記して関係者らに対し警鐘を鳴らしました。またダイバーでなくても、COVID-19から回復した人は、肺の損傷の具合が明らかになるまで夏場のスポーツのトレーニングなどは控えた方がいいとのことです。

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