神戸新聞(12月10日付)
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市営バス「イナカー」 乗客伸びず苦戦 豊岡
全但バス(本社:養父市)の大幅な路線再編に伴い休止された路線で、豊岡市が10月から運行している市営バス「イナカー」の利用者数が伸び悩んでいる。通園通学を除くと、市の最低需要基準「1便あたり1人以上」を満たさない路線が複数あり、市は「このままでは廃止や、スクールバスへの転換もあり得る」と、地域住民に積極的な利用を求めている。
9日の市会一般質問などで、市当局が明らかにした。市交通政策係によると、イナカー全13路線の利用者数は10、11月の2カ月で総計1万7,652人(11月分は速報値)。うち、市教委が定期代を負担する幼稚園児-中学生の「通園通学」が1万2,148人で、住民らによる一般利用は、5,504人にとどまった。
通園通学と一般の合計では、宇日日和山線、奥小野線、合橋資母高橋線以外は基準を超えているが、一般だけをみると、半分以下の6路線しか基準に達していないという。
イナカーは現在、最低1年間の実証運行期間中で、一般利用者数が基準を満たしているかどうかで存続や運行形態が決まる。同係は「『地域みんなで支えるバス』という意識を強く持って」と訴えている。
一方、この日の議会では「事前予約制の区間で、現在の前日予約を当日にするなど、利用促進のために何かできないか」との質問も出たが、市側は「住民からの声が少なく、検討できていない。情報提供を強化して意見を求めたい」とし、市としての利用促進の具体策は示さなかった。
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